明神岳(1432m)桧塚奥峰(1441m)桧塚(1402.0m)

 

★ひとこと   「大又から明神平を経てスノーシューで桧塚ピストン」

三ッ塚から大台ケ原を望む


★行った日   2012年3月14日(水) 快晴 単独

★コース

 高槻5:19(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R309、R169、R370、県道16、県道220)=7:44大又駐車場8:04→8:27林道終点8:36→明神滝9:33→水場10:16→10:31明神平10:49→三ッ塚11:09→(1432m)明神岳11:33→12:36(1441m)桧塚奥峰12:44→13:00(1402.0m)桧塚13:07→桧塚奥峰13:29→明神岳14:37→三ッ塚14:51→15:01明神平15:18→明神滝15:45→16:28大又駐車場16:37(県道220、県道16、R166、県道219、R166、R165、県道30)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻19:21

 厳冬期もやっと過ぎ日差しも柔らかくなり、登山口まで普通タイヤで入れそうになってきたので今年初めての台高で雪景色見物だ。大又(おおまた)から明神平(みょうじんだいら)を経てなだらかな霧氷輝くブナ林尾根をスノーシューで桧塚(ひのきづか)劇場?へたどる計画だ。吉野川に沿ってR169で大台方面へ進み、東吉野から大又方面へ向かってしばらく走り、残雪が路面に現れだすと登山者駐車場だ。3台の車が先着していたが、結果的に4台目の僕が最終便だ。
 目にしみるような青空のもと、まだ山陰の凍てついた林道をスノーシューを担いで出発だ。少し先の登山届けのあるゲートを過ぎて急坂の道を進むと林道崩壊現場だ。ここでアイゼンを付け、雪に埋もれた瓦礫や丸太を避けながら踏み跡をたどり、歩道橋を渡って右岸をしばらく進むと昔の林道終点だ。ここから明神谷沿いの何回も渡渉する山道に入る。両岸から渡したロープを掴みながら雪の積った飛び石伝いに沢を2回渡って右岸に戻ると半壊の旧あしび山荘下を通る。さらに、直ぐ先の完全倒壊したみなかみ山荘跡を横目に、木漏れ日の雪道を沢の斜面に沿って登り続けると両岸が雪に埋もれた明神滝が右に望める。滝の右岸を巻いて上り、昔の登山道の吊橋が倒壊したため迂回路で沢を渡渉して急坂を上るとベンチもある小広場だ。この辺りから霧氷が発達し、トチ、コナラ、ヒメシャラなどの落葉広葉樹の斜面をジグザグになだらかに登る道が続く。青空とキラキラ輝く霧氷とのコントラストが夢のような美しさだ。周辺の地肌が露出した水場を過ぎると間もなく明神平だ。東屋は雪に埋もれているのであしび山荘横の日だまりで風を避けて大休止だ。ここからスノーシューをつけ、雪原を好きなように跡をつけて歩き出すが、やはり先行者の跡のほうが省エネだ。緩斜面を上り詰め、三ッ塚(みつづか)で前山(まえやま)から薊岳(あざみだけ)方面を右に分け、左の稜線を明神岳方面へ向かう。南の霧氷の梢越しに、台高や大峰の峰々が望め、赤倉山(あかくらやま)から白鬚岳(しらひげだけ)へ伸びる稜線が眼前で招いているようだ。

  (まばらな残雪を踏んで出発)   (登山届のあるゲートを通る)   (ここ以降林道は崩落)

    (歩道橋を渡る)       (ここ以降数回渡渉を繰り返す)  (旧あしび山荘下を通る)

(木漏れ日の雪道を行く)           (明神滝)       (吊橋損壊のため迂回路で渡渉)

(ヒメシャラ林をジグザグに登る)(美しい霧氷の木漏れ日の道) (水場を過ぎると明神平はすぐ)

    (霧氷の雪道を行く)      (霧氷越に見える薊岳)     (明神平あしび山荘に到着)

  (明神平を三ッ塚へ向かう)   (途中から明神平を振り返る)   (三ッ塚へ雪原を行く)

                (三ッ塚から南方の大台ケ原方面を望む)

