釈迦ヶ岳(1799.6m)孔雀岳(1779m)

 

★ひとこと   「前鬼から景観と岩芸術の大峰山脈を孔雀岳へ」

大日行場から釈迦ヶ岳を望む

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★行った日   2004年6月14日(月)  晴   単独
 
★コース

高槻4:47(近畿道、西名阪)=天理IC=7:48前鬼駐車場8:08→小仲坊8:51→9:56二つ岩10:04→10:52太古の辻10:57→大日分岐11:08→大日行場最初のピーク→大日分岐11:17→深仙の宿11:25→旭登山口出合12:23→12:32(1799.6m)釈迦ヶ岳12:50→13:51(1779m)孔雀岳13:58→14:22橡の鼻14:33→15:13釈迦ヶ岳15:20→旭登山口出合15:25→15:50深仙の宿15:56→太古の辻16:17→二つ岩16:47→小仲坊17:30→17:53前鬼駐車場18:00=天理IC(西名阪、近畿道)=高槻21:30

 梅雨の中休みで雲ひとつない清々しい朝だ。近畿道から見える生駒山の稜線が青空にくっきりと浮かび上がり、きょうの快適な山歩きを約束しているようだ。前鬼ゲート手前の不動七重の滝を眺めながら一息入れ、約3時間のドライブで前鬼林道のゲートに到着した。10台位の駐車スペースが2ヶ所用意されているが一番乗りだ。ここから小仲坊まで吊橋を渡る山道と舗装林道があるが、所要時間もあまり変わらないので歩き易い林道を歩いた。勾配の急な舗装道路を40分も歩くと開けた所に出る、行者堂や新築の建物もある小仲坊だ。近くの下北山村教委の掲示によれば、前鬼山由緒は・・・

(役の行者が大峰山を拓いた白鳳3年(676年)その弟子、義寛と義賢の夫婦が修験道の行場守護の命を受け、前鬼に住みついた。この夫婦に5人の子があって、行者坊、不動坊、仲乃坊、小仲坊、森本坊と称し、代々館を構え連綿としてこの修験道の聖地を守ってきたが、時代の変遷とともに明治の末期から次々と姿を消し小仲坊だけが残って1300余年の法灯を守っている。)

 

    (不動七重の滝)        (前鬼駐車場横吊橋)    (五鬼童「不動坊」の住居跡)
 
 
 
 
 
 
 
 
 

   (前鬼小仲坊宿坊)        (前鬼小仲坊行者堂)   

建物の裏手から、薄暗い杉の大木林のなかを五鬼童の住居跡のそばを通って登る。沢を渡渉して自然林の中を登りつめる。急な木製階段を登ると二つ岩だ。両童子岩とも云う。4年前に来た時は悪路の急坂だったが、世界遺産登録のせいか立派な階段になっている。

   (二つ岩「両童子岩」)  (熊笹の急登に新設された階段)(太古の辻、直進:本宮、左:前鬼)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  (大日行場への分岐点)    (大日行場の手前のピーク) (大日手前ピークから深仙の宿)
 
 
 
 
 
 
 


 
熊笹の茂る急登部に以前は往生したが、新しく木製階段がつけられている。また、沢を横断する所には真新しい鎖が付けられ、沢への上り下りに階段までつけられている所もある。小仲坊から約2時間で大峰山脈尾根の太古の辻に着く。太古の辻から釈迦ヶ岳方向へ約10分ピークを巻くと大日行場へ登る分岐がある。岩がしっかりしているので巻き道から登ることができる。意外にも最初のピークから深仙の宿が真下に見ることができた。
 
 (深仙の宿、手前が山小屋)       (四天岩)        (四天岩下の香精水水場付近)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     (深仙の宿)      (深仙の宿のコバイケイソウの群落)
太古の辻から約30分で深仙の宿だ。コバイケイソウの茂るコルに山小屋があり、近くの四天岩の下に香精水の水場があり、テント場の適地だ。ここから遠くに孔雀岳から小峠山に続く孔雀尾根、近くに十六羅漢や五百羅漢が眺められる。

 
    (孔雀尾根)          (十六羅漢や五百羅漢)        (笹原の尾根道)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
深仙の宿から灌木を交えた笹原を幾つかのピークを越えて登っていく。約1時間半で展望抜群の釈迦ヶ岳山頂だ。頂上には岡田強力が運び上げた釈迦如来像がそびえている。釈迦如来像の足元にただ一本だけ花を付けたシロヤシオが残っていた。サラサドウダンも更紗模様の花をつけていた。
北には、遠くに右から山上ヶ岳、弥山、八経ヶ岳、近くに孔雀岳、仏生ヶ岳、七面山が眺められた。ピークの北端からは、これから歩く孔雀岳までの稜線や西方にうがたれた片口谷の支谷のの白い谷床が印象的だった。
 
   (釈迦ヶ岳1等三角点)       (釈迦如来像)         (釈迦ヶ岳山頂風景)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    (シロヤシオ)       (五葉ツツジとも云うシロヤシオ)    (サラサドウダン)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   (北方の大峰山群)        (孔雀岳へと続く山稜)    (片口谷、正面は七面山)
 
 
 
 
 
 
 
 
 

釈迦ヶ岳から孔雀岳へ行くには、まず稜線を約150メートル急下降する。露岩ではなく樹木の間を下るので安全に下りられる。稜線歩きは所々でピークを巻くアップダウンの続く岩場が主で、アルペンムードたっぷりだ。馬の背あり、鎖場あり、岩の間に花あり、の展望豊かな尾根歩きが楽しめる。橡の鼻岩稜のテラスには、釈迦如来像と同時に運び上げられた蔵王権現のブロンズ像がにらみをきかせていた。孔雀岳に近づくとトーヒの立ち枯れが目立ち始めるが弥山小屋付近ほどではないようだ。釈迦岳から約1時間の孔雀岳山頂は灌木に囲まれた小山で展望もなく、時間的にも余裕がなくなってきたので早々に元来た道を戻り始めた。この岩稜尾根には主稜から少し外れて道のついたピーク(行場?)があり、注意しないと支稜に入り易い。実際に、孔雀岳から戻るときに表示がないので間違って支稜に入ってしまい、主稜に戻るときに逆の方向に行き釈迦ヶ岳を背にして歩いていることが分かりゾッとしたことがあった。視界不良のときなどは細心の注意が必要だ。

 
    (岩稜の尾根道)         (岩稜の鎖場)         (名残りのイワカガミ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    (切れ落ちた岩稜)       (シロヤシオ茂る稜線)        (橡の鼻)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (孔雀岳から釈迦ヶ岳を望む)   (岩稜に咲くジシバリ)     (橡の鼻テラスの蔵王権現)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (孔雀岳下の立ち枯れトーヒ)     (孔雀岳山頂)
孔雀岳から3時間半かかって前鬼駐車場へ帰着した。きょうのコースは意外にきつく体力を消耗した。孔雀岳からの帰りの釈迦ヶ岳の急登では完全にアゴを出してしまい休み休みやっと登りついた。余談ながら林道を前鬼口まで帰る途中に前鬼温泉の看板が出ている。村が製紙会社の了解のもとにホースで泉源から引いているそうだ。無論、冷泉だがほのかに硫黄の臭いがしていた。ここで身体を拭いてさっぱりして帰途につき、往路と同じ道で3時間半かかって帰阪した。

★ルート断面図


 
 
 
 
 
 
 

★地  図

 

 

 

 

 

 

 

 

昭文社刊山と高原地図から転載

(参考地図)
・昭文社刊山と高原地図 大峰山脈
・2万5千分の1地形図  釈迦ヶ岳

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