きょうはぽかぽか陽気の晴の予報なのでかみさんと娘と3人で海津大崎へ桜見物に出かけ、ついでに先日登りそこねた小浜の久須夜ヶ岳(くすやがだけ)を訪れるつもりだ。琵琶湖北岸の大崎の湖岸沿いの桜は丁度満開を迎え、朝早くから花見客で満杯だ。あまりの人出に恐れをなしすぐにR161を北上、水上勉の「桜守」で一躍有名になった清水(しょうず)の桜もいっぱいなので国道から一瞥するだけで通過だ。敦賀から走り易くなったR27を東進、混みだしたので三方(みかた)からR162に入り、エンゼルラインで久須夜ヶ岳山頂駐車場着、大きな駐車場に2台駐車しているだけだ。かみさんは車で待っているとのことで娘と2人で出発だ。
広い第2駐車場からは大展望だ。東方には小浜湾が眼下に広がり、南に県境の頭巾山(ときんさん)や八ヶ峰が連なり、東の大島半島の向こうに双耳峰の青葉山が見え、その手前にこれから下る稜線が伸びている。西方の三方方面には梅丈岳(ばいじょうだけ)のある常神半島とその彼方に西方ヶ岳のある敦賀半島が横たわり、その付け根に野坂岳や雲谷山、その南の方に百里ヶ岳や三重岳(さんじょうだけ)が見えていた。展望を楽しんでから、無線中継アンテナの立つ山頂を訪れたが三角点はアンテナの間に鎮座していた。10分位で往復できる。第1駐車場に移動し、蘇洞門の大門小門に向かうべくすぐ下のカーブの案内標識の所から山道に入る。なだらかな雑木林の稜線を20分も下ると泊乗越だ。多分、内外海(うちとみ)半島の西岸の最終集落、泊へ通じている筈だ。従って、エンゼルラインが冬季閉鎖中は泊からこの峠を経て大門小門へ行けると思われる。乗越から稜線の北側をトラバース気味になだらかにしばらく下る。途中のガレ場にはトリカブトが芽を出し、ヤマシャクヤクが1センチ位の蕾をつけていた。やがて西北に向かう急な枝尾根を下り、最後に照葉樹林の中のコンクリートの急な階段を下ると紺碧の海が突然現れる。絶壁の壁面を急階段で下ると、花崗岩の絶壁で囲まれた小さな船着場もある入り江だ。大門と思われる絶壁の割れ目があり、透明の海面の彼方に青葉山が薄く浮かんでいた。壁面には小さな滝もあり観音像が祀られている。帰途、階段の途中から、大門の岩稜越しに見える紺碧の海に別れを告げ、急な石段を上った。通常の山と異なり、疲れてからの帰りが上りになるのがつらいトレッキングだ。何とか上の駐車場までたどりつき、一般道で名田庄を経て帰阪した。
少し暑すぎるような好天に恵まれ、久須夜ヶ岳の大展望や、陸上から蘇洞門の景観を楽しんだ。特に、間近で見た透き通った海面、屹立する岸壁、岩稜越しに見えた紺碧の海、などが素晴らしかった。このルートは低標高差ながら海抜ゼロメートルを往復し、しかも帰りが上りになるため数値よりしんどく感じるルートだ。
(久須夜ヶ岳山頂駐車場) (雑木林を数分進む) (電波中継所の間の三角点)