雨乞岳(1238.0m)タイジョウ(1061m)カクレグラ(990.1m)
★ひとこと 「ツルベ谷から雨乞岳を経てタイジョウ、カクレグラ周回」
清水峰へ伸びる笹原稜線(右奥は綿向山)
★行った日 2011年9月7日(水) 晴 単独
★コース
高槻5:01(名神)=八日市IC(R421、県道189、林道)=6:30山側巡視路入口6:44→岩ヶ谷林道入口6:50→かくれ岩7:10→桜地蔵7:31→大峠分岐7:51→9:23大峠9:32→10:51清水頭11:02→南雨乞岳11:38→12:00(1238.0m)雨乞岳12:09→杉峠12:34→佐目峠分岐12:55→P1084
13:12→13:54(1061m)タイジョウ14:02→15:04P982
15:09→15:43(990.1m)カクレグラ15:48→巡視路分岐16:30→鉄塔(R161)16:38→鉄塔(L160)16:45→17:30山側巡視路入口17:35(林道、県道189、R421)=八日市IC(名神)=高槻19:14
雨乞岳は鈴鹿山系にあって御池岳に次ぐ第2の高峰だ。甲津畑(こうづばた)から千種(ちぐさ)街道を進み、ツルベ谷経由大峠から雨乞岳(あまごいだけ)、杉峠、タイジョウ、カクレグラを経て周回の計画だ。紀伊半島に大水害をもたらした台風12号から数日しか経ってないので、沢筋の増水を懸念しながらの出発だ。昨日から秋晴れの快晴が続き、朝日を浴びつつ甲津畑を過ぎて山影の林道に入り、巡視路マーク付近に路駐だ。15℃の少しひやっとする快適な気温だ。
林道を少し進んで通行止め表示の岩ヶ谷林道に入る。軽四が通れそうな舗装路だが路面に落石や倒木が多く車は無理だ。しばらく行くと平地があって、千種街道の説明板などがあり、ここから地道だ。かくれ岩表示を過ぎ、桜地蔵の先で鉄板橋を渡ると右側に新しくできた三角屋根の避難小屋が建っている。中を覗いたが意外に清潔だ。岩ヶ谷林道入口から丁度1時間でツルベ谷出合の大峠分岐だ。杉峠への道を左に見送り、沢を渡ろうとしたが丸太橋が流されたのか川岸に片寄って渡れず、仕方なく浅瀬を探して裸足になり裾をまくりあげて増水した沢を渡った。以降、雨乞岳を経てタイジョウまで以前になかった200メートルポスト表示が設置されているので安心して歩ける。ツルベ谷に沿って歩き出した途端、山抜けを避けるため西側の急な小尾根を登ったが稜線は岩稜で行き止まりだ。そこで少し戻って小尾根の向こう側の谷筋に下り、以降、多少の倒木に悩まされたが谷筋をさかのぼり、そのまま谷筋を直進すると地形図の点線の道だが、よく注意すると左側に表示があって踏み跡をたどると稜線鞍部の大峠だ。大峠から南側が崩落した崖上の急な稜線を登り、ややなだらかになったシャクナゲトンネルの尾根を登り続ける。急に明るい所にでると2〜3箇所展望のよい岩頭があって、西にイハイガ岳や綿向山(わたむきやま)、東に雨乞岳が望めた。
(岩ヶ谷林道入口) (落石の多い林道を進む)
(舗装終了点の千種街道標識)
(かくれ岩入口標識) (桜地蔵)
(鉄板橋先の新しい避難小屋)
(大峠分岐)
(丸太橋が外されている)
(流れのゆるい所を裸足で渡る)
(200メートル毎のポスト表示)
(沢沿いにさかのぼる)
(山抜けのため尾根へ取り付く)
(再び沢筋へ戻る)
(分岐から1時間半かかって大峠)
(シャクナゲ尾根を登る)
(展望岩稜)
(展望岩稜から雨乞岳)
(展望岩稜から綿向山)
