三国峠(775.9m)

 

★ひとこと   「クチクボ峠から三国峠を経て若丹国境尾根伝いに杉尾峠」

トチノキの古木が点在する由良川源流の上谷

                                       *)ブロードバンド接続の方は画像をクリックして下さい。どの画像も大きくなります。


★行った日   2006年6月17日(土)  晴後雨  単独
          
★コース

高槻4:52(名神、湖西道路、R367、県道)=久多(県道)=6:40ワカンビ谷林道側広場6:52→クチクボ峠7:21→7:42(775.9m)三国峠7:53→枕谷別れ8:09→稜線出合8:39→9:00野田畑峠9:07→シンコボ分岐9:46→9:51(811.4m)シンコボ→9:55シンコボ分岐10:00→10:55(765m)杉尾峠11:03→サワ谷分岐11:54→林道始点11:58→駐車場(長治谷分岐)12:02→林道引き返し点12:08→秘蔵峠分岐12:18→三国峠分岐12:27→地蔵峠12:30→三国峠登山口(林道ゲート)12:34→13:23ワカンビ谷林道側広場13:29(県道)=久多(府道、R477、府道)=高槻16:20

 梅雨の晴れ間に、若丹国境尾根付近の芦生の森へ出かけた。裏日本は晴との天気予報だったが、午後にはにわか雨の予感があったのと涼しい内に登るべく朝早い出発だ。早朝の湖西道路から眺める山々は梅雨時と思えないくらいはっきりと見えていた。

○ワカンビ谷〜三国峠〜野田畑峠
 久多から県道を北上し、朽木からの道と大宮神社で合流してワカンビ谷を少し行き過ぎた所の大きな空地に駐車する。ワカンビ谷の林道沿いに三国峠登山口の白い棒が建っているのでここから谷沿いに北上だ。初めは杉林をなだらかに進むが、すぐに急坂となり30分ほどで江若国境尾根のクチクボ峠だ。ブナの江若国境尾根を登ると滋賀、京都、福井の境界にある三国峠だ。ここから若丹国境尾根歩きとなる。ここまではしっかりした踏み跡やテープがあるので迷うことはない。山頂からは東方の視界が開け百里ヶ岳から武奈ヶ岳までの峰々が眺められる。
 山頂からは、クチクボ峠、ブナの原生林三国峠登山口、枕谷、の3つの下山道があり、枕谷への快適な登山道を下る。テープを拾って下って行くと、倒木の重なり合った地点から優雅な谷間に入って広い氾濫原となり、枕谷を下っていることに気付いた。この道の途中から野田畑峠へ向かう道が分岐していると思っていたが、山頂付近から主稜線が延びているので、もっと手前にある分岐点を見逃したらしい。元に戻るのもシャクなので右の稜線へ登るべく、灌木帯の坂に取り付いた。ヤブコギはなく、アセビや倒木のあるブナの森の急坂を登りきって支尾根を進みやっと若丹国境尾根稜線ピークの踏み跡に合流した。イタチが薮を駆け抜け、鹿が真っ白な尻をみせて走り去ったりと自然味たっぷりの道なき手探り歩きだった。目印テープは時々しか現れないので、主稜線を外さない様に、ピークからの下りは稜線を間違わないように地図と首っ引きだ。コルの野田畑峠は落葉広葉樹林の小さな平地が広がり湿地帯もあって野鳥がさえずっていた。鳴き声を区別して聴き取るなんて僕にとっては至難の業だ。

 
 (ワカンビ谷に沿って登る)    (ワカンビ谷に沿って登る)       (クチクボ峠)

   (ブナの尾根道を登る)         (三国峠)          (下りの立派な尾根道)

                   (三国峠から東方を望む)

     (枕谷に入る)         (明るい枕谷の氾濫原)    (道なき支尾根をよじ登る)

 
  (ピークで稜線に出合う)      (ブナの稜線を行く)       (野田畑峠の湿原)

