明星ヶ岳(1894m)七面山(1624m)


★ひとこと   「湯ノ又から明星ヶ岳を経て奥駈道経由七面山へ」

楊枝の森付近から七面山を望む

★行った日   2009年5月19日(火)  晴一時曇   単独
 
★コース

高槻3:52(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道、R24、R168、県道、林道)=七面山林道ゲート6:41(林道)=6:49湯ノ又登山口6:59→8:05P1079 8:15→8:56P1325 9:03→P1383 9:41→10:15休憩10:23→奥駈道出合11:40→11:43(1894m)明星ヶ岳11:54→湯ノ又分岐12:02→P1691下12:39→舟ノ峠13:19→七面山分岐13:45→楊子ノ宿13:56→七面山分岐14:53→15:00(1624m)七面山15:09→西峰15:13→稜線別れ16:07→林道登山口16:27→七面山林道ゲート17:15(林道)=自転車1.7km=湯ノ又登山口17:30(林道)=高野辻(林道、R168、R24、県道、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻20:35

 明星ヶ岳から西へ伸びている中尾尾根を登り、奥駈道を経て楊枝ノ森から七面山へたどる計画だ。ロングコースで標高差も結構ありそうなのでバテてもよいように暗いうちに出発だ。改修されたR168の大塔温泉の手前を左折、1車線県道のくねくね道を走りつかれた頃にやっと湯ノ又の広場に到着、ちょっと先の舗装林道終点のゲートに自転車をデポして湯ノ又登山口に戻る。
 火の用心の垂れ幕の横から林に入ると登山道が現われ、しばらく杉植林帯を上る。ミズナラなどの広葉樹の森を抜け松や杉の尾根道を上ると、出発して1時間強で樹林中に岩稜のあるP1079だ。新緑に覆われた視界のない尾根道を更に1時間弱上るとブナやミズナラの大木が林立するP1325だ。すぐ先の尾根から視界が開け、北のトップリ尾には気持ちの良さそうな草原が、東南には仏生岳とカール状の底に神仙平が望めた。この先、やせ尾根が続き、オブジェのような木の根が絡まった稜線にシャクナゲが彩りを添え、標高1300メートルのこの辺りだけシロヤシオが満開だった。南隣の七面尾の中腹をぬう林道を眺めながらアップダウンを繰り返しつつブナやミズナラの大木の茂る尾根筋を進むと岩稜手前のP1383だ。テープ目印通りに岩壁の右へ回り込み急坂をよじ登る。

     (湯ノ又登山口)        (針葉樹林帯を上る)    (ミズナラなどの広葉樹が出現)

   (P1079は樹林の岩稜)     (針広混交林の尾根を行く)  (世代交代中のブナ林を上る)

(落葉広葉樹の幅広尾根を行く)  (視界の開けたP1325)    (視界のよい尾根を下る)

 
   (北に見えるトップリ尾)   (東南には仏生岳と神仙平)      (やせ尾根を行く)

 (尾根を彩るシャクナゲ群落)    (明るい尾根を行く)     (シロヤシオのトンネルを行く)

 
   (岩稜直前のP1383)       (岩場の右を上る)     (テープ印通りに急坂を上る)

 標高1500メートルの岩稜の上の尾根筋からミヤコザサ林床の樹林となり、右には七面尾の上から釈迦ヶ岳が姿を見せ、左の明星ヶ岳の斜面には縞枯シラビソ林が広がっていた。やがて現われた次の岩稜の左側から巻いて登るが、コメツガの幼木林の入口からテープ目印を見失い、薮と倒木の道なき急坂を遮二無二よじ登ると、尾根の上はシラビソの倒木林だ。鉄山コースの弥山直前の有様とそっくりだ。助かるのは鉄山コースより尾根が狭いため右往左往しても尾根筋を大きく外れないことだ。やがて、突然に奥駈道に飛び出し、なだらかな疎林帯をちょっと上ると明星ヶ岳山頂だ。東北には枯れたシラビソの梢越しに八経ヶ岳がなだらかな斜面を見せ、弥山小屋が光っていた。山頂から南の稜線を下ろうとしたがシラビソの倒木のため駄目、ぐるっと回り道して奥駈道へ出たが、途中、オオミネコザクラが花を付けていた。正面に仏生岳とその彼方に釈迦ヶ岳を見ながら奥駈道を下り、P1767辺りの禅師ノ森の黒々としたトウヒ林を過ぎ、P1694付近の五鈷峰辺りからはこれからたどる七面尾の稜線が絶景だ。五鈷峰近くでは奥駈道ごと崖が崩落し、下に神仙平が広がっていた。上から眺めると平面的に見えるが地形図で見ると結構な斜面だ。

