★ひとこと 「霧雨の仙千代ヶ峰から道を誤り海山町側へ」
堰堤から宮川貯水池
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★行った日 2005年10月13日(木) 曇後霧雨
単独
★コース
高槻4:50(近畿高速、西名阪)=針IC(R369、370、166、422、県道)=8:00
新大杉橋登山口8:12→尾根の尾8:46→9:50尾根縦走路合流10:00→10:42(1099.7m)仙千代ヶ峰10:54→P923
11:30→大岩11:47→P939大崩岩12:28→水呑峠12:53→高圧鉄塔下手前13:05→県道海山宮川線出合13:19→(土砂崩れ迂回)→13:40休憩13:49→白滝橋15:12→高圧電線下手前15:50→(中電の車便乗)→17:00大台町JR三瀬谷駅17:25→(宮川村営バス)→大杉18:40→大杉と赤吊橋中間点付近18:55→(動物調査車便乗)→19:00新大杉橋登山口19:11(県道、R422、166、370、369)=針IC(西名阪、近畿高速)=高槻22:25
○新大杉橋登山口〜仙千代ヶ峰〜水呑峠
秋雨前線が停滞してうっとうしい天気が続いていたが、昨日から前線が南へ下がりきょうも好天との予報だったので念願の大台町近くの山へ出かけた。珍しく満天星空のもと出発、近畿高速から見える生駒の稜線が茜色に染まっていた。しかし、166号線の高見山トンネルを出るとガスに閉ざされた景色となり、宮川貯水池から見える山々は雲に覆われていた。堰堤から3.8キロの新大杉橋の所で直進の県道海山宮川線は通行止めだったが、付近に広い場所がなかったので約1.8キロ先の登山口まで自己責任で入り込み道端に駐車した。
登山口は倉本橋の2、300メートル先左側の砂礫が流れ出た所だ。見逃しそうな黄色の小さなプレートがかかっている。最初、小さな谷筋の瓦礫を強引に登っていくとやがて登山道が現れる。植林帯の急坂をジグザグに半時間も登ると支尾根に着き、なだらかな道になる。だんだんとガスがかかり始め、まわりが薄暗くなり注意深くテープを拾うことに専念する。やがて勾配がゆるくなると尾根縦走路と合流する。縦走路といっても道らしい道は小潅木でおおわれ、合流点には何も表示はない。ここで霧雨が激しくなりだしたので雨具をつけて完全武装する。ガスのため視界は殆どなく、小潅木が茂り道が判然としないので主尾根を外さないように注意して進む。稜線の東側(紀伊長島側)は伐採後の植林直後らしく鹿害防止ネットが張られ、所々に木材運搬用のケーブルのやぐらが残っている。尾根道と合流して二つ目のピークが仙千代ヶ峰だ。小広場の山頂は灌木に囲まれ、あまり展望は良さそうではない。
山頂から東尾根は野又峠、南尾根は水呑峠に続いている。水呑峠から県道を下って登山口へ戻るべく南尾根を下った。山頂付近の尾根は丸く広く、おまけにガスっているので登山道から逸脱し易く、しばしば元に戻ってテープを拾いなおして尾根を下った。時々岩場が現れるが概して灌木林の平坦な歩き易い道だ。P923を過ぎると展望抜群と思われる大岩があり、天気がよければ休憩の適所だ。大岩の斜面は下方に続いているが、道は大岩の手前を右に下る方向だ。仙千代ヶ峰から約1時間半でP939大崩岩だ。名前の由来はわからないが先ほどの大岩のことだろうか?ヒメシャラとシャクナゲの道を30分も進むと旧道の水呑峠だ。ここで大失敗、中電巡視用の標識のみで登山道標識がなくて(あったかも知れないが見落とした?)、ここが旧道の水呑峠との認識ができなかった。直進700メートルで水呑峠と表示があったので直進したが、あとで調べるとここで右へ下る必要があった。ちなみに左は宮川第1発電所、直進は大河内山の十字路だ。直進すると約10分で高圧線鉄塔の下だ。ここから巡視路を左下へ急坂を下り、崩落面を横切って杉林を抜けるとトンネル手前の県道へ梯子で下りられる。