○野田畑峠〜シンコボ〜杉尾峠
 野田畑峠からシンコボ分岐までテープは少ないが尾根がはっきりしているので、広葉樹林を楽しみながらの散策だ。シンコボ分岐からシンコボ山頂まで5分くらいだが山頂は全くのブラインドだ。シンコボから2番目のコルに倒木があって踏み跡が消えているが谷筋に入っては駄目だ。ここでも少し回り道をしたが道がなくても右の尾根を登ると踏み跡が現れる。次のピークでは小さな案内板があるので救われる。最後のコルを過ぎて杉巨木のピークを越えると杉尾峠だ。北方の視界が開け名田庄方面が見えている。


    (野田畑峠の小広場)    (ブナとイワカガミの尾根道)      (ブナ古木の道)
 
  (倒木と小灌木の尾根道)      (シンコボ分岐)        (シンコボは視界なし)

       (杉老木)         (わかり難い尾根ピーク)     (ピークの説明表示)

   (最後のピークの老杉)    (古木の上に世代交代ブナ)  (杉尾峠から日本海も見える)

      (杉尾峠)           (初めV字谷の上谷)     (広々とした上谷の氾濫原)

○杉尾峠〜地蔵峠〜ワカンビ谷
 最初、V字峡を下るとすぐにブナやトチノキの茂る広々とした上谷の氾濫原が続いている。由良川の源頭だ。若丹国境尾根では1人の単独行の男性と逢っただけだったが、上谷では登山者が列をなしていた。谷はトチノキの古木が点在しモリアオガエルの卵胞がまだぶら下がっている池もある広葉落葉樹疎林の野鳥天国だ。なだらかに谷を下って湿地帯を抜け、杉造林帯を過ぎると林道が始まり、すぐに長治谷分岐点の美山町側の駐車場だ。土曜日とあって沢山の車や美山町のバスも来ていた。ここでまた失敗、中山神社が道端にあると勘違いしてどんどん林道を下って行って、やっと間違いに気付いた。再び元へ戻り、何も表示のない丸木橋を渡って少し進むと中山神社があった。杉林の道ををなだらかに登り、三国峠への道を左に分けて少し坂を登ると林道に飛び出す。地蔵峠だ。
 地蔵峠には頑丈なゲートがあり、ここから入山禁止の表示があった。丁度小雨が降りだした中を傘を片手に林道を道なりに下ると、ブナの原生林三国峠登山口があり鎖ゲートの所に沢山の車が駐車していた。約1時間の林道歩きでワカンビ谷へ帰り着いた。
 帰りは久多峠から周山を経て亀岡から帰阪した。僕の認識不足だったが、芦生の森と言えばアシウスギに代表される杉の古木の森と思っていたが、きょうの若丹国境尾根近くの芦生の森はブナなどの落葉広葉樹の豊富な自然林の地域だった。幸い早出のお蔭で、好天のブナの森を存分に楽しむことができた。なお、僕は落第だったが、国境尾根コースは目印テープや表示も少なく、しっかりした読図能力を試すには絶好のコースだ。
 

   (池もある杉尾谷)      (池のモリアオガエル卵泡)    (点在するトチノキ古木)
 
  (茂るコバイケイソウ)        (下流部の湿地帯)        (杉造林帯に入る)
 
    (美山町側の駐車場)        (山中神社)         (三国峠と地蔵峠分岐)
 
    (地蔵峠のゲート)     (三国峠登山口の鎖ゲート)  (ブナの原生林三国峠登山口)
 
★道端の花
    コアジサイ(野田畑峠)       ?(野田畑峠)      ギンリョウソウ(野田畑峠)
 
    ガクウツギ(シンコボ)     オカタツナミソウ(杉尾谷)     タニウツギ(杉尾谷)
 
   ヤマボウシ(野田畑峠)       ウツギ(地蔵峠)        ヤマツツジ(地蔵峠)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       京都北山2
・2万5千分の1地形図  古屋、久坂

Homeへ