高野七口女人道

摩尼山(1004m)楊柳山(1008.5m)転軸山(930m)弁天岳(984.5m)


★ひとこと   「中の橋を起点に高野七口女人堂跡めぐり」

轆轤峠から楊柳山(左)転軸山(手前中)摩尼山(右)を望む

★行った日   2011年7月9日(土)  晴   単独
 
★コース

高槻4:29(近畿道、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R24、京奈和道)=橋本IC(R370、R480)=6:43中の橋駐車場6:51→トンネル手前女人道入口7:03→摩尼峠7:18→(1004m)摩尼山7:35→黒河峠7:56→8:12(1008.5m)楊柳山8:21→子継地蔵8:41→転軸山登り口9:06→9:19(930m)転軸山9:29→島の池9:42→黒河口10:05→千手院明神10:13→10:24休憩10:33→女人堂10:44→(984.5m)弁天岳11:07→大門11:26→11:31お助け地蔵11:40→相の浦口(上水峠)12:16→展望ピーク12:25→轆轤峠12:35→12:44真別処分岐12:52→円通律寺前13:02→弥勒峠13:14→13:41中の橋13:45(R480、R370)=橋本IC(京奈和道、R24、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿道)=高槻16:42

 少しでも涼しい所を歩こうと高野山へやってきた。以前、九度山から続く町石道(ちょうせきみち)を歩いているので、今回は大門(だいもん)口(和歌山から)、不動坂(ふどうざか)口(京、大阪から)、黒河(くろこ)口(奈良から)、龍神口(有田、龍神から)、相の浦(あいのうら)口(有田、龍神から)、大滝口(小辺路から)、大峰口(大峰山から)の女人堂跡を巡る高野七口女人道(こうやななくちにょにんみち)だ。日の出が早い時期なので早朝出発、くねくね道を通って朝から単車の爆音が響き渡る奥の院前の中の橋駐車場に2時間余で到着。
 白装束の参詣人をちらほら見かける奥の院前を東へ、住宅地を抜けてトンネル手前から小さな道標に導かれて左の山道へ入る。ササユリがちらほら咲いている植林帯の水平道をしばらくたどると摩尼(まに)峠だ。奥の院からの道を合わせてモミノキの茂る丸太階段を上ると摩尼山(まにさん)だ。山頂には小さな祠があり、これから訪ねる要所にも同じような祠が祀られている。黒河峠を過ぎて針葉樹林帯を登ると高野三山最高峰の楊柳山(ようりゅうさん)だ。三角点は祠の裏の藪の中にひっそりとたたずんでいる。掲示によれば、この辺りは二次林(伐採地跡に成立するコナラなどの自然林)や極相林(二次林の次に成立する森林)へ遷移中のモミ、ツガなど紀伊山地の代表的温帯林だそうだ。山頂から稜線を下ると子継地蔵(こつぎじぞう)だ。ここで久保(九度山町北又)を右に分け、ちょっとぬかるんだ所もある湿地帯をなだらかに下り、車道に出ると向こう側に転軸山(てんじくやま)登り口がある。植林帯を少し登ると転軸山頂上だ。山頂から左へ行くと奥の院だが右の西尾根を下ると鳥の池の畔で車道出合だ。閑静な鶯谷(うぐいすだに)の住宅地を下り、高野山森林公園の車道を道標通りに進む。

   (中の橋、奥の院入口)     (トンネル手前から左へ)     (植林帯の水平道を行く)

      (摩尼峠)         (大木モミの並木道を登る)       (摩尼山)

       (黒河峠)         (針葉樹林帯を登る)     (高野三山最高峰の楊柳山)

 (楊柳山の三角点は祠の裏)      (子継地蔵)         (湿地帯をなだらかに下る)

      (転軸山)              (鳥の池)            (しばらく車道を進む)