(倉本橋) (倉本橋の2、3百米先の登山口) (登山口近くの荒れた道)
(植林帯を登る) (尾根縦走路合流点)
(尾根の木材運搬用やぐら)
(仙千代ヶ峰山頂) (広葉樹林帯の縦走路) (所々岩場がある)
(ヒメシャラとシャクナゲの道) (高圧鉄塔下手前) (崖崩れ斜面の中電巡視道)
○水呑峠の怪(赤色:歩いた道、黄色:歩こうとした道)
水呑峠からトンネル西口に下りて県道を右折して宮川村へ戻る計画だった。ところが水呑峠の場所を誤認したためトンネル上を通過してトンネル東口へ下りてしまい、計画通りに下りたと誤認しているため県道を右折して反対の海山村方向へ行ってしまった。なお、トンネル付近の県道にはどっち方向が宮川村なのかを示す表示はなかった。
○水呑峠〜新大杉橋登山口
トンネル東口から200メートル位の所で、昨年秋の水害で道路が崖崩れのため車はおろか歩いても通過不能だ。そこで急斜面を谷底まで下りて向こう側を這い上がることでやっと崩落現場をクリアー。崩落斜面の海山側の上に向かってあやふやな中電巡視用?梯子が設けられていたが、これを使って上側を迂回するのも不可能だ。小さな崖崩れ現場を幾つも通り、ガスがなければ素晴らしい展望の景色を見ながら眼下に曲りくねって見える県道を下っていった。再度、大きな崩落現場があったが工事は少し進んでいるようなので徒歩で越えることができた。高圧線の下近くまで下ってきて、中電の巡視員の人に話を聞いて初めて逆に太平洋側へ下ってしまったことが判った。峠から2時間半も下り、崩落現場もあるため再度戻るのは時間的、体力的、精神的に不可能と判断した。幸運にも中電の方が松阪まで帰社するので大台町まで便乗をお願いしたが、最悪の場合、紀勢線JR船津駅まであと8キロ歩かねばならない所だった。
巡視員のかたに大台町JR三瀬谷駅までおくってもらい、大台町で泊るつもりだったが駅から大杉行きの宮川村営バスがあり、大杉まで戻った。大杉バス停から新大杉橋めざして真っ暗な県道を歩いていると、またまた幸運にも生物調査でダムまで来ていた車に逢い登山口まで便乗させてもらって、なんとか車まで帰りついた。
きょうはハプニングの連続だった。3っつの幸運(海山宮川県道で中電の人に逢ったこと、三瀬谷駅から大杉までバス便があったこと、宮川貯水池で生物調査の車に出逢ったこと)が重なって無事きょう中に戻れたが、最悪の事態を予想して慎重な行動が必要なことを痛感した山行だった。登山道を行く時には道の間違いに万全の注意を払っているが、県道にでてからは露ほども不信感を抱かず間違った山の同定をしながら歩いてしまった。磁石で大きな方向を判断すれば誤りに気付いたはずだが、あまりにも確信を持って歩いていたため気付かなかった。再度、同じケースがあっても同じ過ちを繰り返さない自信はないくらいだ。また、全国的に晴でも大台ケ原近辺はさすがに雨の名所らしく雨具は手放せない。お蔭でガスの山行となり山自体の印象はあまり残らなかったが今後の山行のためには最高の勉強ができた。それに宮川村周辺は昨年秋の水害からあまり復旧していないので、周辺山域への入山は控えた方がよさそうだ。
帰途は、時間的に遅いこともあってスムーズに車が流れて約3時間半で帰阪できた。
(迂回のため崖下へ下りる) (崩落現場を見上げる) (左梯子は中電巡視道?)
(寸断されている県道) (延々と続く県道) (またまた道路崩壊現場)
(迂回せずに土砂を乗り越える) (景色抜群の県道) (県道海山宮川線の白滝橋)
★ルート断面図
★地 図
(1)新大杉橋〜P923
(2)P923〜高圧電線下手前
(参考地図)
・2万5千分の1地形図 宮川貯水池、大杉峡谷
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