添谷山(1250.1m)七ッ釜高(1355.1m)御座ぐら(1120m)

 

★ひとこと   「筏場から自然林の宝庫添谷山と展望の七ッ釜高」

台高中部のブナ、ミズナラなどの自然林の稜線

★行った日   2008年4月12日(土)  晴  単独
        
★コース

高槻4:01(近畿道、西名阪)=柏原IC(県道、R309、R169、県道)=入の波(林道)6:00=6:14筏場6:22→五色温泉跡6:45→吊橋7:06→倒壊小屋7:29→8:18銀嶺水8:25→崩壊地8:47→9:13縦走路出合9:20→10:02(1250.1m)添谷山10:13→林道(狸峠)10:18→P1241 10:40→11:20(1355.1m)七ッ釜高11:36→P1241 11:57→林道(狸峠)12:19→12:30添谷山12:35→13:02(1120m)御座ぐら13:08→13:31添谷山13:34→P1250 14:14→大台辻14:23→崩壊地14:40→14:53銀嶺水15:00→倒壊小屋15:30→吊橋15:43→五色湯跡16:05→16:26筏場16:31(林道、県道、R169、R309、県道)=柏原IC(西名阪、近畿道)=高槻19:40

 苦手の雪も完全に消えたと思われるので、台高中部の添谷山近辺の自然林尾根の散策だ。きょうは長丁場なので4時に自宅を出発し入の波(しおのは)を経て、1車線ながら完全舗装道路で大台登山基地の筏場に到着。駐車場にはキャンピングカーがとまっていたがすでに先行していた。
 登山道入口には吊橋以遠通行止の表示があったが自己責任で通る。白倉又谷出合で橋を渡り本沢谷左岸に沿って進む。渓谷美を愛でながらしばらく進み、なにもない五色湯跡を過ぎ黒倉又谷の橋を渡る。水量が多いので迫力のある渓谷だ。岩壁の崩壊地点の仮桟橋を渡って少し進むと釜之公谷の吊橋だ。ここから先は未修復で道の中央に通行止の表示がある。本沢谷を離れて薄暗い杉植林帯を登る。三十三荷坂(さんじゅうさんにさか)と言うらしい。支尾根の先端に倒壊小屋があり、ここからなだらかな支尾根下の山腹をたどる自然林の道だ。何ヶ所か土砂崩れで道が崩壊しているが石垣を積んだ立派な登山道が延々と続いている。標高1000メートルを超えた所にある銀嶺水で喉を潤す。この辺りから倒木が道を壊したり、落ちた桟道が多くなるが注意して通れば問題なかった。最後に、道が完全に決壊し、下に見える対岸まで細いロープが渡してある崩壊地に出た。下りのガレ場はズルズルいきそうなので、左上稜線の縦走路めがけて急坂をよじ登ることにした。初め杉林の急坂を登り、次に灌木帯の急坂を登ると約30分で縦走路に飛び出した。大台辻経由よりだいぶ早く着いたようだ。


    (筏場登山道入口)     (白倉又谷と本沢谷出合橋)  (本沢谷沿いに遊歩道を進む)

 (本沢谷沿いに遊歩道を進む)        (五色湯跡)       (本沢谷沿いに遊歩道を進む)

   (崩壊地点の仮桟橋)      (釜之公谷を吊橋で渡る)         (釜之公谷)

   (杉植林帯を登る)     (倒壊小屋から自然林になる)  (土砂崩れで寸断された道)

  (しっかりした石垣の道)  (千米近くでヒメシャラが現われる)   (殆どの沢で道が崩落)

       (銀嶺水)        (落ちた桟橋が多くなる)        (立派な遊歩道)

   (崩れそうな桟橋)         (倒木が多くなる)         (最悪の崩壊地)

   (杉林の急坂を登る)    (ブナ林になると稜線が近い)       (縦走路出合)

