斧山(829mm)卯月山(942.7m)玉置山(1076.4m)


★ひとこと   「折立から斧山、卯月山、玉置山を経て宝冠の森へ」

かつえ坂から斧山(左)卯月山(右)を望む

★行った日   2011年4月1日(金)  晴  単独
 
★コース

高槻4:01(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、京奈和道、R168)=6:45折立6:55→足谷神社7:16→7:46P478 7:50→8:27ピーク8:32→8:59(829m)斧山9:05→P899 9:45→9:55(942.7m)卯月山10:03→高滝辻10:14→車道合流10:37→10:46花折塚峠10:55→11:11玉置山展望台11:21→11:45(1076.4m)玉置山11:55→記念碑12:04→P1064 12:10→P1057 12:24→12:42宝冠の森12:55→P1057 13:14→P1064 13:29→記念碑13:34→玉置神社13:45→駐車場14:01→14:12折立分岐14:18→車道出合14:58→玉置山登山口15:08→15:34折立15:45(R168、京奈和道、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻19:00

 熊野三山の奥宮のひとつ玉置(たまき)神社の建つ玉置山は奥駈道(おくがけみち)の主要拠点だ。今回は折立(おりたち)を起点に斧山(よきやま)から今年の干支の山、卯月山(うづきやま)を経て、玉置山から奥駈道行場のひとつ、宝冠(ほうかん)の森をピストンして折立へ下る計画だ。彼岸もすんで日が長くなってきたので、少し欲張りな計画のため早朝出発だ。曲がりくねったR168も所々改良工事が完成してちょっとばかり走り易くなって3時間弱で折立到着だ。折立郵便局の向かい側の公衆トイレの駐車場に空きがあったのでとめさせて頂いた。
 道で出会った古老に斧山への道を尋ねたところ、丁寧に教えて頂き、宮さん(足谷神社)から上は危ないのできいつけて行きなされやと言われ、駐車場下の小さな路地を山側へ登り始めた。山陰に沈む折立の集落を振り返りながら登ると車道に出合い、道端から伸びているモノレールに沿って参道を進む。雑木林や杉林をジグザグに登り、尾根の左から来ている道を合わせると石段の上に立派な社殿が現れる、足谷神社だ。丁度開き始めたシダレ桜の下でユーモラスな顔の狛犬が睨みを利かせ、社殿の上には斧山中腹の岩峰ピークがのぞいている。社殿の奥から尾根筋に上がり、尾根右側の山道を少し進むが、すぐに不明瞭な踏み跡をたどって急坂の尾根を登る。テープの類はないが、今は使われていない共聴アンテナケーブルが斧山頂上まで続いているのが目印だ。出発して約1時間で勾配がゆるくなった尾根上の四等三角点だ。灌木のまばらに生えた岩肌交じりの急な尾根をふーふー云いながら登ると、大きな岩壁が現れる。見た目は大変そうだが、しっかりした岩角があり、小木も適宜生えているので右に回りこんで登り、しばらく尾根を進むとピークだ。少し下り尾根を行ってから連続して岩稜交じりの急坂を登りきると、出発して約2時間で斧山頂上だ。展望もなく愛想なしだが数枚のプレートがかかっている。
 山頂から東へ、藪の中に放置された崩れ落ちた共聴アンテナの傍を通ってしばらく雑木尾根を下ると植林帯がどこまでも続く。斧山からは明確な踏み跡があり、所々テープもあるなだらかな尾根道を約1時間登ると卯月山(別名、王走り山(おうばしりやま))三角点だ。山名の由来は、卯月山は中秋の名月が折立から見て卯(東)の方向、王走り山は花折塚(はなおりつか)との関連で護良(もりよし)親王がこの山経由で高滝へ走った、からだそうだ。山頂から雑木林をなだらかに下ると鞍部が高滝辻(こうたきつじ)だ。左は高滝、右は折立、直進は玉置山の四叉路だ。

(折立郵便局前から山側へ入る)(途中で折立集落を振り返る)  (モノレールに沿って登る)

   (雑木林の参道を行く)      (立派なお社が現れる)    (狛犬の横のシダレ桜が開花)

  (足谷神社の奥から尾根へ)    (ルンルン山道を行く)     (すぐに道なき急坂を登る)

      (P478三角点)      (灌木帯の急な稜線を登る)     (岩稜を右に巻く)

 (アンテナケーブル沿いに登る) (岩稜の上のピークで小休止) (登り甲斐のある急坂が続く)

  (ブラインドの斧山頂上)        (自然林を下る)      (植林帯をなだらかに登る)

 (卯月山(王走り山)三角点)      (雑木林を下る)       (折立から合流点の高滝辻)

 高滝辻のすぐ先で玉置山を右に分け、左の花折塚へ向かう。分岐点には右玉置山、左葛川と書かれた古い自然石の道標がある。太い松林の自然林尾根をなだらかに登り、ミズナラやブナの美しい尾根を丸太階段で登ると車道出合だ。路傍には展望図が立っているが木々が生長して部分的にしか展望は利かない。しばらく東進し、表示に従って右の奥駈道に入り、明治時代の植林と云われる立派なヒノキやスギの並木道を進むと花折塚だ。明治に建立された後醍醐帝を助けた片岡八郎の石碑だそうだ。元へ戻って、車道をしばらく南下すると絶景の展望が楽しめる玉置山展望台だ。西方には果無山脈から護摩壇山へ続く山並み、東北には南大峰の山々が展望でき、近くでは斧山から卯月山を経てたどってきた稜線が望めた。

