子ノ泊山(906.7m)

 

★ひとこと   「立間戸谷から道を探しつつ子ノ泊山を経て浅里へ」

熊野川沿いR168から子ノ泊山を望む

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★行った日   2005年12月1日(木)  晴   単独
          
★コース

高槻4:50(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道、R24)=五条(R168)=8:30下和気登山口8:41→源助滝→9:47栃の木平9:53→荒れた小屋11:08→12:50(906.7m)子ノ泊山13:00→やけグラの頭→詰滝→14:14浅里登山口14:26→浅里集落→飛雪ノ滝15:15→車便乗=15:45下和気登山口15:50=熊野川温泉さつき(R168)=五条=柏原IC=高槻21:30

 ネットで子ノ泊山(ねのとまりやま)の山行記録を見ると、下和気登山口から立間戸谷をさかのぼるルートは迷い易く難物らしい。最近の僕の山行でも、道標があまりないルートで登山道を外すことが多くなっているので、大枚をはたいてハンディーGPSを手に入れ初めてこの山行に持参した。きょうは迷うことを前提にして、午前5時前に出発し曲りくねった168号線を通り、熊野川町楊枝口バス停から三和大橋を渡り、約4時間で下和気登山口に到着した。
 杉林の薄暗い登山口で、幸運にも同じ方向へ行く猟師に逢い栃の木平(猟師間での呼称)までの立間戸谷の遡行に迷うことはなかった。彼は2、3日前に仕留めた猪を回収に行くそうだ。右岸、左岸を何回か渡り、和気の森への登山道を左に分け、源助滝を右下に見て高巻き、大岩の下をくぐったりして谷の合流点の広い河原、栃の木平だ。彼に逢わなかったらここまでに何回もテープを探し回った筈だ。この河原には1本の見事な紅葉と栃の木?の巨木がありケルンも広場中央にある休憩に適した明るい所だ。ここから単独山行だ。
 谷の主流は牛鬼滝があるため右の支谷に分け入る。この支谷から支尾根を越えて立間戸谷源流部に出合うルートだ。テープを求めて再々うろうろする。テープが見当たらない時や間違った方向のテープが残されている時もあって、GPSで現場を確認しながら道なき道の石ころを乗り越えて次のテープを見つけた時の気持ちは格別だ。崖崩れで崩壊した現場を通過し、支尾根を越えて少し下降すると立間戸谷源流部に出合い、少し先に荒れ果てた小屋がある。この支尾根越えが迷い道第1の難関だ。
 谷を少しさかのぼってからテープに従って左の山へ登りついた。結果的には、もっと谷を直進するのが正解だったようだ。道なき急斜面を登るとテープもなくなり、しばらく倒木を越えてよじ登るとテープの代わりに丸太で縁取りしたジグザグの立派な登山道が現れた。GPSで現場確認すると、子ノ泊山より北の尾根を目指している様だった。そのまま登山道を登り尾根下に出た。尾根沿いに南下してピークを越えると突然、林道が現れ尾根道の林道をアップダウンしながら進む。地図にない林道が尾根伝いに幾つもあるので間違い易い。現実に、子ノ泊山ピークの横を林道で通過してしまい、次の標識で舞い戻ってやっとピークに立てた次第だ。小屋からのアプローチが迷い道第2の難関だった。迷いに迷ったため荒れた小屋から山頂まで2時間弱もかかってしまった。一等三角点のある山頂からは、大峰、果無山脈から熊野灘までの大展望だ。


    (下和気登山口)           (立間戸谷)           (和気の森分岐)

   (一枚岩の下を通る)       (栃の木平の紅葉)        (栃の木平の巨木)

  (支谷の廃道に近い道)     (崖崩れの道なき道)        (頼りない桟道)

   (立間戸谷の源流部)     (源流部の荒れはてた小屋)     (急斜面の道なき道)

   (丸太縁取りの道)       (本ピーク北側のピーク)     (清々しい稜線)

   (急に現れた林道)         (子ノ泊山頂上)          (一等三角点)

 下山ルートは往路を迷わずに下る自信がなかったので、遠回りになるが浅里ルートだ。頂上直下の案内標識には、小鹿・浅里方向の林道が通じていたが冬の日暮れは早いので不安定性を嫌って、地図にある確実な桐原浅里林道方向へ下ることにした。尾根伝いに東南へ下り、浅里辻で桐原方面を左に分け南下すると「やけグラの頭」だ。両サイドが切れ落ちたやせ尾根の先端に立つと、熊野川が白く光り烏帽子岳などの熊野の山々が連なっているのが見える展望台だ。この岩頭から詰ノ滝までの標高差100メートルが雑木の生えた急斜面だ。この「やまびこ新道」と称する急斜面では、両手で木を掴みつつ下るので翌日は鉄棒をしたように腕の筋肉痛だった。一枚岩の詰ノ滝は渇水のため数条の白糸が這っている様だ。谷に沿って左岸、右岸を交互に渡りつつ沢を下ると浅里登山口の浅里桐原林道出合だ。
 ここでまた失敗、地形図に基づき林道を右へ進んだが上りばかりだったので、しばらく進んでから元へ戻る。正解は左へ少し進むと、地図にある浅里桐原林道へ出るのでそこから右へ下ると浅里集落だ。地形図にない多くの林道が出来ているので注意が肝要だ。浅里集落のはずれに飛雪の滝がある、一見に値する滝だ。下和気登山口まで1時間を覚悟して熊野川沿いの狭い県道を疲れた足をひきずって歩いていたが、幸いにも車に便乗させてもらってやっと下和気登山口へ帰りついた。
 今回は予想通り迷い道の連続だったが、GPSの現場確認が貴重な情報源だった。子ノ泊山へは、登山時の立間戸谷コース、下山した浅里コース、途中分岐の桐原コースがある。立間戸谷コースは迷い道の覚悟が必要な難コース、浅里コースはテープや標識もあって一部急坂があるが迷わないコース、地元の人の意見では桐原コースが最も登り易いそうだ。子年には登山道が改修されるそうなので3年後には様子が変わっていることだろう。帰りには、近所の「熊野川温泉さつき」で疲れを流して、往路と同じコースで帰阪した。初めはあまり意識してなかったが、今回で近畿百名山89座、関西百名山95座となり来年には完登できそうだ。


                (子ノ泊山から熊野灘を望む)

  (林道と浅里登山道分岐)     (やけグラの頭)     (頭から熊野川、烏帽子山を望む)

(やまびこ新道・雑木林の急斜面)     (詰ノ滝)         (林道へ続く谷沿いの道)

      (浅里登山口)         (浅里桐原林道)          (林道点景)

     (浅里集落)              (飛雪滝)           (熊野川沿いの道)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡に基づき作成)
(1)下和気登山口〜子ノ泊山〜詰ノ滝


(2)詰ノ滝〜浅里登山口〜車便乗地点


(参考地図)
・2万5千分の1地形図  大里

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