黒谷峠(1333.4m)天狗山(1536.8m)地蔵岳(1564m)


★ひとこと   「黒谷峠の支稜線から奥駈道で地蔵岳を経て前鬼へ」

天狗山奥駈道からたどってきた黒谷峠の稜線を望む

★行った日   2009年5月1日(金)  晴   単独
 
★コース

高槻4:30(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道、R309、R169、林道)=7:22前鬼車止め7:31→支尾根取付き7:47→8:57展望岩9:06→P1105 9:13→10:08(1333.4m)黒谷峠10:19→P1152 10:51→小池宿跡分岐10:56→P1224 11:17→12:05P1472 12:15→石楠花岳12:26→(1536.8m)天狗山12:46→奥守岳13:05→嫁越峠13:18→13:37(1564m)地蔵岳13:49→嫁越峠14:01→奥守岳14:24→(1536.8m)天狗山14:45→石楠花岳15:05→蘇莫岳下15:28→15:36太古ノ辻15:42→二つ岩16:10→小仲坊16:50→17:22前鬼車止め17:29(林道、R169、R309、県道、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻20:42

 前鬼の林道車止めをスタートし、石楠花岳から東へ伸びている支稜にある黒谷峠を経て、奥駈道で地蔵岳へ向う計画だ。1年で最も日の長いこの頃だが、長時間コースなので早朝に出発、池原ダムから前鬼に向う林道に入り、以前より少し荒れた舗装林道をたどり、不動七重滝の眺めを楽しみつつ車止めの広場に到着した。あすから連休後半がスタートなので多くの登山者を予想したが先客は1台のみだ。
 車止めの鎖をまたいで小仲坊方向へ取付き点を探しつつ林道を進んだが、適切な所がないため少し戻ってウリネ谷の西の稜線と思われる所から登り始めた。雑木林の急坂を木を手掛かりにやみくもに登り、すぐに水平道が現われたので西へたどり、頃合を見て道のない稜線を直登、稜線が狭くなった頃にどこともなく杣道が現われ、以降、この道をたどった。杉林から広葉樹の混じる自然林を登りつめると、造林地が現われ、その作業道をジグザグにたどる。しばらく登ると、西側のリョウブなどの落葉樹林との境にネットが現われ、ネット沿いに登りつめると展望岩だ。奥駈から小峠山に至る孔雀尾が眼前に連なっているのを眺めながら小休止だ。ここからP1105の岩頭までがきょういちの薮コギだ。ネットに沿って何とか薮を通り抜けると見晴し抜群の大岩だ。足下に小仲坊、これから向う支稜線がP1472で奥駈道の主稜線と出合い、左の主稜線には地蔵岳から釈迦ヶ岳が連なり、右の支稜線には孔雀尾が小峠山へ伸びているのが壮観だ。ここから広々とした尾根歩きが続く。しばらく進むと作業場跡地のような裸地があり、すぐ下の小仲坊の人まで肉眼で望めた。明るいリョウブやブナなどの自然林の幅広尾根をしばらく進み、最後にシャクナゲのジャングルをかきわけて上ると黒谷峠三角点だ。小さな岩場の山頂に根元がむき出しの三角点標柱が斜めに立っていた。山頂から西へ緩やかに下り、北西に続く支稜線を見定めて、尖がった大日岳を目標に稜線を下るが、この辺りの尾根は広いので方向感覚が重要だ。

      (不動七重滝)       (前鬼への林道車止め)    (ここから無理やり取り付く)

    (雑木林をほふく前進)     (支稜線の立派な杣道を上る)  (造林地帯の作業道を上る)

 (ネットに沿って支稜線を登る)      (展望岩)        (ネット沿いにブッシュを上る)

 
   (P1105の見晴し岩)     (作業場跡の見晴し尾根)   (見晴し尾根から小仲坊)

              (P1105の見晴し岩から西北を望む)

    (リョウブ林を抜ける)  (やせ尾根もあるが幅広尾根多し)(石楠花密林の向うが黒谷峠)

 
 (根上り状態の黒谷峠三角点) (山頂から西へのんびり歩く)  (大日岳目標に右尾根を下る)