  三ッ塚から東へ伸びる右側が切れ落ちた稜線を、ちらちら大台方面を眺めながら穏やかに上り詰めると、尾根上の小突起が明神岳だ。直ぐ先で池木屋山(いけごややま)へ向かう台高縦走路を右に分け、ブナ林尾根を東へ下る。ブナやカエデの見事な霧氷林がなだらかな幅広の稜線に続いている。特徴のないなだらかな地形を右へ左へ曲がりつつ全体として東へ進むが、吹雪いた時など踏み跡も消え視界が利かない時はGPS必須ルートだ。P1394で左折して稜線を進むと尾根端が愛称桧塚劇場の桧塚奥峰だ。透明度の優れた積雪期の桧塚劇場は初経験だ、室生(むろお)から大峰に至る山々、特に台高の峰々の展望台だ。奥峰山頂からすぐ東に丸い桧塚が鎮座している。無雪期に青田発電所からナメラ山を経てこの尾根を歩いているが積雪期も素晴らしそうだ。奥峰から15分も尾根をたどると見晴しはあまりよくない桧塚だ。桧塚からの帰り道で奥峰を眺めながら大休止だ。

(三ッ塚から東の稜線をたどる)(霧氷の花咲く稜線を明神岳へ) (右が切れ落ちた稜線を行く)

(稜線上の小さなピークが明神岳)(千石山を右に分けて左へ下る)(見事なブナの霧氷林を行く)

  (判官平で90度方向転換)    (青空に映えるブナの梢)      (直ぐ先が桧塚奥峰)

                (桧塚奥峰から東方の桧塚方面を望む)

                (桧塚奥峰から南方の大台ケ原方面を望む)

      (桧塚奥峰)         (桧塚へ稜線を下る)     (稜線の成長したエビの尻尾)

     (前方が桧塚)          (桧塚三角点)         (桧塚から桧塚奥峰(左端))

 桧塚から、高見山から三峰山へ続く稜線を眺めながら、下って上り返して桧塚奥峰から明神岳めざして往路をなだらかに下る。明神岳への上り坂手前からズルして迂回しようと斜面をトラバースしたが、小さな谷筋などで難渋し、稜線へ戻ることにした。しかし、新雪の急坂上りはスノーシューでは難しく、スイッチバックができる余地があればよいが、直登や横歩きを試したが雪が崩れるだけ、最も良かったのは八の字開きの直登だった。体力不足で5歩進んで一休みして何とか稜線にたどり着いたが、僕にとっては新雪の急坂直登はスノーシューでは無理ということが判ったのが収穫だ。ただ、ブナ大木の木漏れ日の縞模様が描かれた新雪面の曲線美が何とも云えず美しかった。道草を食いながら無人の明神平に戻り、紺碧の空に映え渡る静寂な雪原を眺めていると恐ろしい位だ。スノーシューをアイゼンに履き替え明神平を後にし、最後の人達が帰り支度している駐車場へ帰着した。最後の1台になって出発、帰りは桜井経由で渋滞に遭遇しながら3時間弱もかかって帰阪した。
 きょうは丸一日快晴に恵まれ、まれにみる霧氷見物日和のなかでスノーシュー歩きができた。明神岳から桧塚へ続く陽光に映える霧氷のブナやカエデ林が美しく、積雪期の桧塚劇場の舞台装置は必見の価値ありだ。

                (桧塚から高見山〜三峰山へ続く稜線を望む)

    (桧塚奥峰へ戻る)      (明神岳へなだらかに下る)      (ブナ霧氷林を戻る)

  (明神岳迂回路を進む)     (新雪の急坂をトラバース) (ブナ林の急坂を喘ぎながら上る)

 (千石山分岐で踏み跡に戻る)   (三ッ塚から雪原を下る)     (明神平へ下る)

                     (明神平、前方は前山)

     (明神平を後にする)     (金剛山系を見て下る)         (左に見える薊岳)

  (霧氷の融けたヒメシャラ林) (みなかみ山荘倒壊跡下を通る)(1台だけ残っている駐車場へ)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大台ケ原・高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図  大豆生(まめお)

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