熊伏山(くまぶしやま)は諏訪大社と秋葉(あきば)神社を結ぶ秋葉街道の難所、青崩(あおくずれ)峠から登る長野・静岡県境近くの山だ。青崩峠はその名の如く中央構造線の崩落地帯で、現在のR152は峠をトンネルで迂回して兵越(ひょうこし)峠を越えて南信濃に入っている。青崩峠は信玄ゆかりの塩の道もあり、南アルプスの展望もよさそうなので訪れたが、主目標は翌日に水窪(みさくぼ)から黒法師岳(くろほうしだけ)へ登るための足慣らしのつもりだ。浜松から天竜川に沿って北上して秋葉神社近くを通り、天竜川支流の水窪川沿いに進むと水窪だ。今は浜松市天竜区となり、深南部の登山基地でもある歴史のある自然豊かな緑の町だ。コンビニはないが国道沿いにスーパーがあり食料調達に不便はない。R152をしばらく北上し、草木トンネル手前から青崩峠の表示に従って青崩林道を10分ばかり進むと、塩の道の石碑があって青崩峠の登り口だ。ここで林道は通行止めだ。
塩の道登山口から針葉樹林の石畳の遊歩道を信玄腰掛岩や茶店跡を見ながら進み、広葉樹林になると青崩峠だ。石仏や説明板のある峠から笹薮の尾根に整備されたコンクリ丸太階段を登る。北側の崩落崖上からは南信濃の谷間や、その彼方にはからずも訪れることになった鬼面山(きめんざん)も薄く望めた。ロープ場もある急坂尾根を登り、崖の上縁を登ると無線中継鉄塔のある平地だ。稜線を少し登ると南方に霞んでいるが遠州の山々が望めた。そのちょっと先の林間の平地が青崩ノ頭だ。美しいシラビソの尾根を登ると次のピークが観音山からの道と合流する前熊伏山だ。観音山は水窪の上所能(かみしょのう)から登山道のある静岡百山だ。
(R152の青崩峠分岐点) (青崩峠登り口)
(石畳の遊歩道を進む)