土倉岳(1049.5m)御池岳(1247m)藤原岳(1120m)

 

★ひとこと   「ノタノ坂から残雪の御池岳、福寿草と節分草の藤原岳周回」

天狗岩付近の石灰岩帯に咲く福寿草

★行った日   2007年3月29日(木)  曇一時しぐれ後晴  Kさんと2人(Kさんのレポート
        
★コース

高槻4:45(名神、R421)=6:32君ヶ畑茨川分岐6:55→7:28ノタノ坂7:32→鉄塔(L193)7:48→8:48(1049.5m)土倉岳9:00→ボタン淵10:08→10:22(1247m)御池岳10:35→鈴北岳分岐11:02→コグルミ谷分岐11:19→冷川岳(1054m)11:51→11:55白船峠12:02→鉄塔(L201)12:20→12:26(1143.4m)冷川谷ノ頭・鉄塔(R199)12:31→13:04天狗岩13:12→藤原山荘13:38→13:52(1120m)藤原岳14:06→孫田尾根分岐表示14:55→蛇谷分岐15:08→治田峠15:40→林道始点16:10→16:17茨川16:25→ノタノ坂17:03→林道出合17:17→17:27君ヶ畑茨川分岐17:37(R421、名神)=高槻19:25

 天気の崩れが予報より少し早まり思わしくない空模様だが、きょうは福寿草鑑賞のロングコースなので早朝にKさんと御池川林道の茨川分岐点で待ち合わせだ。八日市IC近くのコンビニで食糧を買い込み予定通り到着。
 小又谷に沿っている林道はすぐに川底を横断する。2、3センチの水深なので靴のまま歩けたが少し増水すると裸足の必要がある。しばらく進むとノタノ坂の表示があって右の中電巡視路へ入る。最初の鉄塔までは(L193)の表示をたどればよい。砂防堰堤下の橋を渡って倒壊した小屋を過ぎ、杉林の谷をさかのぼり最後にジグザグに急登するとノタノ坂だ。峠を越えて直進すると帰りに通る茨川、尾根を北へたどると土倉岳を経て御池岳だ。しばらく杉林だがすぐに清々しい灌木疎林帯となり見晴らしの良い鉄塔(L193)だ。東側が開け、きょうはもやっているが藤原岳から治田峠(はったとうげ)を経て銚子岳、静ヶ岳が連なっていた。ここから自然林の見晴し尾根が続き、西には尖がった天狗堂が見えている。P944尾根分岐ピークで中電巡視路と別れ、尾根をたどり最後に急登すると灌木疎林平地の土倉岳だ。三角点付近が伐採され小さな広場になっているが視界はない。
 土倉岳から少し下ってから笹原を越えて灌木疎林帯を急登する。海抜1000メートルを超えると北斜面には残雪が現れ始める。一面の笹原の奥の平には幾筋もの踏み跡のような所があるが決まった道はなく、歩き易いところを選んで小高い丘のP1194にたどり着いた。目視で目標がたどれる場合は良いがガスった時は磁石があっても難物な所だ。P1241から道なき笹原をなだらかに下るとボタン淵だ。折から小雨まじりの風が強く、ガスってきたため折角の大展望を楽しむことができなかった。


  (御池川林道の茨川分岐)   (小又谷に沿う林道を進む)    (ノタノ坂へ林道別れ)

   (砂防堰堤の下を渡る)   (鉄塔(L193)をめざして進む)    (杉林の谷間を登る)

    (ノタノ坂の十字路)          (尾根を登る)      (見晴らし抜群の鉄塔(L193))

    (自然林の尾根を進む)   (気持ちの良い灌木疎林帯)     (左に天狗堂が見える)

 (P944尾根ピークで巡視路別れ) (イワカガミ群落の尾根)        (土倉岳三角点)

    (奥の平への急な登り)      (疎林帯を急登)          (土倉岳を振り返る)

      (P1194付近)      (笹原をボタン淵に向かう)   (ボタン淵から御在所岳方面)

 ボタン淵から踏み跡をなだらかに登ると御池岳山頂はすぐだ。岩だらけの山頂は小空間しかなく展望もない。コグルミ谷の表示通りに谷を下るが残雪が多く所々で踏み抜いて腰辺りまで沈み込む場面があった。ブナの幹の輻射熱で丸く解けた雪原が美しい。北側斜面の谷間を鈴北岳分岐まで下ると残雪歩きは終了だ。真ノ谷分岐を過ぎてブナの稜線を下るとコグルミ谷分岐の天ヶ原だ。ここが出発地からの最遠点だ。灌木の稜線を東南方向へたどり冷川岳を過ぎた所が白船峠だ。ここから三重県側へ下る坂本道は数年前から災害のため通行止めだ。ここから100メートル余登ると展望良好な鉄塔(L201)と(R199)があり後者に冷川谷の頭の三角点がある。ここからの御池岳の眺めが雄大だ。また、東北にはいなべ市の彼方に養老山塊が望める。

