★ひとこと 「奥川並から谷山を経てブナ林尾根で展望の左千方へ」
P922付近から左千方を望む
★行った日 2012年4月15日(日) 晴後曇 単独
★コース
高槻4:44(名神、北陸道)=木之本IC(R365、県道285)=6:43田戸7:02→安蔵山登り口7:30→奥川並8:13→八幡神社跡8:32→8:50イワカガミ休憩8:59→9:45P706
9:52→(938.7m)谷山10:57→11:08休憩11:18→P922
11:43→P959
12:11→13:05(1196.8m)左千方13:22→P959
13:51→14:13P922 14:24→谷山14:56→P706
15:34→八幡神社跡16:07→奥川並16:14→安蔵山登り口17:03→17:28田戸17:39(県道285、R365)=木之本IC(北陸道、名神)=高槻20:10
半月前に初めて余呉(よご)の春山へ登った際に雪の稜線のブナ林が素晴らしかった。今回は雪解けが進んでいることを予想して出来るだけ奥の滋賀・岐阜県境の山で名前の響きのよい左千方(させんぼう)だ。奥川並(おくかわなみ)から谷山を経て左千方までピストンの計画だ。林道歩きが長く、緩み始めた残雪も重くしんどそうなので早朝出発、話題の丹生(にゅう)ダムのお陰で改良された県道で積雪のない田戸(たど)の林道分岐点に駐車、鎖ゲートを越えてスノーシューを担いで出発だ。
奥川並川右岸に沿って地道林道を進む。20分ほど行くと林道の山側に壊れかけた梯子や上に道がない梯子などが次々現れる。印はないが2番目がP467へ?、4番目が安蔵山(あんぞうやま)へ登る梯子だ。そのすぐ先で道路が陥没し雪が消えても奥川並までの開通は当分絶望だ。この辺りから残雪が目立ち始め、滑り台気味の残雪もあって、もっと前であればこわごわ渡る所だ。路面に切れ目なく多くの雪が残っているようになると奥川並集落跡だ。建物の残骸はなく雪に埋まった墓地と田畑が静まり返っているだけだ。取り付き点が判らないので、ここぞと思われる稜線下の杉林に入り込み、残雪上を適当に登ると突然に八幡神社の石碑が現れ、すぐ上には灯篭と社殿跡と思われる平地があり、以降、踏み跡と目印テープに導かれて急坂を登った。残雪のある杉林の登山道を過ぎて雑木林に入るとイワカガミが一斉に開花していたのが印象的だった。残雪が島となって点在する急坂のブナ林を喘ぎながら休み休み登りきると枝尾根の上に出て、そのすぐ先がP706だ。登る時には迷うことはないが、下りは枝尾根を直進してしまうので要注意だ。事実、下山時にちょっと直進して慌ててUターンだ。
(朝日を浴びて田戸を出発)
(鎖ゲートを越えて林道を進む)
(1番目の梯子は途中崩壊)
(2番目の梯子はP467へ?)
