★ひとこと 「篠原登山口から木の根と岩のやせ尾根を経て山頂へ」
釈迦岳馬の背から七面山を望む(2004.6.14撮影)
*)ブロードバンド接続の方は画像をクリックして下さい。どの画像も大きくなります。
★行った日 2004年7月12日(月) 曇
単独
★コース
高槻4:44(近畿高速、西名阪)=柏原IC=七面山登山口8:08→七面尾分岐8:55→9:57(1616m)七面山西峰10:03→10:24(1624m)七面山東峰10:35→七面山西峰10:50→11:05あけぼの平11:18→(1556.4m)槍ノ尾11:27→七面山西峰11:57→12:40七面尾分岐12:45→13:04七面山登山口13:08=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻16:45
今年6月に釈迦岳から孔雀岳へ縦走した時に見た三角形の岩壁が忘れられず、梅雨の晴れ間を狙って七面山へ行った。残念ながら天候は曇り空で白っぽい空気におおわれて見通しは利かず、山々のピークは雲に隠れていた。五条から新宮へ通じているR168は、吉野から尾鷲へ通じているR169に比べて改良が遅れ、その分、周辺に昔の面影を残している。今回は、R168の宇井から県道宇井篠原線に入ったが、途中の断崖にへばりついたような集落、沼田原、惣谷などは谷崎潤一郎著「吉野葛」をほうふつとさせるような集落だった。小説の舞台は吉野川沿いであるが、再録すると
「気が付いてみると、いつの間にか私たちの行く手には高い峰が眉近く聳えていた。空の領分は一層狭くちじめられて、吉野川の流れも、人家も、道も、ついもうそこで行き止まりそうな渓谷であるが、人里というものは狭間があれば何処までも伸びていくものと見えて、その三方を峰のあらしで囲まれた、袋の奥のような凹地の、せせこましい川べりの斜面に段を築き、草屋根を構え、畑を作っている所が菜摘の里であるという。なるほど、水の流れ、山のたたずまい、さも落人の栖みそうな地相である。」
篠原の少し手前で橋を渡ると三叉路となり、左は大塔村役場に通じている宮の滝、右は集落と登山口方面だ。右折すると直ぐに二つにわかれ、直進は篠原集落へ、右下は登山口へ通じている。ここで道を間違え集落へ入ってから戻ってきた。集落下の舟の川に沿って林道をしばらく進むと地道になり河床を道路が横断している。この辺りがゲートのあった地点と思われるが今はない。旧ゲート付近?には危険告知標識がたっている。私は普通乗用車なのでゲートで駐車するつもりでゲートを探しながらどんどん進み登山口まで行ってしまった。コンクリート舗装と石ころ道が半々位の悪路で、路面の良い所を探しながら最徐行で登っていったが何回かお腹をこすってしまった。登山口から300メートルほど手前にコンクリート舗装の林道が右上へ別れているがこれを行っては駄目で直進の地道が正解だ。私は間違ってこれを登り峠まで行って戻ってきた。登山口には2、3台位駐車できるが、ここは大型の木材トラックが通るので(林業巡視員から注意を受けた)、満杯の場合は300メートル程戻った所の先程の林道分岐点にも数台駐車可能だ。道が細く、上へ登るほど大変な悪路なので篠原集落から登山口まで上り下りとも車で40〜50分見ておく必要がある。
(左:宮の滝、右:集落と登山口)
(直進:集落、右:登山口) (篠原集落、下の林道から)
(七面谷河床を横断する林道) (旧ゲート付近?) (釣り人への警告看板)
(林道へ落ちる小滝) (登山口から300米手前の林道分岐) (七面山登山口)
登山口から七面尾根出合まで高度差約300メートルの急登だ。ジグザグの登山道を頑張って登る。七面尾根も木の根を掴んで登る急坂あり、絶壁の岩覗きあり(省略可)、ヤセ尾根あり、のかなり厳しい道だ。歩き易いところばかり選んでいるとテープを見失い絶壁へ出てしまうこともある。七面尾根出合から約1時間で西峰だ、更に20分位で東峰だ。両峰とも展望はなく、その上ガスが時々かかる生憎の天気だった。東峰から奥駈道の楊枝の森まで往復しようとしたが、目印のテープもなく明確な道もなく、時々ガスがかかって現場確認も難しかったのであきらめて西峰に戻った。
(七面尾根出合) (尾根出合付近のブナ林) (七面山へ続く木の根ヤセ尾根)
(見事な木の根の絨毯) (尾根の石楠花林) (尾根から明星ヶ岳を望む)
(七面山西峰) (西峰からあけぼの平へ続く樹林) (七面山東峰)
西峰から南へなだらかな尾根を高度差で100メートルも下るとあけぼの平だ。一面の短い笹原で、南東に立ちはだかる大峰奥駈道の釈迦ヶ岳、孔雀岳、仏生ヶ岳連峰が素晴らしい。きょうは霞んでいてイマイチだったがあけぼの平の雰囲気は十分楽しめた。ついでに石楠花と笹薮を漕いで槍の尾三角点まで行った。崩れ落ちた小屋があるのみで展望も駄目だった。七面山のあの雄大な大岩壁はこちら側から見ることはできず、釈迦ヶ岳方向からしか見ることができなかった。下山は元来た道を戻り、槍の尾から登山口まで1時間半かかって車まで帰りついた。きょうは一人の登山者にも逢うことはなく静かな深山幽谷の山行だった。
(七面山岩壁) (左:七面山、右:仏生ヶ岳)
(左:仏生、中:孔雀岳、右:釈迦)
★ルート断面図
★地 図
(参考地図)
・2万5千分の1地形図 釈迦ヶ岳、辻堂