明星ヶ岳(1894m)


★ひとこと   「湯ノ又から中尾で明星ヶ岳を経てトップリ尾で下山」

トップリ尾の草原

★行った日   2010年9月17日(金)  晴一時曇   単独
 
★コース

高槻4:00(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R24、京奈和道、R168、林道)=高野辻6:13(林道)=6:38湯ノ又6:48→TVアンテナ跡7:35→7:57P1079 8:05→P1325 8:49→9:28P1383 9:37→10:18休憩10:25→奥駈出合11:31→11:36(1894m)明星ヶ岳11:46→奥駈別れ11:54→日裏山横12:28→稜線別れ12:36→トップリ尾ピーク12:50→13:09トップリ尾絶景ポイント13:17→トップリ平13:27→P1402 13:40→14:16P1194 14:22→稜線別れ14:38→林道出合15:14→15:21湯ノ又15:30(林道)=高野辻16:00(林道、R168、京奈和道、R24、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻18:55

 昨年春に中尾尾根を訪れたときに見かけたトップリ尾の草原が今回の目的地だ。八経ヶ岳付近の主稜線から西へ、北からトップリ尾、中尾、七面尾の稜線が伸び、中尾の北側に左俣尾と南側に右俣尾の短い稜線がある。今回は湯ノ又から中尾を登り明星ヶ岳を経てトップリ尾を下る計画だ。同じルートのショウタンの山歩録を参考にしました。R168の旧大塔村役場を右折、高野辻を越えて林道を七面谷に向かって進むと、山火事注意の赤い標識が目印の湯ノ又の登山口がある。身支度をして歩き始めた時、1台の四駆が来て声を掛けられたが、沢やさんの単独行だそうだ。日裏谷上流の沢をやるらしく健闘を約した。
 尾根の尾の植林帯の急坂をジグザグに登り、自然林に変わる頃にTVアンテナが放置された稜線先端だ。自然林の尾根をなだらかに進み、P1070を過ぎブナやリョウブが目立つようになり、丁度出発して2時間で大木がまばらに生えている見晴の良いP1325だ。北側には下山時に通るトップリ平、南側には神仙平や七面山が望めた。この辺りから木の根の絡みついたやせ尾根が現れ、南に張り出した岩棚もあって退屈しない。明るい笹原の尾根を過ぎて少し登るとP1383で眼前に岩の絶壁が現れる。テープに従って右に回り込み、木の根を頼りに急坂を登り、シャクナゲの増えてきた稜線を進む。この辺りからミヤコザサ林床の尾根となり、マーク通りに低木の樹林帯に突入、踏み跡をたどり、ロープ場の急坂を這い上がると尾根の岩稜の上だ。振り返るとたどってきた尾根筋を俯瞰できる。

    (自然林尾根を登る)     (P1079の尾根道を行く)    (P1325の明るい稜線)

  (P1325からトップリ平)      (やせ尾根を行く)         (見晴岩稜もある)

  (見晴岩稜から神仙平)    (P1383で岩稜を右から登る)  (尾根に石楠花が増えてくる)

                  (南に伸びる七面尾を望む)

  (ミヤコザサ林床の尾根)        (岩稜を巻く)        (ロープ場の急坂を登る)

 北の左俣尾には縞枯れ模様が見え、トーヒの世代交代?のようだ。ここから稜線上には倒木が増えてくるので北側の斜面をトラバースするように進む。前回はまともに倒木帯を突破したので厄介だったが、今回は回避に努めたので倒木越えは前回ほどではなかった。笹原林床のトーヒの急坂を登ると突然、奥駈道に飛び出した。合流点に青、赤、黄のテープが沢山巻かれているので逆行の時も判るはずだ。奥駈道を左へちょっと行き、分岐点から細道を登ると倒木に囲まれた明星ヶ岳頂上だ。北には八経ヶ岳が直ぐ隣に、弥山小屋も小さく見え、東には大台ケ原が少し霞んで見えていた。奥駈道まで戻って少し下ると、弥山辻の分岐点だ。オオヤマレンゲの保護柵に沿って奥駈道を後に栃尾辻方面へ下る。頂仙岳を正面に見ながら庭園のような稜線をなだらかに下り、日裏山の下を通り過ぎると、トップリ尾の取り付き点だ。何の目印もなく、明確な稜線もない倒木交じりの平らな樹林帯を西北へ進む。この辺りの樹林は、倒木と若木が半々位になって世代交代が明星ヶ岳頂上付近よりも進んでいるようだ。倒木をまたぎながら少し行くとトップリ尾ピークだ。このピークから見下ろすと西南方向と南方向に2つの草原があるが、南の草原は日裏山から派生してトップリ平方向へ伸びている枝尾根上の草原なので、トップリ尾は西南方向だ。急坂の樹林帯を下ると、癒しのブナ林を通り、ミヤコザサ林床の疎林帯を経て草原に出る。 

