(ネット沿いのP953から養老、ソノド、鈴鹿北部を望む)
視界のない谷山の三角点から西へ少し下ると石灰岩が散在する展望所だ。牛がうずくまった様な霊仙山全体の姿が前方に広がっている。登山道が下方に見えているが、ここから苔むした石灰岩の疎林帯をコバイケイソウの新芽を踏まないように気を付けながら、赤テープを目印に右の方へ下ると柏原から来た登山道に合流する。間もなく鞍部の四丁横崖の三叉路で上丹生から来た谷筋と合流し、幅広い稜線を上る。避難小屋を過ぎ、経塚山で汗拭き峠方面を右に分け、最高点分岐を過ぎてちょっと上ると霊仙山三角点だ。有名な山らしく団体さんも含めて山頂は満杯だ。360度の景観だが遠くは霞み伊吹山がようよう見える程度、花季も丁度端境期で花は皆無だ。少し戻って最高点に立ち、登ってきた県境尾根ルートやこれから下るコザトへ続く尾根を眺めてから、いよいよ下山開始だ。
(展望のネット沿いを行く) (樹林の中の谷山三角点)
(谷山の尾根西端の展望所)
(谷山の尾根西端の展望所から霊仙山の全景)
(鞍部の四丁横崖分岐点) (なだらかに稜線を登る) (経塚山)
(霊仙山三角点) (霊仙山最高点) (最高点東部のピーク)
(最高点から北方の伊吹山方面を望む)
(最高点から南方の往路と復路の稜線を望む)
最高点から少し西尾根ルートに入ってから、アマナがひっそりと咲く笹原を東の尾根に向かって分け入る。石灰岩の尾根を飛び石伝いに小木を分けながら東進し、小さな石柱の建つピークの先の獣道の急坂を下る。小さな木々を掴みながらひずめの跡をたどりつつ慎重に下る。なかなか上手く付いている獣道に感心しながら下る。下に見える稜線へ軌道修正しながら下ると杣道に合流した。下ったルート以外によい道があるのかもしれない。稜線を下ると林道に合流し、次の林道屈曲点で車道を外れて稜線を下るが、この辺りから杣道も踏み跡もなくなり軽い藪コギだ。再び、左下に新林道が現れ、稜線がその林道で切断されているのでその林道へ下り、切断された稜線に登りつくが、ここからしばらくの間、本日最高の藪コギだ。イバラや小木でかすり傷を負った程度で数百メートルの藪コギが終わり、古い工事現場跡からハイウエーのような印象の杣道が現れほっとする。鞍部を越えて灌木疎林帯の尾根の上りが終わると見覚えのあるブラインドのコザト三角点だ。コザト山頂から杉林の曲がりくねった下りの尾根道が続くが、間伐したてで残材が放置され歩き難い限りだ。リョウシの手前で西から南へ方向転換する平地の雑木林があるが迷い易く、テープを慎重に拾って進む。愛想のないリョウシ山頂からは石灰岩の渡り飛び歩きが続く下り坂だ。花季の終わったフクジュソウが一面に繁茂し、蕾をつけたヤマシャクヤクが点在する尾根を下り、最後に急坂を滑り降りると権現谷白谷出合だ。9時間の長丁場を無事終わり、権現谷の山腹に咲く山桜を眺めつつ順調に帰阪した。
往路の県境尾根は当初、多少の藪コギを予想したが殆ど明瞭な踏み跡があり、美しい広葉樹林の続く展望も優れた尾根だ。霊仙山からコザトへ続く尾根は、山頂からの急坂の見晴しもよく、多少の藪コギを辛抱すれば、シーズンにはリョウシからの下り尾根の花園が楽しめそうだ。