  (花折塚分岐の古い道標)   (太い松の自然林尾根を行く)   (美しいミズナラ尾根を行く)

      (車道出合)       (路傍の展望図通りに見えない)   (車道から奥駈道へ)

    (奥駈道を北へ)            (花折塚)          (奥駈道を南へ戻る)

   (車道を玉置山方向へ)    (絶景の玉置山展望台)    (展望台から斧山と卯月山)

              (玉置山展望台から西方の護摩壇山方面を望む)

              (玉置山展望台から北方の南大峰の山々を望む)

 展望台から車道を少し南下すると世界遺産記念碑があり、尾根道が玉置山へ登る奥駈道のかつえ坂、左下が記念碑へ向かう道だ。記念碑の裏の展望台から西峰が見え、きょうは駄目だがその彼方に熊野灘が望めるそうだ。ヒメシャラ、ブナ、ミズナラなどの大木が並ぶ美しいかつえ坂を経て時々開ける西方の展望を楽しみながら稜線を進み、中継アンテナ塔を過ぎてシャクナゲの森に入ると玉置山三角点広場だ。山頂からの展望はあまり良くなく、宝冠の森に続く尾根筋のピークがちょっと目につくだけだ。山頂の横からシャクナゲの間を通って東へ伸びる稜線を少し下ると、左は花折塚、右は玉置神社、直進は宝冠の森へ向かう四叉路の勧業山記念碑だ。ヒメシャラやブナ疎林帯の綺麗な稜線のP1064を越え、次のピークP1057で直角に曲がって急坂を下ると岩稜下りの鎖場だ。再び鎖場をよじ登って岩稜のヤセ尾根を進み、次の鎖場を下って上り、少し尾根を進むと樹間の小広場が宝冠の森だ。数十メートル先の尾根突端から先が切れ落ち、その先に絶景が広がっている。ぽかぽか陽気のもと、山々を眺めながら寝そべっているのが何物にも代え難い瞬間だ。南には大森山手前から東南に派生した支脈の突端にある甲森(こうがもり)が間近にそびえ、その少し左に大雲取、小雲取、烏帽子山、透明度がよければ熊野灘まで望める筈だ。

 (かつえ坂の世界遺産記念碑) (ブナ、ミズナラの美林を登る) (美しい稜線のかつえ坂を登る)

 (シャクナゲの間を通ると山頂)     (玉置山三角点)     (四叉路の記念碑を宝冠の森へ)

   (ブナ林尾根を行く)    (ヒメシャラとアセビの尾根を行く) (岩稜を鎖を伝って下りる)

 (岩稜へ鎖を引っ張って上る)   (岩稜のヤセ尾根を行く)   (何もない宝冠の森の小空間)

           (宝冠の森の突端からの大展望、熊野灘は霞んで見えなかった)

 宝冠の森から記念碑へ戻り、山腹のトラバース道で玉置神社へ向かう。玉置神社できょうの安全を感謝し、樹齢三千年といわれる神代杉をはじめ巨杉の茂る参道を進むと駐車場だ。駐車場の先から近畿自然歩道の道標の折立方向に従って遊歩道を下る。なだらかに杉林を下ると車道と交差し、道標通りに折立へ下る。視界のない薄暗い植林帯がほぼ車道出合まで続く。計画では、林道歩きを避けて地形図にある点線の道で中谷の滝へ向かおうとしたが、分岐点を見過ごしてしまい林道まで出てしまった。玉置山登山口から林道をテクテク、咲き始めた十津川の桜見物をしながら折立へ帰り着いた。公衆トイレの駐車場と思って車をとめたが、朝は車に隠れて気付かなかったが契約駐車場の表示があって、びっくり!、連絡先も判らなかったのでそのまま帰ったが、折立の係の人へ、御免なさい。
 無風の好天に恵まれ絶好の山歩きができた。折立から斧山へのワイルドな稜線登り、かつえ坂の疎林帯の美しい稜線、宝冠の森のヤセ尾根岩稜歩きと突端からの眺望などが、今回の三大印象だ。

    (宝冠の森の突端)      (記念碑から左の玉置神社へ)  (大杉のトラバース道を行く)

  (前に見えるのが玉置神社)     (玉置神社拝殿)         (巨大杉の神代杉)

 (駐車場の玉置神社入口)    (近畿自然歩道が始まる)   (立派な自然歩道を下る)

              (折立分岐手前の尾根から歩いて来た稜線を望む)

  (折立分岐から折立(右)へ) (ブラインドの植林帯を延々と下る)   (車道出合)

      (玉置山登山口)        (帰り道から折立橋)        (やっと折立到着)

★道で出会った花(花はなし)

   シダレサクラ(足谷神社)     シャクナゲ(玉置山)       サトサクラ?(林道)

    ミツバツツジ(林道)        シハイスミレ(林道)      タチツボスミレ(林道)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大峰山脈
・2万5千分の1地形図  十津川温泉

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