矢筈ヶ山(1358.6m)甲ヶ山(1338m)

 

★ひとこと   「大山滝から大休峠を経て岩稜の矢筈ヶ山と甲ヶ山へ」

地蔵岳峠から矢筈ヶ山(中央)を望む

★行った日   2007年5月22日(火)  晴  単独
        
★コース

高槻3:22(中国道、米子道)=蒜山IC(R482、県道)=7:00一向平キャンプ場駐車場7:15→吊橋7:36→7:59大山滝8:05→地獄谷分岐(大休口)8:29→9:12三本杉別れ9:22→9:55大休峠10:02→稜線出合10:39→11:02(1358.6m)矢筈ヶ山11:22→小矢筈11:33→12:13(1338m)甲ヶ山12:23→小矢筈13:03→13:18矢筈ヶ山13:27→稜線出合13:42→14:00大休峠14:05→三本杉別れ14:29→地獄谷分岐(大休口)14:49→大15:05山滝15:10→吊橋15:26→15:45一向平キャンプ場駐車場16:00(県道)=関金温泉湯命館(R313、R482)=蒜山IC(米子道、中国道)=高槻21:20

 関西からの日帰り登山では限界に近い大山東側の矢筈ヶ山(やはずがせん)に出かけた。矢筈ヶ山から船上山まで北へ伸びる支尾根上の見晴らしの良い小矢筈、甲ヶ山(かぶとがせん)などの岩稜ピークがお目当てだ。矢筈ヶ山を登るには、やや距離の長い船上山ルート、距離最短の川床ルート、難コースの大山寺からのユートピアルート、一般的な一向平(いっこんがなる)ルート、の4つがあるが、今回は大山滝を見たかったので最後のルートをたどった。蒜山ICから鏡ヶ成を経て地蔵峠へくると、きょう登る矢筈ヶ山や甲ヶ山が大山の右に朝日をあびて輝いていた。一向平キャンプ場の大駐車場まで大阪から約3時間半だ。ここで支度していよいよ出発だ。
 まだ係りの人が来ていない事務棟の前には道路崩落により通行止の表示がしつこく出ていた。自己責任で通りを直進する。一向平から川床までは中国自然歩道の一部であり、その昔、伯耆三山(大山、船上山、三徳山)を結ぶ修験道の道でもあったそうだ、道端には丁石が残っている。吊橋手前で道路が崩落していたが迂回路が整備されており難なく通れた。吊橋を渡ると山道となり、桧林とブナ林が交互に現れ木地師の住居跡もある林間の道をなだらかに登る。水音が聞こえてくると大山滝だ。滝を俯瞰する展望台もあるが新緑にさえぎられて全貌がよく見えなかったが、上下2段に別れ落差43メートルの大山最大の滝らしい。加勢蛇川(かせいちがわ)に沿ってブナと桧の林をなだらかにさかのぼると地獄谷ルートの分岐点でもある大休(おおやすみ)口だ。ここから新緑のブナの支尾根を登る。


(往路の地蔵峠から東面より見た大山の峰々(左から烏ヶ山、大山、矢筈ヶ山、甲ヶ山)を望む)

    (一向平遊歩道入口)       (中国自然歩道説明図)      (遊歩道崩落地点)

    (崩落地点迂回路)            (吊橋)            (木地師住居跡)

    (丁石の地蔵)           (大山滝説明図)            (大山滝)

  (なだらかなブナ林を行く)    (大休口、地獄谷分岐)      (新緑のブナ林を登る)

 右から来る尾根と合流する辺りが三本杉分れだ。いまは標識のみで廃道になっているが、右の尾根を地図でたどると三本杉集落に出るようだ。海抜1000メートルを越えるとなだらかな山腹をぬう道となり、左にはブナの梢の間から大山東面の崖や烏ヶ山が垣間見えている。鞍部まで進むと前記4ルートの交差点でもある大休峠だ、立派な避難小屋が建っている。西の稜線にはユートピア小屋も見えている。
 小屋の裏から急坂を登ると笹薮のブナ林を少し薮コギし、岩角の急坂を登る。稜線に出合うとなだらかなブナの尾根道となり、最後に急坂を登るとさえぎるもののない矢筈ヶ山三角点だ。西南には大山、西北には米子から美保湾、東北には尖がった小矢筈がありその彼方に倉吉がかすんでいた。山頂では初めて登山者と逢い、安来在住の山なれた女性単独行とお見受けし、大山の事を色々教えて頂いた。


    (ブナ林の山腹を行く)     (垣間見える大山東面の沢)   (垣間見える烏ヶ山)

 (ブナ古木越しに見える大山)    (大休峠の避難小屋)       (避難小屋前の広場)

  (矢筈ヶ山へ向う笹薮コギ)        (ブナ林を行く)          (岩角の急坂を登る)

   (稜線出合のブナ林)      (ブナとムシカリ林を行く)      (矢筈ヶ山三角点)

               (矢筈ヶ山頂上から西南方向を望む)

              (矢筈ヶ山頂上から東北方向を望む)

 山頂から急坂を下り、尖がった小矢筈の岩峰をよじ登る。小矢筈の頂上から見た甲ヶ山は三角錐の優美な姿だ。見た目はスムースに行けそうだったがなかなかの難路だ。甲ヶ山には登山道らしきものが白く見えていたが、近くで見ると岩場に踏み跡が浮き出ているだけだ。鞍部まで下ると古木の木の根がハイマツのように露出した所を越え、甲ヶ山山腹の岩場を巻いて東側に周り、急角度の岩稜登りだ。岩がしっかりしているので安心だが、ロープなどの人工的な手がかりはなく丸印のルートを注意深く登る。久しぶりで北アに来たような感じだ。狭い甲ヶ山頂上からも文字通り360度の大展望だ。しばし景観に見とれてから往路と同じ経路で下山した。帰途、関金温泉湯命館で疲れをいやし、蒜山の塩釜の冷泉で水を汲み、蒜山ICから帰阪した。
 きょうのコースは期待にたがわずアルペン風ルートだ。一向平から大山滝を経て山頂までブナ林が切れ目なく続き、新緑に染まるような見事さだ。矢筈ヶ山から小矢筈を経て甲ヶ山に至る岩尾根からの展望は素晴らしく、殆ど登山者にも逢わず静かな山行が楽しめた。

 
(矢筈ヶ山から小矢筈を望む)    (小矢筈の急坂を登る)   (小矢筈下りから甲ヶ山を望む)

   (歩き難い木の根の道)      (甲ヶ山山腹を巻く)       (矢筈ヶ山を振り返る)


    (岩の急坂を登る)        (下を振り向くと)            (甲ヶ山頂上)

          (甲ヶ山頂上の360度の展望(西南〜西〜北〜東〜南〜西南))


  (甲ヶ山から矢筈ヶ山)       (甲ヶ山から美保湾)      (甲ヶ山から野田ヶ山)

★道端の花

 
  ミヤマナルコユリ(大山滝)     ユキザサ(大休口)     ギンリョウソウ(三本杉別れ)
 
    ガマズミ(三本杉別れ)     エンレイソウ(大休峠)       イワカガミ(大休峠)

    ムシカリ(矢筈ヶ山)      タチツボスミレ(矢筈ヶ山)        ?(矢筈ヶ山)

 
   ヤマツツジ(矢筈ヶ山)       チゴユリ(大休峠)       サンカヨウ(三本杉別れ)

    カキドオシ(一向平)       ヘビイチゴ(一向平)       タニウツギ(一向平)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大山・蒜山高原
・2万5千分の1地形図  伯耆大山

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