(3番目の梯子は上部道なし) (4番目の梯子が安蔵山へ)
(雪融け濁流の奥川並川)
(4番目の梯子の先で道路崩壊) (滑り台気味の残雪林道)
(奥川並に近づくと残雪多し) (奥川並の集落跡)
(奥川並廃村を過ぎて左へ)
(稜線を適当に上ると八幡神社跡)(残雪のV溝の急坂を登る) (イワカガミ群落のある雑木林)
(咲き始めたイワカガミ) (急なブナ林を登る) (P706に近づくと残雪豊富)
P706の樹間から遥かな左千方が姿を見せ、あまりに遠いのでしんどくなったら途中退却も考えつつ枝尾根を登り始めた。しばらく歩き易いブナ主体のなだらかなふかふかの稜線が続き、東側に見える左千方から神又峰に続く県境尾根を眺めながら登る。しばらく進むと等高線の混んだ辺りから残雪が点在するがちょっとした藪もある急なヤセ尾根になり、振り返ると堂々とした横山岳が鎮座し、正面には谷山が樹間から垣間見えている。最後に雪の急斜面を膝位まで没しながら登りきると谷山と思しきなだらかピークだ。三角点も表示も見当たらないので想像するだけだ。北の樹間から見える真っ白な上谷山(かみたにやま)は両翼が張ったなかなか格好のよい姿だ。P922手前の稜線の南側が開け、横山岳が目の前に居座り、その右には琵琶湖や谷山に続く安蔵山(あんぞうやま)など余呉の峰々が望めた。谷山からP959手前まで幅広稜線が続き、雪原に広がる太いブナの森が見事だ。
(P706)
(P706から左千方)
(歩き易いなだらか尾根を進む)
(稜線から谷山〜左千方〜神又峰を望む)
(薮もあるヤセ尾根を登る)
(振り返ると大きな横山岳) (正面の谷山へ登る)
(ブナ林の急坂を登る)
(何の目印もない谷山)
(谷山付近から上谷山)
(P922手前の展望稜線から南方を望む)
(ブナの美林稜線を行く)
(P922の展望稜線) (展望稜線から横山岳)
正面の左千方目指して稜線を進む。せいぜい10センチ位しか沈まないのでツボ足のままだ。よほどスノーシューを谷山辺りにデポしようと思ったが先の状態がわからないので担いだままだ。あまり重くはないが、積雪で歩行面が高いので木の枝によく引っ掛かりわずらわしい限りだ。余談だが、他の登山者の履いているのを見ると僕のよりずっとコンパクトで格好よく背中にちゃんと収まっている。それに反し僕のは背中からはみ出ているのだ。アメリカのど田舎で$119の安物を買ってきたせいか、体格のよい外人向けに沈下しないように大型なのかも知れない。しんどくなってきたが努力の甲斐あって段々左千方の姿は近くなり、P959辺りから急になってきた稜線をひーひー云いながら登る。頂上直下で残雪が途切れて藪コギだ。急な上りの薮コギは最も不得意とする所、擦り傷を作りながら雪面に出ると左千方山頂だ。雪原から三角点の頭が出ていたが表示は見当たらなかった。文字通り360度の展望だ、湖北や越美国境の山々を眺めているとここまで登ってきた苦労も吹き飛んでしまうようだ。山中毒の原因はここにありだ。時刻の余裕がないので、稜線を伝って三国岳に行きたい誘惑を抑えて、下山開始だ。急坂下りはアイゼンなしでは怖いので使い初めの10本刃だ。今まで6本刃しか持ってなかったが、さすがにしっかりして足元が違う感じだ。雪面が柔らかいからよいがアイスバーンになっていたらお手上げだ。これからたどる稜線を俯瞰しながら快調に下り、谷山でアイゼンを外して注意深く奥川並目指して下った。P706で少し枝尾根を行き過ぎるハプニングがあったが、無事下って八幡神社跡に安全を感謝し、使わなかったスノーシューが肩に重い長い長い林道歩きで田戸へ帰りついた。帰途、ウッディパル余呉でトレイルマップを購入、往路通りに帰阪した。
晴天に恵まれたきょうは春山のフィナーレを飾るに相応しい雪遊びだった。今年2度目の余呉の春山だが、稜線の雪原に続く立派なブナ林、山頂からのパノラマなど、興味の尽きない山だ。無雪期には薮コギに苦労する山だがウッディパル余呉の方々のお陰でトレイルが開かれつつあり、この時期は痛快な雪上散歩が楽しめる山域だ。
(稜線からまだまだ遠い左千方)
(だいぶ近づいてきた左千方) (P959から急な稜線を登る)
(ちょっとしたヤブ尾根もある) (左千方三角点) (三国岳方面へ伸びる稜線)
(左千方から360度の景観、東北〜東〜南〜西南を望む)
(左千方から360度の景観、西南〜西〜北〜東北を望む)
(山頂から急な尾根を下る) (これからたどる尾根を俯瞰) (谷山まで戻る)
(急なヤブ混じり尾根を下る)
(やっと八幡神社) (田戸へ帰着)
★道で出会った花
イワカガミ(神社上の尾根) ミヤマキケマン(林道)
ネコノメソウ(林道)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・2万5千分の1地形図 中河内、美濃川上
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