 住宅街の土手上にある黒河口女人堂跡の標識を通り過ぎ、すぐ先の住宅角の表示を見過ごさないようにして北へ曲がる。細い路地を通って山道に入り、二次林の稜線をたどると間もなく前方下に車道が見え、すぐに女人堂だ。七口女人堂のうち唯一お堂のある不動坂口女人堂だ。巨大なお竹地蔵(おたけじぞう)の横から階段を上がり、なだらかな山道を進むと鳥居に囲まれた弁財天の社の建つ弁天岳(べんてんだけ)だ。山頂から南尾根を下るが、出発以来初めて展望が開け、西方の和歌山方面の龍門山(りゅうもんざん)が望めた。沢山の鳥居の建つだらだら坂を下ると、大門口女人堂跡を経て立派な朱色の大門(だいもん)だ。東大寺の仁王像に次いで二番目に大きい金剛力士像がにらみを利かせている。巨樹の並ぶ参道をちょっと南へ下るとあまり風情のない建物のお助け地蔵だ。一つだけ願い事を叶える一言地蔵(ひとことじぞう)とも言われている。地蔵の横から山道を進み、明治の高野山大火後に京の愛宕山から勧請した愛宕社の裏を通り、南谷へ下る。谷を渡って皆伐された裸山の稜線の丸太階段を上る。樹林に入る手前が相の浦口女人堂跡のある上水峠(うえみずとうげ)で、西方のビューポイントだ。

   (住宅の角を曲がる)     (57箇所ある女人道の道標)    (自然林の山道を行く)

      (女人堂)           (二次林を登る)      (弁財天が祀られている弁天岳)

  (稜線から西の和歌山方面) (2番目に大きい金剛力士立像)    (金剛峰寺大門)

(お助け地蔵へ巨樹の道を下る) (ひっそりたたずむ愛宕社) (上水峠へ向かって山道に入る)


    (植林帯を行く)        (皆伐採された稜線を登る)      (上水峠(相の浦口))

 磨耗した石仏のたたずむ上水峠から、西に天狗岳と龍門山の間に和歌山方面が霞み、北には根本大塔(こんぽんだいとう)の左に弁天岳が望めた。樹林を抜けた次のピークが高野山テレビアンテナが建ち、南には護摩壇山(ごまだんさん)、東に大峰山脈が望める展望台だ。稜線を下ると大滝口女人堂跡があり、このコース唯一高野三山が望める轆轤峠(ろくろとうげ)だ。しばらく本宮へ向かう小辺路(こへじ)ルートの林道をしばらく進み、真別処(しんべっしょ)分岐から林道と分かれて左の山道を下る。やがて円通律寺(正式名称=真別処円通律寺(えんつうりつじ))門前を左に見て林道を進み、すぐに左の谷筋の山道を登ると弥勒峠(みろくとうげ)だ。峠から直進せず、右へ少し上ると大峰口女人堂跡だ。ここからなだらかな尾根道が続き、ええかげん嫌になった頃やっと大峰口だ。そのすぐ先が奥の院前の中の橋だ。びっくりするほどの観光バスと乗用車で埋め尽くされた駐車場だ。まだ早かったので奥の院でも回り道をしようと思ったが、帰りのくねくね道に集中する車を考えるとぞっとし、渋滞発生前に順調に帰阪した。
 大半は直射日光から身を隠すことのできる木陰の道なので避暑登山向きだ。道標も完備し、いたる所からエスケープできるのでぶらぶら歩きに最適だ。高野山寺院巡りだけでなく、高野三山や女人道めぐりもお勧めだ。

                     (上水峠から西方を望む)


    (上水峠の石仏)     (放送アンテナのある展望ピーク)      (轆轤峠)

                     (展望ピークから南方を望む)

      (真別処分岐)          (急坂を下る)         (円通律寺門前を通る)

        (弥勒峠)         (大峰口女人堂跡)       (中の橋駐車場裏に到着)

★道で出会った花

    ヒヨドリバナ(黒河峠)      シソクサ?(子継地蔵)    ウツボグサ(子継地蔵)

    ニガナ(子継地蔵)     ヤマブキショウマ(子継地蔵)    ホタルブクロ(鳥の池)

     タイサンボク(鶯谷)      ダイコンソウ(鶯谷)       ユキノシタ(黒河口)

   オオバギボウシ(黒河口)    ガクアジサイ(弁天岳)       ササユリ(轆轤峠)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  高野山

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