  (笹原を御池岳へ向かう)       (御池岳山頂)          (御池岳山頂)

    (コグルミ谷へ向かう)      (残雪の谷間を下る)    (丸くとけた雪原のブナ林)

  (残雪の多い北斜面谷間)      (鈴北岳分岐)          (真の谷分岐)

   (ブナ林の稜線を下る)    (コグルミ谷分岐:天ヶ平)    (灌木疎林の尾根を進む)

   (白船峠手前の冷川岳)   (坂本谷は通行止めの白船峠)  (冷川谷ノ頭:鉄塔(R199))

 
                 (鉄塔(L201)から西北の御池岳を望む)

     (超高圧線鉄塔)      (鉄塔(R199)から養老山塊)    (天狗岩から藤原岳)

 
 天狗岩に近づくと石灰岩が散在する灌木疎林の林床に派手な福寿草が咲き誇っていた。蕾は殆ど見かけなかったので、花期終了間近の満開の季節だった。福寿草のような群生ではなかったが所々に寂しげに可憐な節分草が咲いていた。黄色に彩られたカレンフェルトの台地を過ぎ、藤原山荘を経て笹原の小道を登りつめると藤原岳だ。山頂からの展望は雄大で、登ってきたノタノ坂から御池岳へ続く尾根、これから下る治田峠への尾根が手に取るように見えている。
 藤原岳から岩だらけの東南尾根をしばらく進むと灌木帯の激下りだ。斜面には一面に福寿草が咲き節分草も見かけた。所々に赤リボンはあるが下りの踏み跡はなく花のないところを滑りながら下るのはスリル満点だ。急降下しながら尾根を下り、P965から孫太尾根方向へ少し入ってしまい正規の尾根まで斜面をトラバースする場面もあった。尾根道には地点番号の記された地図が要所に掲示されているので迷うことはないが、山頂からの激下りが唯一の注意ポイントだ。孫太尾根分岐の表示を過ぎ、気持ちの良い落葉樹の疎林帯尾根をアップダウンしながら下っていくと山頂から約1時間半で治田峠だ。旧道らしい峠から茨川へ向かう道で針葉樹林帯をジグザグに下り、荒れた伊せ谷に沿って進むと大崩壊地に出る。崖崩れ面が整備され、迂回路が付けられているが、ネットの以前の情報では難路地点と説明されていた。この辺りから林道が始まり茨川まで続いているが落石が激しく、茨川からは車で入らない方がベターだ。
 茶屋川の茨川の河原で大休止後、川の右岸からノタノ坂へ続く山道に取り付く。河原から直接登りつくので増水時は難儀な場所だ。疲れが貯まっているので峠までの標高差200メートルが最高にしんどく、休み休みフーフー云いながらやっとノタノ坂にたどり着いた。峠からは下りゆえ快調にとばして10時間半に及ぶ滋賀県側からの御池岳・藤原岳周回コースを完了した。きょうは暖かかったので3リットルものお茶を消費し汗だくの姿のまま名神経由で2時間弱で帰宅し風呂に飛び込んだ。Kさんと2人元気に歩けたことに感謝!
 きょうは前半は風が強く奥の平ではガスと時雨さえ吹き付けるコンディションだったが、その後は回復し雲間からの日の光がまぶしかった。遅いと思った満開の福寿草にも出逢え、節分草さえ見ることができた。ブナなど落葉樹の木々はまだまだ冬姿ながら、小灌木の梢はほの赤く染まり山の頂にも春がそこまで来ているようだった。

  (石灰岩帯に咲く福寿草)   (雪のない藤原岳山頂への道)     (藤原岳山頂)
 
                (藤原岳山頂から南〜西〜西北を望む)
 
 (山頂から南へ尾根を進む)  (これから進む尾根の展望)  (福寿草咲く疎林帯の激下り)
 
     (P965頂上)        (孫太尾根分岐の表示)   (気持ちの良い落葉樹疎林帯)

      (蛇谷分岐)       (珍しい馬の背の尾根道)      (治田峠の十字路)

 
 (炭焼窯跡のある谷間を下る)(崖崩れの著しい林道始点付近)   (茨川で茶屋川を渡る)

  (旧道らしい道端の地蔵)    (最後の尾根道を進む)     (やっとノタノ坂到着)

 
★道端の花

    (派手なフクジュソウ)     (葉っぱ付きフクジュソウ)     (福寿草と節分草)

   (可憐なセツブンソウ)    (ショウジョウバカマのはしり)       (アセビ)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)


(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  篠立、竜ヶ岳

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