馬の鞍峰(1177.8m)山ノ神の頭(1099.1m)

 

★ひとこと   「三ノ公から山ノ神の頭を経て台高山脈で馬の鞍峰へ」

父ヶ越から大普賢岳(中)山上ヶ岳(右)八経ヶ岳(左奥)

★行った日   2007年3月4日(日)  晴後曇  単独
        
★コース

高槻5:10(近畿道、西名阪)=柏原IC(県道、R309、R169、県道)=入の波温泉(林道)=7:30三ノ公橋7:42→林道終点8:40→9:36P773 9:42→P904 10:06→緩斜面樹林10:40→11:09(1099.1m)山ノ神の頭11:28→父ヶ越11:35→尾根別れ12:03→地池越12:18→展望ピーク13:03→P1164 13:40→14:05(1177.8m)馬の鞍峰14:12→尾根別れ14:35→カクシ平14:54→三ノ公行宮址14:59→15:27明神滝分岐15:32→林道終点15:56→16:45三ノ公橋(林道)=入の波温泉(県道、R169、R309、県道)=柏原IC(西名阪、近畿道)=高槻20:00

 以前から行きたかった台高山脈の雰囲気に触れることのできる山ノ神の頭から馬の鞍峰への尾根歩きに出かけた。がけ崩れ事故で熊野方面へ抜けられないため交通量の激減したR169を通り、大迫ダムから入の波(しおのは)温泉へ向かう。入の波大橋を渡って三ノ公林道めざして進んだが三ノ公林道入口で工事通行止めだ。仕方なく三ノ公橋たもとの4、5台駐車可能な広場から歩くことにした。
 4月下旬並みのポカポカ陽気の林道歩きだ。道端にはフキノトウが顔を出しているがまだまだ冬枯れたたたずまいだ。林道の上に動くものの気配がしたので見ると茶色の猫位の大きさで尾の立派なテンだ。すぐ駆け上がって姿を消してしまったが、鹿やカモシカは良く見るがテンは珍しい。殆ど完成したがけ崩れ工事現場を通り、無人の三ノ公集落を右下に見て三ノ公川に沿って進み、立派なトイレを過ぎると間もなく登山口のある林道終点だ。道の左側に石段があって明神滝の表示がありここから下山してくるつもりだ。何も表示のない右側の祠の手前から少し下って明神谷を渡ると休憩所がありその左から山へ入る。休憩所の裏へ伸びる山道があったが、赤テープが真上にあったのでそのまま急斜面を直登した。しばらく木の根や岩角を掴んでがむしゃらに登りようやく雑木の茂った尾根の尾に出て急斜面の尾根を登ると右から来た階段道に合流した。どうも先ほど下で見送った道の延長らしいが確証はない。登りやすい木の階段を登りつめるとP773だ。ここからしばらくなだらかな尾根道を進み急斜面を登りつめるとP904だ。この辺りからトガサワラの大木が増えてくる。一度下って幾つか小さな池が点在する湿地の横を過ぎて少し登るとヒメシャラとトガサワラの多い平らな緩斜面の樹林帯だ。ネットでよく紹介されているN字形の樹木もここに生えている。尾根伝いに登りつめると台高縦走路の一角を占める山ノ神の頭だ。小広場の山頂からは木の間から白鬚岳が見えているが展望は殆どない。ここまでは尾根道の上りでもあり赤テープが適所に付けられているので迷うことはない。下りの場合は平らな地形で他の尾根に入らないよう注意深く赤テープをひろうことが必要だ。 

 
   (通行止めの三ノ公橋)        (春の兆し)         (林道終点の登山口)

  (休憩所の左横から登る)    (急坂をがむしゃらに登る)    (雑木の尾根を登る)

     (岩から生えた?)         (登山道に合流)         (P773付近の尾根道)

    (大木が増えてくる)       (トガサワラを見上げる)     (緩斜面手前の湿地帯)

 
   (緩斜面のN字形樹木)     (大木トガサワラの林)     (ヒメシャラとトガサワラの尾根)
 
(木の間から西北の白鬚岳(左))   (尾根の先が山ノ神の頭)       (山ノ神の頭)

