霊仙山(1094m)谷山(992.8m)コザト(829.3m)リョウシ(722m)


★ひとこと   「五僧から県境尾根で谷山、霊仙山を経てコザトへ」

霊仙山最高点東端からコザトへ続く尾根を俯瞰

★行った日   2010年4月18日(日)  晴 風強し   単独
 
★コース

高槻4:57(名神)=彦根IC(R306、県道17、林道)=7:00権現谷白谷出合7:10→林道別れ7:28→五僧峠7:37→P656 8:05→8:49P695 8:56→P746 9:44→P736 10:16→P794 10:37→ネット出合10:49→P953 11:11→11:22(992.8m)谷山11:28→四丁横崖11:40→避難小屋11:55→経塚山12:02→12:16(1083.5m)霊仙山12:20→12:32(1094m)最高点12:46→林道出合13:31→P782 13:46→(829.3m)コザト14:28→15:01(722m)15:08→16:02権現谷白谷出合16:13(林道、県道17、R306)=彦根IC(名神)=高槻18:30

 雪も消えたので僕の天敵、蛭のいない季節を狙って鈴鹿山系最北の霊仙山だ。権現谷白谷出合を起点に、五僧から県境尾根を北上し、霊仙山を経てコザトへ続く尾根を南下して起点に戻る計画だ。彦根ICを出て多賀町の河内風穴から権現谷林道に入り、落石の多い林道を慎重に五僧方面へ向かい、白谷出合の橋を渡った所に駐車した。
 白谷林道の閉じられた鎖ゲートを横目に涸れた権現谷に沿って林道を20分ほど進むと保月(ほうづき)分岐点だ。ここから左の谷筋を上るとまた林道に出合い、すぐに五僧峠だ。先ほどの林道を五僧方面へ直進し、途中で分岐した林道らしい。地図にはないが五僧峠を越えて東へ下っているが、時山まで車で行けるかどうかは不明だ。掲示によれば、ここは近江と美濃を結ぶ交通の要所で、関ヶ原の戦いに敗れた島津勢が峠を越えて敗走したことから島津越えとも言うそうだ。廃屋の残る峠から法面につけられた踏み跡をたどり、杉林を過ぎるとススキ原の斜面に立つ鉄塔だ。その下を通り、ススキの斜面を上りきると尾根端の灌木林に踏み跡が現れる。最初のピークが広葉樹林の中のP656だ。ここからしばらく気持ちのよい広葉樹の疎林帯の稜線が続く。一旦、五僧峠のレベルまで下ってから岩稜もある稜線を登り返すとP695だ。岩稜からは南の視界が開け、五僧峠からたどってきた稜線や御池岳が見え、峠から東へ下っているうねうねとした林道が俯瞰できる。P746、P736、P794とアップダウンを繰り返しつつ高度を上げて稜線の踏み跡を進むが、時折前方に霊仙山が姿を見せ、右にはソノドを主峰とする稜線、後方には鈴鹿北部の山々が眺められる。P794からちょっとヤブっぽい急坂を上ると突然ネットが現れ、これ以降ネットの左側に沿って進む。思い出すと1年半前に藪谷で尻餅をついて濡れ鼠になってソノドへ行った際に登ってきたのがこのネットの南の支稜線だ。谷山までその時に通った展望の稜線だ。

(権現谷白谷出合の白谷ゲート)(涸れた権現谷に沿って進む)  (保月(右)分岐から左へ)

  (谷筋を登ると林道に出る)  (五僧峠から踏み跡を上がる) (鉄塔からススキの急坂を上る)


  (広葉樹林のP656)    (気持ちのよい疎林帯尾根を行く)      (岩稜もある)

 (岩稜から五僧峠と御池岳)  (P695から雑木越しにP724) (P746手前の見晴し尾根)

 (見晴し尾根から藪谷(左下))     (ブナ林のP746)      (P736から木の間にソノド)

             (ネット沿いのP953から養老、ソノド、鈴鹿北部を望む)