 (登ってきた稜線を振り返る) (縞枯れはトーヒの世代交代?)   (倒木を越えていく)

   (トーヒ?の急坂を登る)      (奥駈道へ合流)           (明星ヶ岳頂上)

               (明星ヶ岳から大台ケ原方面を望む)

(山頂から八経ヶ岳と弥山小屋)      (奥駈道別れ)      (天女花保護柵に沿って下る)

 (庭園のような稜線を下る)   (トーヒ?の疎林帯を下る)  (この辺りから倒木帯へ突入)

  (若木の育つ倒木林)        (トップリ尾ピーク)        (癒しのブナ林を下る)

 トップリ平を俯瞰できる絶景ポイントの草原だ。しばし岩頭に座って景観に見とれていた。笹原草原の急坂を笹原の下に隠れている障害物に注意しながら下るとトップリ平だ。下から見上げると切り株が点在しているので、トップリ平の成因は、この付近の木が切り倒され、風衝地となって樹木が育たない笹原草原になたのではないかと思われる。P1402のピークもモヒカン刈りになり、ピーク付近の樹木は風前の灯のようだ。しかし、見晴は良く、南隣の左俣尾や中尾の稜線が身近に見え、左俣尾にも草原があるが、地形図では左俣尾の先は岸壁に囲まれているのでそのまま下るのは無理だ。そんなことを考えつつ下るとやがて樹林帯の尾根筋となり、杣道も現れてきた。周辺の木々の切り口も真新しいので、最近杣道が手入れされたようだ。入谷の方から吊橋を渡ってくる道が手入れされているようだ。P1194を過ぎると、いよいよ湯ノ又へ下る枝尾根の分岐点だ。ここぞと思うところに茶色の幅広テープが木に巻かれていたので誰かの目印らしい。判りやすい枝尾根が続いている。尾根別れから30分も枝尾根を忠実に下ると下に平地が見えたが絶壁だ。木の幹や枝を頼りに回り込んで林道に滑り降りた。ここから登る場合は取り付き点を確定するのが困難なので登りやすそうな所を無理やり登るほかなさそうだ。崩壊しかけた林道をしばらく下ると湯ノ又だ。水量が少なかったので容易に潜水道を通って登山口へ帰り着いた。まだある沢やさんの四駆を眺めながら、往路通りだが、帰りは渋滞に巻き込まれ3時間半もかかって帰阪した。
 中尾、トップリ尾とも人にも動物にも会わず静かな山歩きを楽しんだ。中尾は、やせ尾根や見晴し岩稜、明るい樹林尾根など、標高に応じて植生が変化する尾根道が興味深かった。なんといってもトップリ尾の笹原草原が期待通り素晴らしく、周囲を眺めながらの絶景ポイントでのひと時が印象深かった。 

 (ミヤコザサの疎林帯を下る)    (トップリ尾絶景ポイント)     (トップリ平の草原)

             (トップリ尾絶景ポイントから西方を望む)

 (切り株点在のトップリ平)     (P1402のモヒカンピーク)    (P1402から振り返る)

                (P1402から中尾稜線を望む)

 (トップリ尾の樹林尾根を下る)  (枝尾根の自然林を下る)     (林道へ飛び降りる)

    (崩落林道を下る)         (湯ノ又へ帰着)        (高野辻から明星ヶ岳)

★道で出会った花

    シラヒゲソウ(倒木帯)     ダイモンジソウ(倒木帯)     コケオトギリ?(倒木帯)

   イヌトウバナ?(P1402)    ミヤマトリカブト?(P1402)トーヒとシラビソの違い(日裏山)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大峰山脈
・2万5千分の1地形図  南日日裏、弥山、釈迦ヶ岳、辻堂

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