大笠山(1821.8m)
★ひとこと 「桂湖から急坂続くフカバラノ尾根を経て大展望の稜線へ」
天ノ又付近から大笠山を望む
★行った日 2010年6月12日(日) 晴一時曇
単独
★コース
五箇山6:35(R156、地方道)=6:58桂橋7:03→吊橋→7:55休憩8:00→8:54休憩9:02→P1336
9:30→P1522三角点10:30→天ノ又10:45→11:47避難小屋11:56→奈良岳分岐12:45→12:50(1821.8m)大笠山13:06→奈良岳分岐13:10→避難小屋13:35→14:30天ノ又14:40→P1522三角点14:47→P1336
15:12→吊橋16:29→16:33桂橋16:40(地方道、R156)=平瀬温泉しらみずの湯(R156)=荘川IC(東海北陸道、名神)=高槻22:30
大笠山(おおかさやま)は富山・石川県境にあり、大門山(だいもんさん)と笈ヶ岳(おいずるがだけ)の間に連なる奥深い山だ。五箇山からR156を白川郷方向へ向かい、ブナオ峠への県道を右に見て直進し、桂湖の表示に従って右折して出合橋を渡って2車線舗装路を道なりに進む。現在、ブナオ峠へ行く県道は崖崩れで閉鎖中のため、今回はブナオ峠から大門山を経て奈良岳へ行くのを止めて大笠山にした。南栃市土木課では今年6月末までに開通させたいそうだ。桂湖ダム堰堤を左に見て進み、ダム湖左岸に沿ってキャンプ場を見送り、桂橋を渡った所の空地に駐車した。桂橋たもとからこれから登る急坂のフカバラノ尾根と天ノ又(あまのまた)のピークが遙か上方に見えている。昨夜の飲み過ぎと人形山の疲れが回復してないのでコンディションが思わしくなく、あそこまで登れるか心配だ。
桂橋のたもとの登山口からちょっと先の大畠谷橋(吊橋)を渡る。正面からすぐ鉄梯子とロープ場で尾根端の岩稜を上り灌木帯の尾根をアップダウンしながら進む。右下には大畠谷の急流が岩をかみ、振り返ると藍色の桂湖と桂橋が絶景だが、上を眺めると天ノ又が立ちはだかっている。一旦下ってからフカバラノ尾根の急坂が始まり、汗が滝のように流れ十メートルほど上っては小休止を繰り返して息を整えつつ、バテバテになって登り続けた。標高1000メートルを超えるとやっと少し涼しくなり、ブナ林の隙間から右奥の奈良岳や見越山を眺める余裕が出てきたがしんどいのはあまり変わらない。標高1200メートル付近で立山杉のような大杉の横を通り、ブナと小灌木の急坂を登るとP1336だ。ここからなだらかな幅広尾根となり、左の木の間から仙人窟岳(せんにんいわやだけ)の左隣に白山が頭をのぞかせているのが望めた。所々残雪のある湿地帯のような所を過ぎると上ってきた尾根筋を俯瞰できる前笈(まえおいずる)P1522三角点だ。この辺りから残雪が多くなり、藪道と雪原が交互に現れ、残雪のそばにカタクリが群生して花をつけていた。天ノ又のピークでは雪原で方向を失って少しうろうろしてから藪道に這い上がったが、ガスで視界のないときは要注意個所だ。天ノ又からはアップダウンもあるがなだらかな道となり、涼しくなって展望もきくので疲れも和らぎ少し元気回復だ。特に、残雪を少し掘ってザラメをお茶に入れて飲む氷水は天下一品で元気百倍だ。やせ尾根を一旦下って登り返すとP1552の絶景ピークだ。眼前に立ちふさがる残雪をいただいた笈ヶ岳や大笠山が壮観だ。
(桂湖ダム堰堤の向こうに大笠山) (桂橋から天ノ又を望む)
(吊橋)
(鎖場からダムを振り返る) (フカバラノ尾根が始まる)
(遙か彼方の天ノ又)
(下に見える桂橋)
(広葉樹の急坂が続く)
(奈良岳と見越山が頭を出す)
(1170米付近の大杉)
(カメラに写らなかった白山(中央)) (湿地帯のU溝道を行く)
(P1522三角点・前笈)
(道を間違い易い天ノ又付近の残雪) (笈ヶ岳が姿を現す)
(P1552の絶景ピーク)
(P1552の稜線を行く) (稜線を振り返る)
(P1552から西南の笈ヶ岳方面を望む)
(P1552から西北の大門岳方面を望む)
前笈から3つ目のピークを過ぎて最低鞍部辺りでは、左の山肌の残雪の崩れる音が響き渡っていた。鞍部から稜線を登るとログハウスの避難小屋が建っているが少し傾いているようだ。小屋横のスズタケの密集帯からロープ場の急坂を登り、展望稜線を過ぎてミネザクラ咲く丸太階段を上ると奈良岳分岐点の小広場だ。ハクサンコザクラ咲く広場から奈良岳に向かう稜線に踏み跡が続いている。ダケカンバと笹原の平坦な道を少し進むと大笠山一等三角点だ。霞んでいるが、まさに白山から北側の山々の展望台だ。すぐお隣の笈ヶ岳は目の前だが残雪期にしか行けないようだ。帰りも忠実に往路通りに下山したが、標高1300メートル付近の道端でとぐろを巻いて尻尾を震わせてガラガラヘビのような警戒音を出している蛇にはびっくりだ。標高差1300メートルを一気に下ってきたので膝をがくがくいわせながら吊橋へたどり着いた。昨日の人形山に比べて一般的でないのか、晴れの土曜日にもかかわらず3人の単独行と2人連れ2組に逢っただけの静かな山行だった。平瀬温泉のしらみずの湯で汗を流し、高速渋滞もなく順調に帰阪した。
真夏のような暑さの中、明日からの梅雨入りを予期して駆け込み山歩きだ。自分の体力のなさを棚に上げて、暑さや飲みすぎを口実に、上り6時間、下り3時間半のヘロヘロ登山を何とか完遂した。桂湖から天ノ又までを何とか耐え抜けば、大笠山までの展望抜群の残雪が点在する稜線歩きが素敵だ。
(登山道の5ヶ所にある距離表示)(残雪の崩壊音が響き渡る)
(丸太造りの避難小屋)
(ダケカンバのロープ場を登る)
(満開のミネザクラ) (最後は丸太階段が現れる)
(奈良岳分岐の小広場)
(笹薮の稜線を進む) (大笠山一等三角点)
(奈良岳分岐広場から東方の人形山方面(北〜東〜南〜西南)を望む)
(フカバラノ尾根を俯瞰)
(尻尾を震わせて警戒音を出す蛇)(桂橋が足下に見えてきた)
ミヤマガマズミ(登山口) チゴユリ(登山口)
マイヅルソウ(登山口)
ツクバネソウ(P1336) ユキザサ(P1336)
サイゴクミツバツツジ?(P1336)
タムシバ(P1522) ハルリンドウ(天ノ又)
カタクリ(P1552)
アカモノ(P1552) ムシカリ(P1552)
ミツバオウレン(P1552)
イワカガミ(P1552) ツバメオモト(P1552)
カタクリ(避難小屋)
ミネカエデ(大笠山) ショウジョウバカマ(大笠山)
ミネザクラ(大笠山)
ハクサンコザクラ(大笠山) シャクナゲ(P1552)
ミヤマシキミ(P1336)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・2万5千分の1地形図 中宮温泉
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