天気予報では奈良、三重県とも晴マークだったので高見山の大峠(おおとうげ)から木梶山(きかじやま)、伊勢辻山(いせつじやま)を周回の計画だ。月食から回復したばかりの明るい満月を眺めながら近畿高速を南下、高見トンネル手前から大峠をめざしたが崖崩れ通行止め、三重県側から大峠をめざしたがやはり峠手前で通行止めの表示だ。仕方なく、行ける所まで行ってみようと木梶林道に入り、薄く雪化粧した水溜りの多い地道をそろそろ進む。幸運にも、鳴滝(なるたき)の見える林道空地まで行くことができ、駐車した。続いて単独行の車が現れ、大ベテランのやぶこぎネットのグーさんだ。台高の主のような方で、色々助言を頂き、ベテランらしくさっさと支度をして、この積雪の中、明神平めざして出発された。僕は今年初めての雪道の準備に戸惑いながらやっと出発だ。
木梶川に沿って積雪5センチ位の林道を進み、木梶山登り口の雪面に書かれたグーさんの矢印通りに登り始める。なお、林道には赤ゾレから枝尾根を下る場合の渡渉点の矢印も雪面に記されていた。尾根端の急坂を登ると穏やかな稜線歩きとなり、徐々に積雪が増えていくとともに風も強くなり、木々に霧氷の華が咲き始めた。登山口から1時間ほど頑張ると木梶山三角点広場だ。以前に無雪期に2回来ているが全く記憶にない景色だ。梅尾に向かう稜線を東北に見送り、東南の稜線をたどる。小さなピークを越えて南へ方向を変える辺りから、西風をまともに受け、涙が止まらない有様だ。まばらに生えている木々も東へ傾いた樹形をしているところを見ると、ここは西からの強風地帯のようだ。稜線鞍部から足跡が出現、ゼエノ谷から登ってきたグーさんのものらしい。僕のGPS記録では出発7:43で吊尾根9:37、グーさんの記録では出発7:30で吊尾根9:20とあるので、登山道より早くワイルドな雪道を登られたとは驚きだ。見晴し抜群の尾根道のはずだがミルク色のガスのため黙々と進むだけだ。おなじみのブナの横たわった大木を過ぎてしばらく進むと馬駈ヶ場手前のピークだ。ここで足跡は馬駈け辻方向の矢印を残して東の林道方向へ消えていた。馬駈け辻に向かう西方向の稜線に入ると風も収まり白く濁ったブナ林は神秘的でさえある。足跡のない気持ちのよい稜線を進み、グーさんの助言に従って馬駈け辻の北面を迂回する。林立するブナ大木林が見事だが、斜面が急なので滑らないように注意して進む。馬駈け辻からよく通る縦走路だが雪道は初めてなので尾根を間違えないようにGPSチェックを怠らないように進む。凍てついた赤ゾレ池の傍を通ってススキ原を登る。
(木梶川沿いに木梶林道を行く)
(林道の木梶山登り口) (積雪の稜線を進む)
(徐々に積雪が増えていく) (風が強くなると咲き始める雪の花) (木梶山三角点)