迷岳(1309.1m)

 

★ひとこと   「布引谷から霧氷の迷岳を経てブナ尾根で大熊谷の頭へ」

満開の霧氷の花咲く迷岳山頂

★行った日   2008年12月19日(金)  晴  Kさんと2人(Kさんのレポート

★コース
高槻4:41(近畿高速、西名阪)=針IC(R369、R166、県道、林道)=7:12庵の谷林道舗装終点7:33(林道、県道)=平瀬橋7:54→8:36作業小屋8:43→10:19布引滝分岐10:35→山ノ神10:43→11:17休憩11:30→スメール道合流11:52→12:14(1309.1m)迷岳12:34→P1285(柚子の木平)13:12→14:06(1190m)大熊谷の頭14:15→三角点P1011(庵の谷の頭)14:45→庵の谷林道出合14:50→庵の谷林道舗装終点15:35(林道、県道)=平瀬橋16:00(県道)=江馬小屋谷林道分岐16:23(県道、R166、R369)=針IC(西名阪、近畿高速)=高槻19:00

 台高山脈の池木屋山から東北へ別れた支稜の最後のピークが迷岳だ。迷岳への登り道は宮川村から林道を通る道と、飯高(いいだか)町からは飯森山コース、唐谷コース、布引谷コースがある。今回は難関と言われる布引谷コースから登り、稜線を経て大熊谷ノ頭から庵の谷へ下る計画だ。庵の谷林道の舗装終点でKさんと待ち合わせして1台デポし、蓮(はちす)ダム堰堤下の立派な平瀬橋から登り始めた。
 稜線は朝日に輝いているが、まだ薄暗い蓮ダム堰堤下の平瀬橋を渡って左折し、しばらく進んでから右折して杉林の急坂を登る。ルートには点々とリボンやテープ印が付いているので迷うことはないが、印間隔の広いところもあるので注意が必要だ。なお、稜線に出るまでGPSの衛星電波ロストが多発し、軌跡は少し不正確だ。幾つか小沢を越えて杉林を登りきると作業小屋のある稜線の小広場だ。小広場から北西方向へ下る踏み跡があったが、堰堤を渡ってトンネルを過ぎた辺りで別れる布引林道に通じているのかもしれない。作業小屋の横から稜線の西側の杉林中をなだらかに進み、真新しい丸太橋もあるが落下した丸太橋もある道をなだらかに登り、崩壊地を横断して杉林に入ると急坂だ。小さな沢を渡って荒れた落葉の斜面を斜めに登り、テープを見失って2人で布引滝の下り口を誤認してウロウロ探したりしながら、頼りない細いロープの張られた急斜面をこわごわ横切って登ると滝音が聞こえて来る。小さな手書き表示「布引滝」が滝分岐点だ。少し先まで行くと木々の枝の間からかすかに滝が望める。これ以上は切れ落ちた下を見てやめたが、どこかに滝壺への下降点があるのかもしれない。Kさんは断崖の裾を滝の見える所まで進みニコニコ顔だった。先日のソノドで沢へ滑り落ちてから、濡れ落葉に恐怖心が染み付いたようだ。滝分岐からがこのコース随一の危険箇所で、信頼できない細いロープを頼りにできず、数十メートルの濡れた落ち葉のへばりついた急坂の岩場をなんとかよじ登ると稜線上の小さな広場だ。すぐ先の杉林の中に自然石のままで彫像の姿をした「山ノ神」がある。アングルによっては恥ずかしげな乙女の像にも見えるなんとも不思議な形だ。ここから安全な稜線だ。杉林を過ぎるとブナやヒメシャラの尾根となり、サンサンと降り注ぐ光を浴びながら明るい稜線で2人で一服、少し寒いが至福の時を過ごした。


  (蓮ダム堰堤下の平瀬橋)   (平瀬橋から蓮ダム堰堤)   (平瀬橋を渡って左へ行く)

   (杉林を登り小沢を渡る)      (稜線上の作業小屋)        (整備された丸太橋)

 (新設の丸太橋も一部落下)     (崩壊地を横断)        (杉林の急坂を登る)

      (小沢を渡る)      (テープ印を拾って急坂を登る)  (滑り易い斜面にはロープ)

    (眼下に見える蓮ダム)     (怖い斜面をトラバース)     (布引滝分岐の表示)

  (かすかに見える布引滝)  (怖い濡れ落ち葉の岩稜登り)     (やっと稜線上に到着)

 (すぐ上に鎮座する山ノ神)      (杉林の稜線を登る)      (広葉樹の尾根を登る)

 いつも見る高見山は尖がっているが、ココから眺めるとなだらかに見える姿を樹間からチラチラ見ながら明るい尾根を登ると、飯森コースと唐谷コースが合流した後の登山道に出合う。この辺りから木々に霧氷が付きだし、白い花が咲いたような北側斜面を眺めながら急坂を登ると迷岳山頂だ。上を見ると真っ青な天空に梢がキラキラ輝いていた。山頂からの展望はあまり良くないが、ブナなどの疎林にかこまれた広がりのある空間が素晴らしい。山頂から東へ白い花が咲いたようなブナ、ヒメシャラ、シロヤシオなどが立ち並ぶ尾根筋を下る。途中の枯れた羊歯におおわれた尾根筋から南方の視界が開け、仙千代ヶ峰の左には熊野灘、白倉山の右には薄く日出ヶ岳が望め、振り向くと白髪混じりの迷岳と口迷岳が樹木の上に並んでいた。気持ちの良い広い稜線を下るとR1285の柚子の木平で、その少し先から布引山へ続く稜線が分岐している。下山点が特定できれば一度通ってみたいものだ。大熊谷ノ頭まで明るい広葉樹の尾根が続くが、東南を望む左側は時々見通せるが西北を望む右側は殆どブラインドだ。大熊谷ノ頭から庵の谷林道へ向って西北の尾根を下り、庵の谷林道出合手前のネット越しに三峰山や倶留尊の山々を眺めつつネットに沿って下ると林道だ。後は長い林道歩きでデポした車へ帰り着き、出発点の平瀬橋へ戻った。帰途、江馬小屋林道分岐点の水汲み場に立ち寄ってから、きょうはあまり汗をかいてないので温泉にも寄らずに往路通りに帰阪した。
 迷岳から伸びるブナやヒメシャラの明るい稜線や、山頂付近の霧氷の花見が素晴らしかったが、布引谷の滝壺から滝全景が見られなかったのは心残りだ。布引コースはリボンやテープ印が確実に付いていたが、滝近傍の登山道は危険なので雨上がりの下りは特に注意が必要だ。Kさんのお蔭で台高の秘境を楽しむことができた。

(支稜線からなだらかな高見山) (ブナやヒメシャラ尾根を登る)     (霧氷の急坂を登る)

 (霧氷の花咲く迷岳三角点)     (青空に輝く霧氷)       (山頂から尾根筋を下る)

               (好展望のしだ原尾根から東南〜南〜西を望む)

  (好展望のしだ原尾根)    (後に迷岳(左)と口迷岳(右)))  (P1285の柚子の木平)

  (二重尾根の稜線を行く)        (大熊谷ノ頭)       (庵の谷林道へ支稜を下る)

           (庵の谷林道出合手前のネット越しに西北〜北〜東北を望む)

   (支稜から見える高見山)   (右半分植林帯の支稜を下る)    (庵の谷林道出合)

★道端の花(花はなし)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大台ケ原・高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図  七日市

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