三方崩山(2058.8m)奥三方岳手前ピーク(2117m) ★ひとこと 「平瀬から展望稜線で山頂を経て薮コギで花園へ」 ★行った日 2009年6月12日(金) 晴一時曇 Kさんと2人(Kさんのレポート)
★コース
高槻バス停3:55(名神、東海北陸道)=白川郷IC(R156、林道)=7:16林道空地7:28→登山口7:38→支稜線8:12→P1244 8:47→8:52休憩9:00→P1373三角点9:14→P1624 9:55→10:20休憩10:34→P1956 11:23→12:07(2058.8m)三方崩山12:30→鞍部12:49→奥三方岳手前ピーク14:00→鞍部14:36→15:14三方崩山15:28→P1956 16:09→P1624 16:48→17:05P1373三角点17:10→P1244 17:20→支稜線17:36→登山口17:53→1800林道空地18:15(林道、R156)=荘川IC(東海北陸道、名神)=高槻バス停21:06 今年初めての2000メートル峰だ。一昔前であれば日帰りは難しかった白川郷の近くに位置する三方崩(さんぽうくずれ)山だ。20年7月に東海北陸道が全線開通し冬季でも世界遺産白川郷にアクセス可能だ。きょうは久しぶりに多趣味のKさんと一緒だ。早朝に高速バス停でピックアップしてもらい、晴天を予感させるずんぐりした伊吹山を眺めつつ東進、東海北陸道に入り、長さ日本第2位の自動車トンネルを出ると白川郷ICだ。泉鏡花の名作の舞台となった海抜1300メートル弱の天生(あもう)峠を越えるR360を左に分けて直進。ここで余談、「高野聖」の蛭の降る森やHな旅人を牛馬に変える妖怪の住むこの界隈は魅力にあふれ、峠の近くには貴重な植物が自生する天生湿原を懐に抱いた展望の山、籾糠(もみぬか)山もあるので一度行って見たい所だ。R156を高山方向へ少し戻り、道の駅「飛騨白川」の先を登山口の表示に基づいて右折すると地道林道だ。しばらく道なりに進み、舗装路面が見えた寸前で4WDでも進まなくなり、少し下の林道カーブ地点の拡幅部に駐車した。相当な悪路なので普通乗用車の場合は道の駅から歩いたほうがよい。 駐車地点から林道をしばらく進むと急坂の悪路の先から舗装され、その少し先が登山口のある終点だ。多分、水力発電所送水管の余剰排水用トンネル?が終点最奥にあり、ここが最後の水場だ。階段を上って夏草に覆われた山道を登るが、パンツが葉っぱの露で濡れだしたのでスパッツを取り急ぎ着け、息を切らして急坂を上る。いつもの事ながら歩き始めは直ぐに息があがり、なんでこんなしんどい事をするんだろうと思いながら休み休み身体に鞭打って歩く。ひとまわり若いKさんはさすがにスイスイ、いつも上りで待たせるのは僕の方だ。登山口から約30分で支稜線と出合い、広葉樹林のなだらか尾根を、周囲の植物を見たり撮ったりしながら進む。P1244で次の稜線と出合い以降最後までこの支尾根をたどる。立派な太いブナ林の広い尾根をなだらかに進むと小広場のP1373三角点だ。ここからトラロープの張った高度差250メートルの急坂をフーフー言いながら休み休み登る。加齢による心肺機能の衰えは時間でカバーするしかないようだ。タムシバやミツバツツジが白と赤の彩を添え、撮影を口実にしばしば立ち止まって息を整える。P1624のガレで展望が一気に開け、意外に近くに三方崩山の山頂の初見参だ。ここから急なやせ尾根上りが続くが、東の山並みの彼方に北アや乗鞍岳、御嶽山などが徐々にせり上がってくる様を振り返りながら登る楽しい道だ。海抜2000メートルに近づくと高山植物が増え、ミネザクラも登山道を飾っていた。 (4WDでもスリップした林道) (舗装された林道終点) (林道終点の排水トンネル)
(P1244付近) (太いブナ林をなだらかに進む) (小広場のP1373三角点)
(2000米峰手前のやせ尾根) (ガレ場崩壊箇所を振り返る) (2000米峰) 三角点の裏から小灌木の混じった背丈を越す位の笹薮だが(僕の身長は180センチ)、下りなので体重をかければ下れる。幸いにも関西の低山の薮に見られるイバラがないのが大助かりだ。帰りの目印に近くのダケカンバを振り返って記憶し、鞍部までの中位まで下ると背丈が腰位までの純笹原となる。鞍部まで下ると待っていた素晴らしい光景は、満開のハクサンイチゲの大群落だ。北アや白山でもこんなに広大なハクサンイチゲのみの花園はあまり見たことがなかった。踏みつけないように神経を使いながら鞍部を過ぎ、いよいよ登りだ。見た目は緑の絨毯だが近づくと小灌木の混じった笹薮だ。裾のほうは腰の辺り位の深さだが、登るに従って深さを増すので裸地を求めて右往左往、これがかえって悪く、深い上りの薮コギの連続だ。登るだけでもしんどいのに薮の反作用をしのぐのが大変だ。ここで会得した僕のやり方は、笹や木を両手で掴んで渾身の力で引っ張りながら大股で一歩を進めて小休止、これを続けると意外に効率的だった。ただし、イバラもなく蛭もいないのが大前提だ。尾根に達すると二重稜線のようになって、中央部の薮は歩けたものではないので稜線の南側斜面を滑りながらトラバース、たまに現われるハイウエーのような残雪の島を渡り歩いて精一杯頑張ったが、奥三方岳手前ピークで14時だ。前方にまだまだ濃密な薮が待っているので残念ながらここで退却だ。 (小灌木笹薮帯を下る) (腰位の笹薮を下る) (正面の薄い薮を期待して下る) (見事な花園が出現) (ハクサンイチゲとイワカガミの楽園)(地肌露出部をめざして上る) (見た目より厳しい薮コギ) (西南に望む別山と白水湖) (ハイウエーのような残雪帯) (よく滑る斜面をトラバース) (この残雪帯で時間切れUターン) (稜線を戻るのに悪戦苦闘) (正面は三方崩山と南のガレ) (花園と笈ヶ岳) (なだらかに光る稜線を振り返る) (最後の登りに悪戦苦闘) (薮を飛び出すと山頂) (夕日の2000米峰付近) (夕日のP1956付近を下る) (P1624で展望尾根は終了) (ブナ林を黙々と下る) ★道で出会った花 フタリシズカ(登山口) サンカヨウ(支稜線) エンレイソウ(支稜線) ツガザクラ(P1956) オオバキスミレ(P1956) ミネザクラ(P1956) ミツバオウレン(山頂) ハクサンイチゲ(鞍部) ミツバツチグリ(鞍部) シナノキンバイ(鞍部) ショウジョウバカマ(山頂) コヨウラクツツジ(P1956) ?(P1956) コメツガ?(P1956) ツマトリソウ(P1624)
★地 図
(参考地図)
・山と高原地図 白山、荒島岳 ・2万5千分の1地形図 新岩間温泉、平瀬
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