 ここからきょうのハイライトの自然林の稜線漫歩だ。ヒメシャラ、ブナ、ミズナラ、モミなどの大木が落葉を敷き詰めた比較的広い稜線に林立している姿が魅力的だ。縦走路にはテープ印があるので迷うことはないが、稜線が広いので目印をこまめに拾うことが必要だ。P1292分岐ピークから東北に変えた稜線を下って少し登り返すと添谷山だ。小広場の三角点は木立に囲まれてあまり展望は良くない。三角点から、縦走路は北へ急降下しているが、狸峠は東の稜線をなだらかに下る。縦走路を離れると踏み跡は薄くなりテープ目印も一切ないので地図と首っ引きで歩く。下に林道が見えてくるので急坂の薮を適当に下ると林道に出合う、狸峠だ。林道の向かい側の小木にリボンがあったので、強引に急坂を登るとシャクナゲの稜線に踏み跡が現われる。稜線の北方が開けた所から仙千代ヶ峰や遠くの迷岳が見えている。P1241を過ぎて東南方向へ稜線を下ると正面左の視界が開け、正面に3っつのピークが見え、一番左のピークが七ッ釜高だ。一旦、下って登り返し、ピークを2つ過ぎると七ッ釜高三角点だ。この辺りの稜線は人の歩いた形跡はなく自然のままの姿が残されている。山頂からの展望はよく、南に日出ヶ岳、下方に粟谷小屋が見えている。東には熊野灘が望めるはずだがきょうは霞のためかなわなかった。


 (明るい自然林の稜線を行く)  (稜線から見える日出ヶ岳)     (芽吹き始めた灌木)
 
 (P1292尾根分岐ピーク)  (ブナ、モミ自然林の広い尾根)      (添谷山三角点)

 (縦走路から別れて東へ行く)       (林道出合)             (石楠花の急坂を登る)

   (奇怪な大木もある)     (踏み跡もない自然林を行く)       (踏み跡もない自然林を行く)

             (P1241の次のピークから西北〜北〜東を望む)

    (七ッ釜高三角点)   (添谷山から縦走路の急坂を下る)    (稜線を北上する)

 まだ時間が早いので御座ぐらを訪れることにした。往路を添谷山まで戻り、山頂からフィックスロープの張られた急坂の縦走路を下った。ここで失敗、やせ尾根の岩場で直進して急下降したが、途中で誤りに気付いて戻り、テープのある北の尾根を下った。尾根の正面の岩峰を左に巻いて、石楠花の巻きついた岩稜をよじ登ると岩峰の上に出る、眺望の御座ぐらだ。南側足下が切れ落ち、大台ケ原の展望台だ。添谷山まで戻り、往路の縦走路出合を経て大台辻へ出た。
 大台辻から荒れた登山道を少し戻ると、往路で回避した崩壊地だ。上りのガレ場を素早く横切って対岸に登りつき、朝に通った道を気楽に下って筏場へ帰り着いた。入の波では日帰り温泉が夕方5時までなので、残念ながらパスして、いつものルートで帰阪した。
 台高南部の自然林が素晴らしかったが、特に、あまり人の行かない七ッ釜高周辺の稜線が自然のままの姿を見せていた。安全に往復できる吊橋までの、滝や沢筋が流れ込む本沢谷の渓谷美も一見の価値がある。


                  (七ッ釜高から東〜南〜西を望む)
 
(御座ぐら手前岩峰を左に巻く)  (絶景の御座ぐら岩峰)      (添谷山へ縦走路を戻る)
 
               (御座ぐら岩峰から東南〜南〜西〜北を望む)

  (P1250から笹原を下る)       (大台辻)         (落ちた桟橋の道を慎重に下る)

 
 (自然に返りつつある登山道)  (急斜面のザレ場の崩壊地)  (ロープは無視して慎重に渡る)

 (往路をルンルン気分で下る)  (本沢谷を快調に下る)       (入の波の満開の桜)

★道端の花

    アセビ(銀嶺水)          ミツバツツジ(吊橋)      ヤマネコノメソウ(本沢谷)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大台ケ原・高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図  大台ケ原山、大杉峡谷

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