 ここからきょうのハイライトの台高縦走路だ。山頂から東北へ少し下った所から東方へ大台辻、北方へ地池越の稜線が伸びている。一つピークを越えて下ったコルが父ヶ越だ。広いさわやかな尾根から、右から山上ヶ岳、大普賢岳、弥山と八経ヶ岳の大峰の山々が展望できた。右の三重県側には父ヶ谷から宮川貯水池に通じている林道が続いている。1100メートルを越える次の尾根は東北に伸びおり、うっかりして少し直進してしまったが赤テープに注意して西北方向に下ることが必要だ。次のコルが地池越だ。尾根は狭い馬の背もあるが概して広く、明るいヒメシャラやトガサワラの疎林帯だ。きょうのコースは大展望が望めないのが残念だが、次の展望ピークが唯一東北方向が開けた場所だ。池小屋山から古ヶ丸山へ続く台高山脈の支尾根が見え、右にはずんぐりした国見山が顔をだしている。上り下りしながら尾根を進むとP1164だ。展望のないピークを後にして馬の背もある尾根のアップダウンを過ぎ、最後の急坂を登りつめるときょうの最高点の馬の鞍峰だ。山頂は狭く展望も良くない。この縦走路は踏み跡も判りづらい所があるが、県境石杭や赤テープが適所にあるのでこれを忠実にたどると迷うことはない。

 
 (左は地池越、右は大台辻)     (広い尾根の父ヶ越)     (サルノコシカケのオブジェ)
 
  (県境尾根石標をたどる)     (三重県側に続く林道)    (尾根を左へ下る、直進は×)

  (東南の鯎(うぐい)谷高)        (地池越)           (ヒメシャラの林を行く)

                    (展望ピークから東北を望む)

 
     (展望ピーク)        (さっぱりした尾根を行く)        (P1164)

 ここから主稜線と別れ西へ向かって狭い支尾根を下る。木の間から白鬚岳が見えている。しばらく支尾根の稜線を下ると赤テープが沢山つき、尾根正面にロープが張られた所から斜面を左へ激下りだ。地形図から判断するとこの尾根を直進すると天然記念物トガサワラ(裸子植物マツ科の生きた化石植物)原生林を通って三ノ公橋へ出られそうだが、時刻の余裕もなく経路の状態もわからないので表示通り林道へ向かって下ることにした。激下りの後明神谷の源頭が現れ、しばらく谷に沿って下ると平地がある。三ノ公行宮址もあるカクレ平だ。説明板には、南北朝時代の1448年尊義王(小倉宮皇子)は都から三ノ公へ潜居、尊義王は川上郷民の助けを借りて、吉野朝復興を画策したが病に倒れたとある。小さな瀑布の連続する谷を木々の間から眼下に見ながら谷沿いの急斜面の中腹を進む。しばらく下ると明神滝分岐があり、100メートルほど下ると滝がある。今は渇水状態で水量は少ないがなかなか立派な滝だ。ここから道も立派になり遊歩道として整備されているようだ。滝から30分も下ると林道終点だ。本来ならここから車だが、小1時間の林道歩きでやっと三ノ公橋へ帰りついた。
 台高のきょうのコースは急斜面の上り下りが多くしんどい尾根歩きだったが、広々とした尾根筋にヒメシャラやトガサワラが林立する明るい林が素晴らしかった。きょうのポカポカ陽気もあって汗びっしょりなので入の波温泉でひと浴びと思ったが午後5時までのため吉野の中荘温泉で汗を流して往路と同じルートで帰阪した。特筆ものは、葛城山麓の県道から眺めた斑鳩の里の街明かりと満月が幻想的だった。

 (明るい典型的な台高尾根)    (馬の鞍峰手前の老杉)    (馬の鞍峰の狭いピーク)

    (西へ支尾根を下る)     (西の白鬚岳の方向へ下る)  (綺麗なヒメシャラの幹群)

   (尾根を分かれて激下り)      (明神谷の源頭)      (三ノ公行宮址もあるカクシ平)

   (沢沿いの絶壁を下る)       (明神滝分岐)         (渇水状態の明神滝)

 (さわやかな遊歩道を下る)     (杉樹林帯を下る)          (林道終点へ)

★道端の花(花は殆どなし)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大台ケ原、高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図  大和柏木

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