(ミヤコザサが現われた尾根道)(岩頭から中尾尾根を振り返る)(斜面に広がる縞枯シラビソ林)

 (コメツガの幼木林に突入)   (道なき斜面を遮二無二上る)  (シラビソ倒木に右往左往)

   (奥駈道に飛び出す)        (明星ヶ岳山頂)      (頂上から弥山小屋と八経ヶ岳)

 (山頂に咲くオオミネコザクラ)(釈迦ヶ岳に向って奥駈道を行く) (禅師ノ森のトウヒ林を行く)


             (P1694五鈷峰付近からこれからたどる稜線を望む)

    (P1694の崩壊谷)       (なだらかな稜線を行く)  (舟の峠付近から見た中尾尾根)

           (楊枝ノ森手前の七面山遥拝石から東方の大台ケ原方面を望む)

 笹原尾根に七面山遥拝石の建つ楊枝ノ森手前から東方に大台ケ原を望みつつ東側の巻道を下る。ここで奥駈縦走3日目の熟年夫婦を追い越し挨拶を交わす。山のような荷物を背負って、きょうは楊子ノ宿泊まりだそうだが立派なものだ。楊枝ノ森を過ぎてアケボノツツジの咲く崖の崩落部を越えると避難小屋だ。内部も小奇麗な小屋だ。仏生岳まで行きたかったが午後2時になったのでここでUターンだ。楊子ノ宿跡の笹原の高台から七面山の最後の展望を楽しんでから奥駈道と別れ、踏み跡もテープ印もなかったが楊枝ノ森の西斜面をトラバースだ。薮もなく順調に斜面を水平移動し、七面尾基部の広い美しいブナの稜線に達するとテープ印と登山道が現われ、以降、道標付きの道だ。西大台の原生林のような苔むしたさわやか樹林をなだらかに下り、爽やか笹原尾根を登り返すと七面山分岐だ。すぐ上が七面山頂上だが薄暗い樹木に囲まれた頂上だ。山頂で行き止まりなので分岐点まで戻り、西峰を経てアケボノ平を省略して下山だ。初めは笹原林床の美しいブナ林を下るが、木の根の絡まったやせ尾根のシャクナゲ尾根が続く。七面尾稜線と別れ杉植林帯をジグザグに下ると林道登山口だ。5年前に来たときにはここまで車で上がれたが、きょうは長い長い林道歩きでやっと林道ゲートだ。チャリンコをゲットして湯ノ又登山口に帰り着いた。帰りは篠原から近道の高野辻を経て、夕日に照らされた大峰山系を眺め、大塔支所からR168で往路通りに帰阪した。
 中尾尾根は距離も標高差もあって、泊まり装備のリュックで行くとあごを出しそうな所だ。標高約600メートルから約1900メートルまで登るので植生の移り変わりが目に見える面白い尾根だ。明星ヶ岳からの展望のよい奥駈道も素晴らしく、楊枝ノ森から七面山までの笹原稜線も好きな所だ。

 (青々とした谷間の舟の峠)     (七面山遥拝石)      (楊枝ノ森の東を巻く奥駈道)

(稜線の崩落地点アケボノツツジ)  (楊子ノ宿避難小屋)         (楊子ノ宿跡)

               (楊子ノ宿跡付近から七面尾を望む)

 (楊枝ノ森の西斜面をトラバース)(七面尾基部の平らな樹林)   (苔むした樹林を下る)

  (このルートは道標がある)   (ミヤコザサの爽やか尾根)   (笹尾根の七面山分岐点)

 (薄暗い樹林中の七面山頂上)    (笹原尾根を行く)          (西峰山頂)

  (さわやか笹原斜面を下る)    (ヌタ場から樹林に入る)    (やせ尾根の木の根道)

   (七面尾稜線別れ)     (杉植林帯をジグザグに下る)    (七面山林道登山口)

                 (高野辻から東の大峰山脈を望む)

★道で出会った花

  ホンシャクナゲ(P1325)     シロヤシオ(P1325)      ツボスミレ(明星ヶ岳)

     ヒメイチゲ(明星ヶ岳)   キクザキイチゲ?(明星ヶ岳)   ミヤマカタバミ(明星ヶ岳)

 オオミネコザクラ(明星ヶ岳)     ムシカリ(五鈷峰)       ワチガイソウ(五鈷峰)

   ヒメイチゲ?(楊枝ノ森)    タチツボスミレ(楊枝ノ森)   トサノミツバツツジ(楊枝ノ森)

   アケボノツツジ(七面山)    ミヤマガマズミ?(林道)        コガクウツギ(林道)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)


(参考地図)
・山と高原地図       大峰山脈
・2万5千分の1地形図  南日裏、辻堂、弥山、釈迦ヶ岳

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