朝の天気予報を見るときょうは束の間の晴らしいので、久しぶりに比良山系の蓬莱山へ出かけた。多数の登山者を乗せた出町柳からの京都バスと同時に坊村に到着だ。数台しかとまっていない安曇川左岸の大きな駐車場に駐車し出発だ。
多くの登山者と共に歩き始めたが、殆どは武奈ヶ岳へ登るらしく明王谷に沿った林道を行くのは数人だけだ。一緒になった大きなリュックの若者達の話では奥の深谷の沢登りでテント泊とのこと、若さがまぶしい限りだ。以前は牛コバまで車が入れたが、今は退屈な長い林道歩きでやっと牛コバだ。ここで大橋へ向う山道を左に分け少し進むと林道終点だ。水場もあるのでリフレッシュして夫婦滝へ通じる白滝谷の山道に入る。何度も沢を渡りながら小さな滝を眺めつつ進む。小広場の白髭渕で小休止、ここから夫婦滝を高巻く山腹トラバース道だ。はるか下の白滝谷には赤いヘルメットの沢ヤさんが遡行しているのが見えていた。小尾根を越えると夫婦滝口の休憩広場だ。表示通りに5分歩ほど下ると落差35メートルの2筋の滝が水飛沫をあげている。上部は木々で隠されているが緑の滝壺が神秘的だ。元へ戻って、渓流沿いになだらかに進む。夫婦ヶ渕、白髭ノ渕、出逢ノ滝など色々名づけられた箱庭的風景を過ぎると、乙女橋で石畳の遊歩道が現われる。クリンソウの育成地を過ぎるとスキーリフト基地の汁谷だ。意外に急斜面のゲレンデを汗水たらして上り切るとゴンドラで訪れた家族連れが遊ぶ笹平だ。更に芝生のゲレンデで一汗も二汗もかくとやっと蓬莱山頂上だ。梅雨に真っ只中のため琵琶湖側はガスに覆われていたが、西側には京都北山の峰々が連なっていた。山頂にはびっくりする位多くのトンボが飛び交っていたが何処でヤゴが育つのか不思議だ。
(坊村バス停から集落を進む) (明王谷の林道を進む)
(林道終点の夫婦滝への登山口)
(白滝谷に沿って上る) (何度も白滝谷を渡る) (小滝を眺めつつ沢沿いに進む)
(白髭渕の小広場) (夫婦滝を高巻く道) (夫婦滝口の休憩広場)
(夫婦滝)
(なだらかな渓流沿いの道) (乙女橋から遊歩道を進む)
(クリンソウ育成地)
(リフト設備の建つ汁谷) (スキーゲレンデから武奈ヶ岳)
(琵琶湖側がガスった打見山)
(蓬莱山頂上広場)
(蓬莱山三角点)
小女郎池から西へ下ることも考えたが坊村までの国道歩きがおっくうなので、比良山縦走路を経て奥の深谷回りで下山することにした。笹平までゲレンデを下り、少し登り返すと打見山のゴンドラ山頂駅だ。売店の建ち並ぶ山頂から汁谷へ向ってスキーコースを下り、途中のキャンプサイトから右へ少し上ると木戸峠だ。ここから明るい灌木帯の尾根道縦走路だ。比良岳を越えた次の鞍部が荒川越だ。JR志賀駅へ下れるが見たところ荒廃した道らしい。V字道の急坂を上り切ると烏谷山(からとやま)だが縦走路は山頂を通らない。荒川峠でJR志賀駅への道を右に分け、少し下ると南比良峠だ。ここで縦走路と別れ、西へ谷筋を下る。明確な道はないが渡渉を繰り返しながら谷筋を下り、水晶小屋を過ぎて芦生杉が現われだすと金糞峠分岐の大橋だ。大橋小屋前から奥の深谷に沿って下り、小川新道を右に分け、奇怪な芦生杉を眺めつつ下る。最後に右岸から左岸に渡ると、谷から離れて山腹のトラバース道をたどる。下の奥の深谷から沢を溯上する沢登りの歓声が響いていた。今朝出会った沢ヤさんかも知れない。急坂をジグザグに下ると牛コバだ。長い林道を明王堂近くまで戻ると、10人ばかりの沢登り身支度の若者にリーダーが説明している場面があった。この付近の沢筋は沢登りのメッカであることを再確認した。いつもの事だが湖西道路の西大津付近で渋滞に出合ったほかは順調に帰阪した。
蓬莱山は簡単に訪れることのできる展望豊かな南比良の雄峰だ。白滝谷では夫婦滝をはじめ緑の谷筋、山頂では広々とした展望、縦走路のさわやか尾根歩きなどが手軽に楽しめるルートだ。
(蓬莱山頂上から京都北山方面を望む、南〜西〜北)
(蓬莱山頂上から武奈ヶ岳方面を望む、西〜北〜東)
(山頂はトンボなどの昆虫天国)
(木戸峠)
(爽快な樹林尾根を行く)
(烏谷山から打見山と蓬莱山)
(南比良峠から大橋へ下る)
(芦生杉の谷筋を下る)
(金糞峠分岐の大橋)
(立派な芦生杉が続く)
(奥ノ深谷を渡って山筋へ)
(山腹のトラバース道を行く)
(牛コバで林道へ合流)
(明王堂の赤い橋に戻ってきた)
★道で出会った花
ニガナ(汁谷) クリンソウ(汁谷) ミヤマバイケイソウ(笹平)
ヨツバヒヨドリ(打見山) イワガラミ?(林道) トリアシショウマ?(林道)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 大台ケ原・高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図 比良山、花背
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