山頂から西方へ落葉絨毯の灌木帯をなだらかに下り、大日如来の石碑を過ぎると神末に下る道との分岐点の三畝峠だ。登り尾峰を過ぎ新道峠まで葉を落としたヒメシャラやブナなどの明るくなだらかな道が続き、登山口からここまでは遊歩道のようだ。P1102手前辺りの日のあたる場所で一服、Kさんから頂いた自家製の干し柿の甘さで元気百倍だ。P1102を越えるとすぐに新道峠だ。馬頭観音の石仏のある新道峠からは飯高町の月出登山口、御杖村の新道コースが分岐している。新道峠からなだらかな下りが続き、P940付近の稜線から南側に月出集落が真下に横たわり、山の彼方に池木屋山が薄く望めた。明るい雑木林を少し下ると月出集落への道を左に分ける白髪峠で、もう少し前方が不動橋への道を右に分ける白髪山だ。高度が下がるにつれて杉植林帯が多くなり、次のピークがタコラ山(水無野山)で、すぐ先の稜線から左側の視界が開け、東北方向に歩いて来た稜線と台形の三峰山が存在感を示し、その左に学能堂山が望めた。次のピークがヒメシャラなどの自然林に囲まれた三角点のある大滝山だが視界はない。奥船山直前の鞍部南面にはススキ原が広がり、ススキ穂越しにマスガタ山の彼方に迷岳や池木屋山が連なるさまが素晴らしかった。奥船山を下りきると、ゆりわれ登山口とほぼ同じ標高の、このコース最低鞍部の請取峠だ。御杖村と飯高町を結ぶ旧街道の峠らしく荒れ果てているが広い道が交差している。GPSでは峠の位置が地形図より東へずれていたがどちらが正しいかは不明だ。杉林主体の尾根道でP774、奥ノ山を過ぎると、いよいよ高度差300メートルの高尾山西峰の激登りだ。展望がなかったので10分位で往復できる東峰にも行ったが展望はなく、雑木の稜線を激下りした次のピークが好展望のトクマ山だ。害獣除け金網の上まで下ると、迷岳から池木屋山、高見山へと続く山並みが逆光に黒々と照らし出されていた。
(三峰山頂上付近の石碑) (三畝峠)
(登り尾峰)
(新道峠)
(新道峠の馬頭観音石仏)
(月出集落の彼方に池木屋山)
(ヒメシャラ林)
(タコラ(水無野)山) (タコラ山から台形の三峰山)
(タコラ山から学能堂山)
(大滝山三角点)
(請取峠、正面尾根道がルート)
(馬の背の杉林尾根を行く) (何もない高尾山東峰) (トクマ山付近から高見山)
トクマ山から一旦下ってから岩稜尾根を上り返すとサイメ谷山だ。なだらかに雑木林尾根を登り、倒壊した作業小屋を過ぎると間もなく北尾根との合流点だ。展望台の合流点から、東方に歩いて来た蛇行する尾根の彼方に三峰山が横たわり、東南にマスガタ山の向うに迷岳、南に国見山などが見える。ブナの疎林帯尾根を登り、積雪時は怖ろしそうな見晴台の大ガレを経て、稜線を登りつめる。木々に霧氷がつき始めた北斜面を登り終えると高見山山頂だ。山頂直下の稜線が絶好の展望ポイントで、高見山北尾根、三峰山に至る尾根などの山ひだが夕暮の斜光に照らされた一瞬が素晴らしかった。山頂からは西南の大峰山系が夕日に茜色に染まっていた。絶景を存分に楽しんでから大峠へ向ってブナ林の急坂を下った。大峠からデポした車で薄暗くなったゆりわれ登山口へ戻った。帰りは、R166の高見山トンネルを過ぎた辺りの真っ暗な水場で水を汲み、西名阪が工事渋滞の恐れがあるとのKさんの情報に基づき、針IC経由を敬遠して桜井を経て南阪奈道で帰阪した。
Kさんのお蔭で、距離のあるタフなコースだったが終日好天に恵まれ、霧氷の名山、三峰山から高見山を結ぶ稜線歩きを楽しむことができた。大きな高低差も急坂もあまりなく、三峰山から倶留尊の山々、稜線から迷岳から池木屋山に至る山脈、高見山から遠く大峰山系などが展望できる絶景コースだ。テープもこまめに付いており迷うことのない安全コースだが車2台必要なのが難点だ。
(北尾根合流手前の尾根道) (岩稜尾根を行く) (北尾根合流展望ポイント)
(越えてきた尾根筋と三峰山)
(やせ尾根を登る)
(大ガレを越える)
(頂上付近の霧氷の卵)
(高見山頂上)
(夕暮に霞む大峰の峰々)
(高見山頂上直下から西北〜北〜東〜東南を望む)
(急坂のブナ林を下る)
(大峠に向って支尾根を下る)
(夕日を浴びる大峠)
★道端の花(花は殆どなし)