北摂と丹波の境にある弥十郎ヶ岳は標高が低くくても人気があり、亀岡から篠山方面に向かうときにはいつも南側に目につく山だ。先日訪れた深山(みやま)から西に位置するこの山には畑市側からピストンしただけなので、今回は辻側の東尾根から周回を計画した。R372の旧道の辻バス停から南に入り道なりに進む。害獣防御柵の扉を開閉して100メートルほど行き、橋を渡った所の林道合流点広場に駐車する。
東尾根稜線に向う薄暗い谷筋の沢山のミツマタが小さいぼんぼりのような花をつけ幻想的な風景をかもし出していた。多少の薮コギを覚悟していたが、途中から現われた踏み跡をたどっていくと、意外に簡単に稜線に到達した。稜線には立派な道があり、道を外れないようにロープまで張ってあった。三角点を過ぎて一旦下り、標高差で200メートルほど落葉に足をとられながら急坂を劇登りすると飛曽山だ。この辺りでは昨夜来の雨が雪だったらしく薄っすらと白くなっていた。山頂は見晴台のような岩棚が張り出し、対面の弥十郎ヶ岳の稜線とその左端に天文台を乗っけた大野山が望めた。アップダウンを繰り返しつつ自然林尾根を進むと本日の最高点のシドロ北峰だ。小さな手書き表示が枝にかかっているだけだ。農文塾を左に分け、さらに篭坊を左に分けて稜線を進むとハハカベ山石標のある山頂だ。後川からの道を合わせて少し進むと弥十郎ヶ岳山頂だ。西北の視界が開けているが、前方の木々が生長して数年前より下方が見え難くなっている。畑市への道を左に分け稜線を北上すると北峰だ。視界は殆どない。北峰から西と東へ伸びる稜線は明確だが北尾根は山頂から出ていない。、少し西へ下ってから北へ続く稜線をたどるのが本日唯一の注意ポイントだ。稜線の薄い踏み跡がだんだんと濃くなりP573で左の畑市へ下っている。そのまま北尾根を直進し、沢筋を下ると四本杉祠だ。しかし、害獣電撃柵が張られていて出入り口が見つからなかったが鉄線の間をどうにか通り抜けて山域から出ることが出来た。立派な巨木の四本杉から駐車場所はそんなに遠くない。
好天に恵まれ、東尾根では人に会わなかったが弥十郎ヶ岳では人気の山らしく20人位の団体や子供連れ親子もいて賑やかだった。素晴らしい東尾根の雑木林、ミツマタの花が揺れる薄暗い谷間など、手軽に体験できる自然だ。
(林道合流点)
(薄黄色の花を付けたミツマタ) (ミツマタの谷間を上る)