野伏ヶ岳(1674.3m)

 

★ひとこと   「白山中居神社からダイレクト尾根で山頂ピストン」

牧場跡の石碑付近から野伏ヶ岳を望む


★行った日   2012年4月8日(日) 快晴 単独

★コース

 高槻4:00(名神、東海北陸道)=高鷲IC(R156、県道314)=7:09白山中居神社前7:25→8:48石碑9:12→ダイレクト尾根出合9:57→10:24休憩10:30→11:50(1674.3m)野伏ヶ岳12:17→ダイレクト尾根出合13:11→13:43石碑14:02→14:53白山中居神社前15:03(県道314、R156)=白鳥IC(東海北陸道、名神)=高槻18:23

 以前から気になっていた奥美濃の名峰、野伏ヶ岳(のぶせがだけ)だ。夏道のないこの山は残雪期が登山シーズンであり、山スキーでも繁盛している300名山だ。越前街道R156から桧峠(ひのきとうげ)越えの県道に入る。雪解けの飛沫が朝日を浴びて虹のかかっている阿弥陀ヶ滝(あみだがたき)の前を通り、凍結を心配しつつ何とか通れた標高千米近い桧峠を下って石徹白(いとしろ)の集落を過ぎると杉の巨木が守っている白山中居神社(はくさんちゅうきょじんじゃ)だ。少し先の登山者駐車場は満車なので神社前の駐車場にスペースを見つけてとめ、スノーシューを担いで出発だ。蛇足だが、ここから石徹白道(いとしろみち)登山口へ向かう約7キロの林道は通行止め、開通は5月中旬頃だそうだ。
 だらだら坂を下って石徹白川(いとしろがわ)を渡り、さらに小白山谷(おじらみだに)を渡って石徹白川を右下に、時折頭を出す真っ白な芦倉山(あしくらやま)を梢越しに眺めながら雪の林道を進む。多人数のトレースのお陰で登山靴のままで沈み込みはない。山稜越しに白い野伏ヶ岳の頭が見える野伏覗き近辺から、九十九折れ林道のショートカットが多く、時々林道に出るが殆んど杉林の中を登る。落葉広葉樹の樹間から白い峰々を右に眺めながら稜線を上りきると急に視界が開け、出発して約1時間半で石碑がちょっと頭を見せている牧場跡の雪原だ。これから登る野伏ヶ岳が西にそびえ、北の別山、東の大日ヶ岳などが雪原をとり巻いて真っ白に立ち並んでいる様は神々しいようだ。トレースを見ると登山靴のままでまだいけそうだが、自由に歩けるようにここでスノーシューを履き野伏ヶ岳目ざして出発だ。東北稜方面に向かうトレースを右に分け、左山裾の平坦な道を西進、ついで、湿地帯を回り込むように南へ少し下ってからダイレクト尾根末端のちょっと上へ急坂を頑張って上る。最初はなだらかな疎林帯の稜線だが徐々に勾配はきつくなり、度々小休止を繰り返しながら登る。時々落ち込むことがあるがアイゼン派が多く、スノーシューは少数派だ。上り一辺倒のしんどい尾根だが、高度が高まるにつれて視界が広って素晴らしい景観だ。白山は陰だが銚子ヶ峰(ちょうしがみね)から別山に続く稜線や越美国境の峰々が姿を見せ始めた。

   (白山中居神社を出発)     (橋を渡って林道を進む)   (前方に白い山を見つつ進む)

  (日差しを浴びて林道を行く)   (所々で林道をショートカット)   (樹林越しに見える山並み)

(時々沈みながら雑木尾根を行く)   (牧場跡の石碑)     (野伏ヶ岳目差して雪原を進む)

            (牧場跡の雪原を取り囲む西〜北〜東〜東南の白き山々)

 (東北稜は正面の薙刀山方向へ)(ダイレクト尾根手前の湿地帯)  (ダイレクト尾根出合)

(稜線から大日ヶ岳を振り返る)   (SSでしんどい稜線登り)      (まだ遠い山頂)

            (ダイレクト尾根中間点付近からの北〜東〜南〜西の景観)

  幸いダイレクト尾根の雪質は適度に柔らかくアイスバーンの箇所はなかったので、アイゼンに履き替えることなくスノーシューで登り通せた。ダイレクト尾根北側の東面の急斜面をスキーヤーが軽快に下るのを眺めながら頑張り、石碑から約2時間半もかかってやっと野伏ヶ岳山頂だ。山頂は何もない雪面の小広場で文字通り360度の大展望だ。北には白山を中心とする山々、西には荒島岳や経ヶ岳など越前の山々、南には毘沙門岳(びしゃもんだけ)や能郷白山(のうごはくさん)など越美国境の山々、東には大日ヶ岳が望め、その彼方に乗鞍岳や御嶽山、更に北アルプスなどが浮かんでいた。昼が過ぎ少し遅めだが薙刀山(なぎなたやま)へ向かうつもりで北へ続く稜線を下り始めたが、すぐにスノーシューの刃が全く立たないアイスバーンだ。西風がまともに吹き付ける北尾根は素人には要注意だ。両サイドともつかまる物もない切れ落ちた急斜面なので怖ろしく、折角新規購入の10本刃を使うこともなく、山頂へ戻ってダイレクト尾根をSSのまま下り始めた。沈み込みがあってもアイゼンの壺足の方が楽なようだが、数回転倒しながら意地になってSSで下った。尾根途中で大きなスノボーを担いで登る女性を含む若いグループと出会ったが、挨拶時に交わす笑顔の若さがまぶしかった。ダイレクト尾根から湿地帯の横へ下り、牧場跡の石碑の所で最後の景色を眺めながら大休止だ。名残惜しい景観とおさらばして約1時間の林道歩きで白山中居神社へ帰りついた。帰りは白鳥へでて往路通りに帰阪した。
 野伏ヶ岳は予想通りしんどい山だが素晴らしい眺望の山だ。白山中居神社から樹林帯の中の林道を進み、牧場跡の雪原に出た時の感動は特筆ものだ。春山はSSや冬靴など重量物をつけて登るので体力のない僕にとっては夏山より消耗が激しいが、山頂からの真っ白な峰々の眺めが素晴らしく病みつきになりそうだ。

  (尾根の途中から振り返る)   (山頂はまだだいぶ先)     (ここは山スキーのメッカ)

    (山頂はもうすぐ)     (何もないが見晴し抜群の山頂) (山頂から薙刀山の先に白山)

       (野伏ヶ岳から白山を中心に北アルプスまで、西北〜北〜東〜東南を望む)

           (野伏ヶ岳から越美国境の山々、東南〜南〜西〜西北を望む)

 (薙刀山へ稜線はアイスバーン)(仕方なく往路の尾根を下る)   (ダイレクト尾根を俯瞰)

 (尾根出合から湿地帯へ下る)   (日を浴びて牧場跡を戻る)  (野伏ヶ岳を最後に振り返る)

 (林道の野伏覗きから山頂を)   (雪の林道を坦々と下る)   (ここから林道は通行止め)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  石徹白(いとしろ)、二ノ峰、下山、願教寺山

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