朝の太陽を見て急に出かける気になり、久しぶりに鈴鹿の御在所岳めざして出発だ。新名神の出口を間違えて一つ手前の甲南ICから一般道で鈴鹿スカイラインの武平峠をめざした。ところが、道路崩落のため冬季閉鎖ゲートで通行止だ。ゲートの少し先の稲ヶ谷から雨乞岳へ登ることもできたが、この季節、鈴鹿の谷筋は蛭に餌をやりに行くようなものなのでUターンして近くの綿向山へ方向転換だ。R477で西明寺(さいみょうじ)口の御幸橋の駐車場へ止め、綿向山から竜王山へ周回することにした。
西明寺川の左岸を進み、大きな砂防堰堤を越えて出合った林道を直進、天然記念物の接触変質地帯の表示の前を過ぎると林道終点のヒミズ谷出合小屋だ。左の谷筋の表参道は蛭の恐れがあるので敬遠し、右の尾根筋の水無山北尾根コースを登る。急坂の植林帯をジグザグに30分ほど登ると杓子ヒミズ谷林道に出合う。表示に従って右へ上り、左下に林道を見ながら植林帯をなだらかに進み、やがて広葉樹林帯に入り、稜線に達すると水無山分岐点だ。雑木林の稜線を10分も上ると木々に囲まれた水無山だ。更に5分進むと南峰だ。少し手前の稜線から文三ハゲの崩落部が痛々しい綿向山が目の前だ。先ほどの分岐点まで戻り、広葉樹林帯の急坂を上ると表参道との出合だ。少し先の金明水でリフレッシュして、笹の刈り込まれたトラバース道を進み、最後に階段を上ると綿向山頂上広場だ。無人の山頂には大嵩神社の祠とやけに詳しい山名板があり、東はにどっしりとした雨乞岳が居座り、右奥に鎌ヶ岳の岩峰が尖っていた。
(西明寺口バス停の案内図) (砂防堰堤の右を上がる)
(ヒミズ谷出合小屋)
(植林帯の急坂ジグザグに上る) (杓子ヒミズ谷林道出合) (植林帯のトラバース道を行く)
(広葉樹林帯の道を行く) (稜線の水無山分岐) (広葉樹林の尾根道を上る)
(木に囲まれた水無山頂上)
(水無山南峰) (7合目付近のブナ林を行く)
(8合目の表参道合流点)
(冷たくて美味しい金明水) (綿向山頂上の展望広場)
山頂から見晴し抜群の北尾根を進む。途中、潜り抜けると幸せになると表示された幹がトンネル状になったブナもある笹原主体の稜線だ。竜王山分岐点から、少し雨乞岳方向へ進み、尾根の突端から望む東側の展望が素晴らしい。竜王山は分岐点まで戻って、急坂を下る。ブナ林がシャクナゲ林に変わりやせ尾根を進む。稜線からは北面がガレたイハイガ岳の向うに雨乞岳が見えている。稜線分岐点から東の稜線をたどり、見晴しのない樹林の中を黙々と下ると藤原岳近くの白瀬峠から続いている高圧鉄塔1、2だ。振り返ると綿向山や表参道の赤い屋根の小屋が間近に見えている。樹林を少し進むと竜王山だ。山頂から北方の甲津畑が眺められるが殆どはブラインドだ。下りは、最初は急坂だが、殆どは広葉樹林をジグザグに下る歩き易い道だ。林道の竜王山登山口から約30分ぶらぶら下ると御幸橋の駐車場だ。竜王山頂上付近からあやしい空模様になってきたが、幸運にも駐車場に着いたところでポツリときた。登山靴を脱いでいるとなにやら靴下に血がにじんでいた。やられた!と思って調べると両足首に1ヵ所づつ流血、犯人は満腹して逃げた後だ。これで数日痒みに悩まされそうだ。この時期の鈴鹿は谷筋でなくとも蛭には何らかの対策の要ありだ。帰りは、新名神ができて多少交通量が減ったR1で栗東経由、順調に帰阪した。
立派な遊歩道の完備した綿向山は、山頂下のブナの森、山頂や北尾根から望む大展望など、素晴らしい山歩きができる。ただし、暑い時期の鈴鹿は、薮コギルートでなくても蛭に注意することが必要だ。
(山頂の山名板と雨乞岳)
(見晴のよい北尾根を進む)
(潜り抜けると幸せになるブナ)
(雨乞岳に向う尾根の先端から東方を望む、北〜東〜南)
(竜王山分岐)
(雨乞岳へ向う尾根)
(分岐からブナ林の急坂を下る)
(シャクナゲ林を下る)
(やせ尾根を進む)
(見晴し鉄塔と竜王山)
(鉄塔2から綿向山方面を望む、北〜東〜南)
(展望のない竜王山)
(広葉樹林帯をジグザグに下る) (竜王山登山口)
★道で出会った花
カワラサイコ?(西明寺川) モミジガサ?(西明寺川) ホタルブクロ(西明寺川)
?(7合目) オトギリソウ(7合目) ?(7合目)
?(水無山) カタバミ(水無山) ムラサキサギゴケ?(水無山)
?(竜王山) ムクゲ(林道) ?(林道)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図 日野東部
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