 視界のない谷山の三角点から西へ少し下ると石灰岩が散在する展望所だ。牛がうずくまった様な霊仙山全体の姿が前方に広がっている。登山道が下方に見えているが、ここから苔むした石灰岩の疎林帯をコバイケイソウの新芽を踏まないように気を付けながら、赤テープを目印に右の方へ下ると柏原から来た登山道に合流する。間もなく鞍部の四丁横崖の三叉路で上丹生から来た谷筋と合流し、幅広い稜線を上る。避難小屋を過ぎ、経塚山で汗拭き峠方面を右に分け、最高点分岐を過ぎてちょっと上ると霊仙山三角点だ。有名な山らしく団体さんも含めて山頂は満杯だ。360度の景観だが遠くは霞み伊吹山がようよう見える程度、花季も丁度端境期で花は皆無だ。少し戻って最高点に立ち、登ってきた県境尾根ルートやこれから下るコザトへ続く尾根を眺めてから、いよいよ下山開始だ。

  (展望のネット沿いを行く)     (樹林の中の谷山三角点)   (谷山の尾根西端の展望所)

             (谷山の尾根西端の展望所から霊仙山の全景)

  (鞍部の四丁横崖分岐点)     (なだらかに稜線を登る)        (経塚山)

    (霊仙山三角点)          (霊仙山最高点)       (最高点東部のピーク)

               (最高点から北方の伊吹山方面を望む)

               (最高点から南方の往路と復路の稜線を望む)

 最高点から少し西尾根ルートに入ってから、アマナがひっそりと咲く笹原を東の尾根に向かって分け入る。石灰岩の尾根を飛び石伝いに小木を分けながら東進し、小さな石柱の建つピークの先の獣道の急坂を下る。小さな木々を掴みながらひずめの跡をたどりつつ慎重に下る。なかなか上手く付いている獣道に感心しながら下る。下に見える稜線へ軌道修正しながら下ると杣道に合流した。下ったルート以外によい道があるのかもしれない。稜線を下ると林道に合流し、次の林道屈曲点で車道を外れて稜線を下るが、この辺りから杣道も踏み跡もなくなり軽い藪コギだ。再び、左下に新林道が現れ、稜線がその林道で切断されているのでその林道へ下り、切断された稜線に登りつくが、ここからしばらくの間、本日最高の藪コギだ。イバラや小木でかすり傷を負った程度で数百メートルの藪コギが終わり、古い工事現場跡からハイウエーのような印象の杣道が現れほっとする。鞍部を越えて灌木疎林帯の尾根の上りが終わると見覚えのあるブラインドのコザト三角点だ。コザト山頂から杉林の曲がりくねった下りの尾根道が続くが、間伐したてで残材が放置され歩き難い限りだ。リョウシの手前で西から南へ方向転換する平地の雑木林があるが迷い易く、テープを慎重に拾って進む。愛想のないリョウシ山頂からは石灰岩の渡り飛び歩きが続く下り坂だ。花季の終わったフクジュソウが一面に繁茂し、蕾をつけたヤマシャクヤクが点在する尾根を下り、最後に急坂を滑り降りると権現谷白谷出合だ。9時間の長丁場を無事終わり、権現谷の山腹に咲く山桜を眺めつつ順調に帰阪した。
 往路の県境尾根は当初、多少の藪コギを予想したが殆ど明瞭な踏み跡があり、美しい広葉樹林の続く展望も優れた尾根だ。霊仙山からコザトへ続く尾根は、山頂からの急坂の見晴しもよく、多少の藪コギを辛抱すれば、シーズンにはリョウシからの下り尾根の花園が楽しめそうだ。

(最高点東部ピークから劇下り)    (石灰岩の急坂を下る)    (稜線で杣道が現れる)

 (前方左から林道へ出合う)     (林道で切断された尾根)   (鹿に食われて裸の樹木)

              (P782から往路の県境尾根を望む)

   (イバラの藪コギが続く)   (工事場跡から踏み跡が出現)  (清々しい雑木林を行く)

  (樹林の中のコザト三角点)    (間伐材放置尾根を行く)   (何も表示のないリョウシ山頂)

 (石灰岩の飛び石渡りが続く)  (稜線端のピークから劇下り)     (林道へ滑り下る)

★道で出会った花

   ミヤマカタバミ(権現谷)     ボタンネコノメソウ(権現谷)      ムシカリ(P656)

  コバノミツバツツジ(P695)       アマナ(最高点)        ヤマルリソウ(劇下り)

    ナニワズ(劇下り)         ヤブジラミ?(劇下り)     アブラチャン(コザト)

     シハイスミレ(コザト)      ヤマシャクヤク(リョウシ)   ハクサンハタザオ?(リョウシ)

  フクジュソウ残り花(リョウシ)   タチツボスミレ(リョウシ)     ヒトリシズカ(リョウシ)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)


(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  彦根東部、高宮、篠立、霊仙山

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