愛宕山(924m)


★ひとこと   「清滝からケーブル廃線跡で愛宕神社を経て大杉谷へ」

廃線後70年近い年月を感じない軌道跡(3番隧道)

★行った日   2011年8月3日(水)  晴  単独
 
★コース

高槻5:27(R171、府道50、林道)=6:32清滝駐車場6:38→7:70軌道跡中間点7:25→8:25山上駅跡8:34→表参道合流8:42→9:13愛宕神社石段下9:20→愛宕神社9:28→9:33大杉谷別れ9:43→水場10:21→林道出合10:36→月輪寺分岐10:45→10:54空也滝11:01→月輪寺分岐11:08→11:32清滝駐車場11:38(林道、府道50、R171)=高槻12:50

 きょうは涼しいうちに近場の愛宕山だ。終戦間際の(1944年)昭和19年に鉄材供出のため廃線になったケーブル軌道跡をたどって山上に至り、大杉谷道で下山の計画だ。青空に雲を頭に頂いた愛宕山を眺めながらまだ観光客のいない渡月橋を渡り天竜寺前を北上、化野(あだしの)念仏寺前を通り、清滝トンネルを抜けると清滝だ。トンネル出口から右の細い舗装道路を下ると6時半オープンの有料駐車場(500円)に丁度到着だ。緑に囲まれた清流の里は山陰のため朝日もささず、ひやっとしたいい雰囲気だ。
 駐車場前の橋を渡って石段を上り、ケーブル駅跡と思われる凸凹の残った路面を進むとレールの外されたコンクリートの階段状の軌道跡が続いている。70年近く経っていると思えない位しっかりした、鋼索の通る索道やボルト、コンクリート路盤などが残っている。真っ暗な1番隧道に入るが目が馴れてくると両出口からの光で足元が見え、以降、ヘッドランプは不必要だ。短い2番隧道を抜けると3番隧道だが通り抜けできないので右の巻道を上る。ほどなく立派な杣道をたどると3番隧道出口で軌道跡と合流だ。4番隧道内で軌道が分岐し始め、出口の先が離合地点だ。軌道歩きは急な上りばかりなのでここで小休止だ。次の通れない5番隧道が最も長く、急坂の踏み跡を上るがトラロープまで設置されてるところ見るとよほど通る人が多いようだ。多分、大杉谷道へ下っている林道と交差して進むと5番隧道出口で軌道と合流だ。6番隧道を過ぎると、その先のまだ崩落せずに残っている橋から東方の展望が開け、霞んでいるが蓬莱山から比叡山の山並みが望めた。

   (清滝駐車場前の登山口)    (ケーブル駅跡?付近)     (1番隧道めざして進む)

(1番隧道出口から2番隧道へ)    (短い2番隧道)       (崩落した3番隧道を右へ巻く)

   (立派な杣道を行く)       (4番隧道内で軌条分岐)   (中間点の車両離合地点)

 (崩落した5番隧道を右へ巻く)   (トラロープのある巻道)        (林道交差点)

    (6番隧道へ進む)       (橋も落ちずに残っている)      (軌道跡を振り返る)

            (5番隧道の先の橋付近から霞んだ東方を望む)

 この先、直線状の急な軌道跡をフーフー云いながら汗だくで上るとやっと山上駅舎だ。数年前位の残骸としか思えないようなコンクリートの建物だ。森の中から離れて見ていると、建物から人々が出て来るような錯覚を覚える位だ。近くの山中には建物群の土台だけが残り、70年の年月を感じさせるように土台から生えた大きな樹木が茂っていた。駅舎から広い道をたどると、表参道の水尾別れのちょっと先で合流し、急に増えた人に混じって参道を進むと愛宕神社だ。一応、防火のお参りだけを済ませて、月輪寺(つきのわでら)道を下り、途中から大杉谷道に入った。手入れされた登山道を下り、空也(くうや)滝の上辺りで、前述の5番隧道巻道と交差した林道と合流し、しばらく下ると清滝から来ている林道との合流点だ。大杉谷道から空也滝へ点線が地形図に示されているが、大杉谷道からは判らなかった。空也滝の建物の手前から崩落したような急な階段が手摺つきで上部へ伸びていたのが昔の道かも知れないが、今はこれを上ることは危険だ。時刻が早かったので空也滝を往復してから昼前に清滝へ帰りついた。
 ケーブル軌道跡は、70年近く経っているので破損が進んで危険な所もあると予想して行ったが、意外にちゃんとした路盤が残っており危ない所はなく、崩落したトンネルの巻道にもテープ印もあって、安全な上り道だ。ただし、急な階段が連続し、おまけに判り難いボルトが点々と残っているので下りは止めた方がよい。久しぶりの晴に恵まれ、見慣れた低山ながら興味ある風物が経験できた。

  (やっと山上駅跡が近づく)     (山上駅舎の内部)         (山上駅舎の外観)

   (駅舎付近の建物跡)     (水尾別れで表参道合流)    (並木参道を愛宕神社へ)

     (愛宕神社石段)      (月輪寺道から京都市内)     (岩散在の月輪寺道を下る)

     (大杉谷分岐)          (杉美林を下る)            (林道合流)

   (陰気な空也滝)       (東海自然歩道と合流)         (もうすぐ清滝)

★道で出会った花(花は見かけず)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       京都北山
・2万5千分の1地形図  京都西北部

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