大尾山(681.4m)水井山(794.1m)比叡山(848.3m)


★ひとこと   「大原から雪深い大尾山、水井山、比叡山を経て雲母坂へ」

人影のない朝の三千院

★行った日   2011年1月22日(土)  晴時々曇  単独
 
★コース

JR高槻駅7:31(JR)=JR京都駅7:49(地下鉄)=国際会館8:15(京都バス)=8:37大原バス停8:47→三千院8:55→音無滝9:10→11:07(681.4m)大尾山11:19→(670m)小野山12:10→仰木峠12:40→13:36(794.1m)水井山13:44→(767m)横高山14:02→横川中堂分岐14:09→14:15玉体杉14:22→釈迦堂14:55→浄土院15:03→展望所15:27→比叡駅15:41→16:04大鳥居分岐16:11→雲母坂登山口16:31→修学院バス停16:45(市バス)=河原町17:40(阪急)=阪急高槻駅18:03

 比叡山から北へ伸びる稜線の最後の盛り上がりが大原の東に位置する大尾山(だいびさん?)だ。大原から大尾山を経て尾根伝いに南下、比叡山から雲母坂(きららざか)で修学院へ下る計画だ。JR、地下鉄、バスと乗り継ぎ、立派な駅舎の大原バス停でスパッツを着け勇躍出発だ。
 開店準備中の土産物店が軒を連ねる谷沿いの道を10分ほど歩くと残雪の美しい三千院だ。人気のない門前に立ち寄っただけで三千院の横から来迎院(らいごういん)前を通って林道を15分も進むと一ノ滝の音無滝(おとなしのたき)だ。ここまで踏み跡もあるがここからいよいよ雪上に獣の足跡だけの山道だ。8年前にこのルートを登っているが殆んど記憶はなく、谷のためGPSも使い物にならず、積雪で踏み跡も見えず大きな道標だけが頼りだ。最初の音無滝から手探りならぬ足探りで滝を巻き、沢筋を進む。足元が見えない雪の沢歩きは初めての経験だが嫌なものだ。二ノ滝が下に見える雪道を崖をへずって進んだが、次の滝では行き止まりだ。少し戻って辺りを眺めると左岸に雪に埋もれた梯子らしき構造物を発見、雪を払いつつ段を上るとロープが雪の中から現れ、何とかここをクリアー。滝上で道標を見ると三ノ滝だった。沢歩きはここまでとの表示があり、本当はここから右の急な尾根の尾に取り付かねばならなかったが、印がなかったので尾根左側の小さな沢を膝上まで雪に埋もれながら歩き始めた。沢筋はだんだん深くなって進むことが出来なくなり、衛星電波を拾うことが可能な尾根に出るべく右の支尾根に取り付いた。支尾根上へ達すると幸運にも登山道だ。膝下まで没するツボ足でも正しい道と判れば元気百倍、大尾山にたどり着いた。山頂からは梢の上から琵琶湖が僅かに垣間見えるだけだ。音無滝からの標準時間は1時間弱だが2時間もかかってやっと到着だ。
 大尾山から狭い稜線を少し下ると林道に合流だ。雪の多い林道歩きは和かんかスノーシューがあれば楽勝だがツボ足は難渋だ。動物の勘はたいしたもので、真っ白な林道上の鹿?の足跡をたどるのが最も効率的だった。何とか林道から山道に入り、だんだん少なくなってきた雪に助けられて小野山を過ぎ、計画より1時間遅れで大原から来る東海自然歩道との合流点の仰木峠(おうぎとうげ)到着だ。ここからは踏み跡があるので楽だ。峠から稜線を南下、横川(よかわ)中堂へ向かう東海自然歩道を左に分け、点々と残る足跡を追って雪道を水井山へ向かって登る。水井山、横高山を過ぎて急坂を下ると横川から来る東海自然歩道と再び合流だ。合流点には雪に埋もれた可愛い地蔵が並んでいる。

   (雪の残る三千院前)      (三千院横を川沿いに進む)  (林道沿いの登山口の表示)

    (一ノ滝の音無の滝)     (一ノ滝を巻いて谷筋を進む)  (二の滝の崖をへずって行く)

   (三の滝を雪の急坂で巻く) (雪に埋もれた沢歩きはここまで)  (雪深い支稜線を登る)

       (稜線出合)           (大尾山三角点)      (山頂から梢越しの琵琶湖)

 (雪に埋もれて稜線を下る)    (林道に出るが雪が深い)    (しばらく林道を進む)

   (林道から山道に入る)       (大原分岐の仰木峠)    (横川分岐から水井山へ登る)

      (水井山)                (横高山)            (急坂を下る)

 合流点の先の玉体杉からは南に比叡山と京都市街、東に琵琶湖が望めるがきょうは雪雲がかかり霞んでいる。ここから稜線を30分ほど進むと西塔(さいとう)に入り、雪の釈迦堂から灯篭の並んだ参道を進み、浄土院から長い石段を登る。車道橋の先で東塔(とうとう)を左に分け、右の叡山駅をめざす。比叡山頂へ向かう道の分岐点にはベンチもある大きな展望所が北側に広がり、西南から北にかけて京都北山の峰々が望め、蓬莱山には雪雲がかかっていたが、水井山から歩いてきた稜線が望めた。展望所からリフトの残る旧叡山スキー場跡横を通って下るとケーブルの叡山駅だ。ケーブルは3月上旬まで運転休止中だ。ケーブル駅横から下り道に入り、杉林を抜けると急に雪が薄くなり、道なりに右に京都を眺めつつ下ると高圧鉄塔下の大鳥居分岐だ。分岐のちょっと上に京都市内が展望できる小広場があって休憩の適所だ。京都一周トレイルの大鳥居を左に分け直進、V字に掘れた砂岩層を通って急坂を下ると雲母坂登山口だ。音羽川に沿ってしばらく下ると白川通に出合い、白川通りを少し南下すると修学院バス停だ。すぐにやって来た市バスで河原町を経て阪急で帰阪した。
 大原から大尾山を経て仰木峠へ向かうコースは例年になく雪が多く、トレースがあるものと思った甘い期待も裏切られてツボ足で難渋した。登山道のあるルートでも雪が積もれば踏み跡やテープ印がなくなり、谷筋では衛星電波も届かないので余裕のある行動が必要だ。その代わり、処女雪面で歩く気分は爽快だ。人影のない静まりかえった雪の西塔は身の引き締まるような霊気を感じる所だ。

   (横川からの道と合流)           (玉体杉)        (歩き易くなった道端の地蔵群)

     (西塔の釈迦岳)         (比叡山らしい回廊)          (浄土院)

   (長い石段を上る)       (車道の橋を渡って右へ)      (展望所から水井山)

                 (展望所から雪雲の霞む西北を望む)

        (展望所)        (比叡駅から雲母坂へ)       (雪の杉林を下る)

  (大鳥居分岐手前の休憩場)     (大鳥居分岐)          (雲母坂登山口)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図
(1)大原〜玉体杉

(2)玉体杉〜修学院

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       京都北山
・2万5千分の1地形図  大原、京都東北部

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