大峠から灌木とブナの尾根を登ると正面にイブネの山塊が真正面に見え始める。ガレ場の上の尾根で小休止後、尾根をアップダウンしながらコルまで下り、再度、ブナが多くなってきた尾根を登り始める。最後に高度差約100メートルの尾根の急登だが、振り返ると佐目子谷とその両側に続く山並みがしんどさを忘れさせてくれるような絶景だ。イブネの台地の端部に達すると背の低い小灌木の笹原となり、なだらかに登って行く。クラシは台地の東端にあってシャクナゲに囲まれた小さな丘だ。笹原の高原を楽しみながら西南に進むと、草原の中に一本の標識が建っている。イブネだ。文字通りの360度の景観だ。西北には草原が広がり、南には御在所岳、鎌ヶ岳、間近に迫った雨乞岳などが連なっている。
イブネから灌木帯を下ると佐目子谷の源頭に当たる佐目峠だ。特徴ある割れた丸い岩が目印だ。佐目峠で小休止後なだらかに登るとブナ林の中の杉峠への分岐点だ。杉峠へは南下するがタイジョウへは北上する。このあたりはブナ林の平地なので方向を確かめて、赤テープを拾いながら注意深く進むことだ。やがて険しい馬の背の尾根となり道なき道を滑り落ちない様に進む。やがてダケカンバのように曲がった幹の灌木に囲まれたタイジョウだ。
(イブネに向かって灌木帯を下る) (ガレ場の上で休憩) (馬の背尾根)
(イブネへ登る急坂から西北方向(佐目子谷)を望む)
(ブナ林の尾根を行く) (灌木疎林帯の笹原を行く)
(シャクナゲ林中のクラシ)
(イブネ付近から西北方向の笹原高原台地を望む)
(イブネ付近から南方向の左から御在所岳、鎌ヶ岳、雨乞岳を望む)
(平らな草原のイブネ) (佐目峠へ疎林帯を下る) (佐目峠の割れ石)
(灌木の中の杉峠分岐)
(険しい馬の背尾根が続く) (タイジョウ)
タイジョウからの下りが本日最大の難物だった。昨年11月の逆コースの上りではさほどでもなかったが、手がかりを探しながらの下りは一筋縄ではいかなかった。赤テープの目印もないのでルートを探しながら注意深く下った。苔むした岩が現れると激下りも終わりだ。あとは危険箇所もなく、灌木を縫いながらさわやかな尾根をタイジョウから1時間半も進むとカクレグラだ。東には往路に通った銚子ヶ口岳からイブネに至る尾根が夕日に照らされていた。カクレグラ三角点は東側のみ開けているが灌木に囲まれている。
山頂から稜線を少し戻ってから西南に伸びる支尾根を下る。少し薮っぽい所もあるが、カクレグラまでの主稜線と異なり赤テープが律儀に沢山付けられているので迷う恐れはない。山頂から30分も下ると中電巡視路の標識に出合う。ここで漫然と歩いていたので入道が原方向(鉄塔(R162)方向)へ入ってしまった。1週間前に通った藤原岳近くの冷川谷ノ頭の鉄塔に続いている伊勢幹線の鉄塔群が壮観だった。再度、巡視路出合まで戻り、頻繁に現れる鉄塔(R161)の標識に従って下った。甲津畑の集落が望める2本目の鉄塔(L160)から巡視路を外れて登山道らしき踏み跡を下り、沢の鉄橋の所で巡視路に合流した。渋川を渡渉して林道をしばらく戻って杉峠への分岐点に帰り着いた。杠葉尾の発電所まで戻って車を回収し往路と同じルートで帰阪した。Kさんのお蔭で鈴鹿の静かな山域の縦走ができたことを感謝!
きょうは終日快晴に恵まれ、山頂付近の風は冷たかったが最高のコンディションのもとで山歩きができた。特に、銚子ヶ口岳からイブネまでの展望豊な尾根筋歩きが大変素晴らしかった。きょうのコースは表示や赤テープが殆ど期待できないので支尾根に入り込まないように地図と磁石は必携だ。
(険しい激下り)
(険しい激下り) (苔むす岩角の道で激下り終わり)
(灌木のながらかな尾根)
(明るい尾根道) (カクレグラ)
(カクレグラから東方(往路に通った尾根)を望む)
(薮っぽい支尾根を下る) (なだらかな尾根を下る) (なだらかな尾根を下る)
(中電巡視路に出合う) (間違って鉄塔(R162)へ下る) (鉄塔(R162))
(R162から伊勢幹線鉄塔群) (戻って鉄塔(R161)へ下る)
(鉄塔(R161)から甲津畑集落)
(沢を巡視路鉄橋で渡る) (最後に渋川を渡渉) (林道の巡視路入口)
★道端の花
シャクナゲ蕾(イブネ手前コル) アセビ(水舟の峰) ヘビイチゴ(イブネ手前コル)
ハルリンドウ(イブネ) スミレ(カクレグラ) ヤブツバキ(鉄塔(R160))
ハマグリの如きサルノコシカケ ミヤマカタバミ(渋川河畔) ?の花穂(林道)
★ルート断面図
★地 図(GPS軌跡)
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)