(これから歩く稜線がぐるっと見渡せる展望ピーク)
コバイケイソウの茂り始めた疎林帯を過ぎると御所平だ。特徴のある鎌ヶ岳を正面に見ながら草原の稜線を進む。一通過点のヨコネを過ぎ、方向を東に変えて急下降すると御所谷・割谷分岐の鞍部だ。左の割谷へ下る沢筋がさわやかだ。稜線を急登するが所々で薄桃色のアケボノツツジ?と純白のタムシバが点在し、振り返ると御所平が俯瞰でき、なかなか壮観だ。仙ヶ岳頂上は狭く、数人で満員なので少し下った笹原の斜面で鈴鹿中央部を眺めながら至福のひとときだ。急坂を下った鞍部の小社峠で小岐須を右に分け、上り坂になると岩稜が現れ始める。これから犬返しの険と云われる砂岩の岩稜をアップダウンしながら越え、急坂を上ると宮指路岳だ。稜線の西側にテラスのような岩棚があり、上ってきた尾根筋や下りの稜線が俯瞰でき、透き通った快晴のもと270度の大展望だ。
(御所平の草原尾根を行く) (御所平の草原尾根を行く)
(仙ヶ岳の稜線から御所平)
(草原の中のヨコネ) (御所谷分岐の割谷への下り道)
(仙ヶ岳から歩いてきた稜線)
(仙ヶ岳から西南の鈴鹿山脈南方向を望む)
(仙ヶ岳から西南の鈴鹿山脈北方向を望む)
(仙ヶ岳山頂) (仙ヶ岳を振り返る) (そろそろ岩稜が始まる)
(犬返しの険)
(犬返しの険) (宮指路岳三角点)
(宮指路岳露岩からの大展望)
山頂から広葉樹林の尾根道をちょっと下ると小岐須峠だ。小岐須への道を右に分け、左へ道なき美しい沢筋を5分ほど下ると出合う林道を道なりに左へ下る。舗装された立派な林道を下るとゲートがあり、それ以降は地道となり田村川に沿って黒滝まで続いている。ゲート付近の砂防堰堤の上流側に下って、流れを飛び石伝いに渡渉し、対岸の広葉樹林の谷筋を10分ほど上ると稜線の鞍部だ。ここからは1年前に能登ヶ峰からサクラグチへ周回したときに通っているので安心だ。やせ尾根もある杉林主体の稜線を、ネットに沿ったりアップダウンしながらしばらく南下、P758を巻いて下った所が広葉樹の広い鞍部だ。この付近に田村川沿いの林道から上がってくる道がある筈だ。稜線を進むとこのルートのハイライトの鹿の楽園の始まりだ。ピンクのツツジの花が逆光に映え、アセビの大木が点在する草原を周りの峰々を眺めつつアップダウンしながら進む。最後に杉林に入ると能登ヶ峰三角点だ。山頂から何も考えずに東南稜を直進してしまい、踏み跡がなくなってあわてて引き返し、テープの沢山ついている登山道を下った。P591の手前で表示通りに稜線と別れて南へ下り、途中、黒滝集落を眺めながら進み、最後に杉林を抜けると能登ヶ峰登山口の駐車場だ。ここから惣王神社は田村川の橋を渡ってすぐだ。帰りは笹路(そそろ)集落からR1に出て往路通りに順調に帰阪した。
めったにないような快晴と透明な空気に恵まれ、目論見通りの稜線の大展望を楽しむことができた。特に、360度遮るもののない広々とした御所平、アセビの大木が点在する女性的な曲線美の鹿の楽園が素晴らしかった。なお、自己満足の領域だが、きょうで油日岳の余野から霊仙山の柏原まで残す所は五僧手前の1キロほどを余して鈴鹿山脈一気通貫だ。