しばらく尾根を南進してポスト5/16で東に向きを変えた尾根なりに進み、幅の広い樹林帯の歩き易い尾根を東進する。やがて樹林帯を抜けて笹原が現れると360度展望の清水峰だ。からっとした空気のせいか比良山系や金剛山系まで望めた。清水峰から雨乞岳に向かって緑の絨毯のような曲線美の笹原が続く。なだらかな上りから徐々に急坂になり、疎林帯に入ると背丈以上のクマザサ?を掻き分けながら踏み跡を探して進むと南雨乞岳だ。鈴鹿スカイラインの稲ヶ谷から登る南尾根が山頂から伸びているが、見た所笹薮コギが必要なルートだ。山頂から雨乞岳へ深い笹原を登る。初めは踏み跡がはっきりあるが、途中から密生した歩き難い笹原を掻き分けながら進み、やっと雨乞岳三角点広場に飛び出す。山頂からはっきりした道が露出しているのは東雨乞岳へ向かうルートだけだ。杉峠へ下る北尾根の道も表示もなく笹薮に薄い踏み跡があるだけだ。しばらく笹薮を下ると見晴しポイントの岩頭だ。これから向かうカクレグラへ通ずる稜線が長々と横たわり、その彼方に霊仙山や伊吹山まで望めた。
(幅広のなだらかな樹林帯尾根)(樹林尾根を抜けると清水峰)
(清水峰から続く笹原の稜線)
(清水峰から360度の大展望、東〜南〜西〜北〜東北を望む)
(南雨乞岳手前の笹薮コギ) (南雨乞岳から続く南尾根)
(雨乞岳手前から綿向山)
(雨乞岳から御在所岳、東〜南〜西南を望む)
(雨乞岳三角点小広場) (笹薮に突入して杉峠へ)
(前方の岩が見晴しポイント)
(見晴しポイントから伊吹山方面、西〜北〜東を望む)
稜線鞍部の杉峠からなだらかに上り、佐目(さめ)峠分岐を過ぎて稜線をたどる。しばらくシャクナゲの茂るヤセ尾根が続くが、ここできょう初めての登山者と会い情報を交換する。愛知県から訪れた女性単独行のベテランだ。表示がなければ気付かない稜線上の一通過点のようなタイジョウを過ぎると急な岩稜下りだ。タイジョウから北尾根ははっきりしているが西北尾根はテープ印もない崖を下るので要注意箇所だ。やがて岩塊稜線が現れて、以降は稜線を忠実にたどるだけだ。同じような樹林の稜線をアップダウンしながら、タイジョウからカクレグラまで2時間弱歩くのが退屈だが、P962手前の東側が崩落した稜線から水舟(みずふね)ノ頭を中心とした山並みが望めるのが救いだ。カクレグラも展望はなく、少し手前の稜線から東側に展望があるだけだ。山頂の少し手前から西尾根をなだらかに根気よく下り、巡視路分岐を過ぎて稜線を下ると鉄塔(R161)だ。八日市の田園地帯が眼下に広がっている。鉄塔(L160)を過ぎると急坂になり、沢に沿って下る。頻繁に巡視路マークがあり、小沢には鉄橋があって安心して歩ける。最後に渋川渡渉だが、増水のため飛び石伝いに渡ることもできず、裸足で膝まで流れにつかりながら渡って、林道の巡視路マークへたどり着いた。
増水、倒木など台風12号後遺症の残る山行だったが、幸い秋晴れに恵まれ清水峰から雨乞岳の展望稜線が素晴らしかった。ただ、雨乞岳周辺の笹薮コギは多少の覚悟が必要だ。武平(ぶへい)峠からよく登られているが、滋賀県側の甲津畑から歴史ある千種街道を経て訪れるのも変化があって捨てがたいルートだ。
(杉峠) (大木杉もない明るい杉峠)
(広葉樹林帯の佐目峠分岐)
(シャクナゲのヤセ尾根を進む)
(タイジョウ)
(急な岩稜をこわごわ下る)
(岩塊稜線を下る) (なだらか尾根をアップダウンが続く)
(カクレグラ三角点)
(銚子ヶ口から南へ続く稜線、北〜東〜東南をカクレグラ手前から望む)
(なだらかな稜線を下る)
(鉄塔(R161)から八日市田園地帯) (谷沿いに下る)
(巡視路の整備された橋) (増水した渋川を裸足で渡る) (林道の巡視路表示へ)
★道で出会った花
トリカブト(ツルベ谷) キンミズヒキ(清水頭) ゴマナ(杉峠)
トモエシオガマ(タイジョウ) キツネノマゴ?(タイジョウ) ヤマホトトギス(タイジョウ)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図 日野東部、御在所山
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