夜叉ヶ池(1099m)

 

★ひとこと   「晩夏の花咲く池の又谷から夜叉ヶ池へ」

夜叉ヶ池山から夜叉ヶ池、三周ヶ岳を望む

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★行った日   2004年9月15日(水)  晴   単独
          
★コース

高槻5:20(名神、北陸)=木ノ本IC(R303)=8:11夜叉ヶ池登山口駐車場8:17→幽玄の滝9:29→10:13夜叉ヶ池10:40→(1206m)P1206→夜叉ヶ池11:11→幽玄の滝11:27→12:31夜叉ヶ池登山口駐車場12:37(R303)=木ノ本=高槻

 きょうは雲ひとつない快晴で湖東、湖西の山々、伊吹山などが朝日に輝いているなか久しぶりの関西の山歩きだ。今庄から入るのが一般的らしいが木ノ本から、一部1車線道路が残っているが改良工事の進んでいるR303号線で岐阜県側へ向かった。県境の八草トンネルを越えてしばらく進むと坂内村川上だ。ここで「夜叉ヶ池」の表示に従って左へ入る。舗装された細い林道を約10キロ川沿いに進むと広い登山口駐車場に到着する。
 駐車場の奥左隅の登山道を標識に従って下り、沢を渡る。沢に沿って進んだ後、ジグザグに急坂を登ると池の又谷に沿って山の中腹を行く平坦な道となる。広葉樹林帯のなかを行く歩き易い道だ。時々小さな沢を横切るが、その辺りで野草が可憐な花を付けている。前方には夜叉ヶ池の岐阜県側の岩壁が屏風のように立ちはだかっている。駐車場から約1時間で幽玄の滝に着く。説明によれば、夜叉姫がこの滝の水で肌を清めて池底に下ったという。滝の水は肌を若返らせ長寿を叶えるそうです。
 この辺りから道が険しくなり、夜叉ヶ池の岐阜県側の夜叉壁を巻いて岩稜帯を登る。所々ザイルが張られているので下りなどはこれを利用すると安全だ。夜叉壁には細い昇竜の滝が何段かにわたってかかっている。ここを上りきると夜叉ヶ池を見下ろすことのできる岐阜県側の尾根に着く。夜叉ケ池は、今庄町と岐阜県、滋賀県の3県にまたがる三国岳の北側にある標高1099mの山頂にあり、池の周囲は230m、広さ約36アール、深いところは7〜8mだそうだ。 池の周りはブナの原生林に覆われ、満々と水をたたえた池は、静寂で神秘的な雰囲気が漂っている。現在、池の周囲に遊歩道の建設が行われておりだんだんと人間の手が入りつつあるようだ。

この池は、竜神伝説でも有名です。
<竜神伝説>
 昔、弥兵次という豪農が干ばつに耐えかね、池の主の大蛇に「水田に水を入れてくれるなら、娘を嫁にあげよう」と頼んだところ願がかなえられ約束どおり娘を嫁に出した。娘は蛇体となり大蛇とともに夜叉ケ池に入った。後に娘は竜神となって干ばつの時には雨を降らすと言われている。

また泉鏡花の夜叉ヶ池も有名で何度も舞台上演されている。
<夜叉ヶ池(泉鏡花)>
 少し前の日本、夜叉ヶ池のふもとの村は日照りに苦しんでいた。
 村人達から離れ、古い鐘楼を守りひっそりと暮らす夫婦、晃と百合。通りがかった古くの友、学円が、長い時をおいて彼らと出合う。晃は学円に語る。旅の途中、先代の鐘楼守だった百合の父の死に目に逢ったこと。昔、人間が夜叉ヶ池の竜神に一日三度の鐘をつく約束をしたこと、約束を破ると、村は水没してしまうこと、そして、百合の父に代わり晃が鐘をつき続けるよう頼まれたこと・・・。
 夜叉ヶ池の水底に住む池の主、白雪姫は白山の剣ヶ峰千蛇ヶ池の若君に恋をしている。若君のいる所に行きたいが、人間が鐘をつき続ける限り、白雪姫は夜叉ヶ池にとどまらなければならない。
 地上では干ばつに苦しむ村人たちが、百合を雨乞いのいけにえにしようと、晃と百合の家を訪れ、村一番の美女を差し出すことになっていると告げる。晃はこれを拒み、村人たちと乱闘になる。百合は自刃し、晃は鐘楼の撞木を切って落し自刃する。途端に凄まじき山鳴り雷鳴とともに村は消滅する。白雪姫はいそいそと千蛇ヶ池へ。
幻想と現実、人間世界と妖怪世界の対立する怪しい世界が美しく展開される物語である。

 こんなことを考えながら三周ヶ岳へ向かうべく東北方向の尾根を登っていったが、最初のピークから下った所で泥沼となり道も判然とせず背丈ほどもある笹薮のヤブコギになってしまった。稜線を少したどったが道が現れないためここで断念して引き返した。
 今度は三国岳へ行こうと南方向の稜線を登り夜叉ヶ池山を通りP1206まで行ったが、道の埋もれたヤブコギが延々と続いていそうなのでここから引き返した。
 このコースは手つかずの自然が残されており、夜叉ヶ池までは少し危険なところもあるがファミリー向きの絶好のコースだ。特に、高山植物が多く初夏には華やかな草花におおわれると思われる。

 

  (夜叉ヶ池登山口駐車場)   (池の又谷沿いの登山道)   (アルペン風の夜叉ヶ池方面)
 
 
 
 
 
 
 
 
 

     (幽玄の滝)             (夜叉壁)             (昇竜の滝)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(夜叉ヶ池から池の又谷を望む)    (夜叉ヶ池)              (夜叉ヶ池)
 
 
 
 
 
 
 


 
    (夜叉ヶ池山)             (三周ヶ岳)          (P1206ピーク山頂)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
★道端の花
 
   リンドウ(池の又谷)      キツネノマゴ(池の又谷)      ヤマゼリ(池の又谷)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  オオアキギリ(池の又谷)    ヤマホトトギス(池の又谷)      ?(池の又谷)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    ?(池の又谷)        ダイモンジソウ(池の又谷)    モリアザミ(池の又谷)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 サラシナショウマ(池の又谷)    ?の実(池の又谷)      クサレダマ?(池の又谷)
 
 
 
 
 
 
 
 


★ルート断面図

 

 

 

 

★地  図

 

 

 

 

 

 

 

 

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  広野、美濃川上

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