 しばらく下ってP1152を過ぎ、東側が崩壊地の尾根を過ぎた鞍部が小池宿跡分岐だ。ここから小池宿へ向う美しい谷筋が西へ下っている。東へは前鬼へのルートが急斜面を下っているが、道標が伏せられているので崩壊中かもしれない。ここからブナやミズナラの疎林尾根の標高差約300メートルの急坂を、左前方に奥駈の稜線を見ながらヘトヘトになりながらやっと登りきると主稜線出合いのP1472だ。黒谷峠からここまで、明確な踏み跡はないが所々にテープ印もあって方向さえ注意すれば薮もない歩き易い尾根道だ。P1472から笹原尾根を少し南下すると奥駈道と合流し、すぐ先がシャクナゲに覆われた石楠花岳だ。笹原の展望稜線をたどる奥駈道からは、左の東側にいま越えてきた黒谷峠の支稜線の彼方に大台ケ原の山塊が、後の北方には大日岳の突起の向うに釈迦ヶ岳が悠然とそびえ、前方の南には天狗山、地蔵岳、涅槃岳などの南奥駈の峰々が重なっていた。天狗山の展望を楽しみ、茶色の笹原に緑のコバイケイソウが一斉に芽吹きだした稜線をたどって奥守岳を下ると鞍部が嫁越峠だ。悪路の道標があったが、笹の滝の先の花瀬からこの辺りを散策したいものだ。

 (小池宿跡へ通じる谷の源頭)   (小池宿跡分岐道標)      (前鬼ルートは難路らしい)

  (P1224付近から振り返る) (奥駈稜線を見ながら汗をしぼる)  (やっと着いたP1472)

 (奥駈出合からP1472を振り返る)(石楠花だらけの石楠花岳) (黒谷峠の歩いて来た稜線)

   (釈迦ヶ岳を振り返る)        (天狗山へ向う稜線)       (天狗山三角点)

               (天狗山から南へ続く奥駈道を望む)

  (天狗山から奥守岳へ向う)         (奥守岳)        (奥守岳から地蔵岳へ向う)

                 (奥守岳から大台ケ原方面を望む)

 嫁越峠からブナ大木の林立する坂道を登り返すと天狗の稽古場と称する草原だ。だいぶ疲れてきた身体に鞭打ってぶらぶら進むと地蔵岳頂上だ。行場があるだけで三角点はない。きょうはここからUターンだ。下山路で別々に大きなリュックの2人の単独行男性と挨拶を交わし、きょう3日目で本宮まで通しで縦走とのこと、好天続きを喜んで元気に去っていった。若さがまぶしい限りだ。石楠花岳まで往路通りに引返し、P1472の東を巻いて蘇莫岳の下を通って少し下ると太古の辻だ。直進は釈迦ヶ岳だが前鬼は東へ疎林帯を下る。下り始めてすぐに深仙小屋泊まりの大きなリュックの単独行に会い、あすから連休なのを再確認した。近年、世界遺産に登録されてから階段などがよく整備されたが、最近の集中豪雨のせいか谷筋が荒れていた。二つ岩を過ぎ階段を下ってから、歩き難い岩がごろごろした谷筋を延々と下り、太古の辻から1時間強もかかってやっと小仲坊だ。しんどい前鬼から登る人が少なくなったようで(旭からは楽ちん)、晴天の連休前なのにロッジは閑散としていた。小仲坊から三重滝への道を左に分け、駐車場へ向う遊歩道へ入る。ミツマタの大群落(育成地?)を過ぎ、谷筋までくると橋が流され遊歩道も土砂で荒れていた。急坂の小石の乗った石畳で見事前方転倒、こめかみとむこうずねを打ち、バランス感覚が弱ったことを実感。遊歩道出口の吊橋を渡った所でロープにより閉鎖されていたが、山登り姿であれば楽に通れる道だ。駐車場で数人の男性が酒盛りしているのを横目に、連休渋滞にも会わず順調に往路通りに帰阪した。
 車止めからP1105までは多少薮コギもあるが、下りの方向さえ注意すれば奥駈道まで幅広い広葉樹の疎林帯が美しい稜線漫歩だ。地蔵岳までの奥駈道は見晴しのよい草原主体の尾根道だ。このコースの危険度は殆どないがアップダウンが意外にきつく、しんどい一日だった。なお、黒谷峠から奥駈道に至るルートは山楽日誌さんのレポを参考にしました。

        (嫁越峠)        (さわやかブナ林を上る)     (天狗の稽古場(草原))

       (地蔵岳)       (P1472を巻いて蘇莫岳へ)    (蘇莫岳の岩稜尾根)

   (太古ノ辻から大日岳)       (太古ノ辻の道標群)     (斜めに疎林帯を下る)

    (荒れた谷筋を渡る)         (二つ岩)         (整備された階段を下る)

  (岩ごろごろの谷筋を下る)        (小仲坊)        (車止めへ向う遊歩道入口)

     (ミツマタ育成地?)      (吊橋を渡ると車止め)    (遊歩道出口、通行止?)

★道で出会った花

   ギンリョウソウ(P1105)     シャクナゲ(P1105)     ?ツツジ(P1224)

  ミツバツチグリ?(嫁越峠)   タチツボスミレ(小仲坊)        ミツマタ(小仲坊)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)


(参考地図)
・山と高原地図       大峰山脈
・2万5千分の1地形図  釈迦ヶ岳、池原

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