山上ヶ岳(1719.2m)勝負塚山(1245.8m)
★ひとこと 「上多古からワンステ尾で山上ヶ岳を経て勝負塚山周回」
投地蔵辻近くの饅頭岩
★行った日 2012年5月5日(土祝) 晴時々曇 単独
★コース
高槻3:47(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R309、R169、林道)=5:55赤い橋(駐車場所)6:03→林道終点6:43→7:41P927
7:47→多治良渕分岐8:06→9:28阿古滝上広場9:37→10:20休憩10:25→投地蔵辻11:04→11:34(1719.2m)山上ヶ岳11:47→洞辻茶屋12:30→13:07今宿跡13:15→13:40休憩13:46→14:51(1245.8m)勝負塚山14:59→水平道出合16:23→16:57赤い橋(駐車場所)17:04(林道、R189、R309、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻19:39
大峰山脈の盟主、山上ヶ岳だ。4年前に同じ上多古(かみたこ)から登ったが途中で道に迷って奥駈道に大幅に遅れて到着し、ワンステ尾から勝負塚山(しょうぶつかやま)周回は未達に終わったため、きょうはそのリベンジだ。きょうのコースは距離、標高差とも厳しいので余裕を見て早朝出発だ。昨年の豪雨渦以来どこの林道も通行止めを心配したが、上多古からR189を右折して勝負塚山の赤い橋の登山口まで無事入れた。
赤い橋を右に見て林道を直進、山の上の方が朝日に輝くのを眺めながら土砂崩れが修復された材木集積広場を過ぎると行人滝(ぎょうにんだき)だ。適度の水量があって新緑に映える姿はなかなかのものだ。少し先から荒れた地道林道となり、しばらく進むと倒木の巣だ。倒木を掻き分け乗り越えていくと出発して約40分で林道終点の金網橋だ。錆びたメッシュが抜けないかひやひやしながら渡るとすぐに杉林の急坂だ。大岩を廻り込んで少し上った所に祠があり、きょうの安全に手を合わせてから矢納(やのう)谷方向へ進まず、横目で左の矢納滝を眺めつつ尾根を直登する踏み跡をたどる。岩稜を巻く所もある急坂をフーフー云いながら休み休み上り続けると尾根上に達し、金網橋から約1時間でシャクナゲの咲くP927だ。蛇足ながら標高差300メートル1時間は僕の標準スピードだ。少しなだらかになったトラバース道を進み、オオサンショウオが薄く口を開けているような大岩の岸壁下を通り、急な尾根を登り続けると多冶良(たじら?)渕分岐だ。表示通りに左の阿古滝(あこだき)方向へ進む。
(赤い橋を右に見て直進)
(材木集積広場手前の土砂崩れ跡)
(行人滝から地道林道)
(新緑に映える行人滝)
(倒木を乗り越え掻き分けて進む)
(林道終点から金網橋へ)
(錆びた金網橋をこわごわ渡る)
(杉林の急坂を登る) (左に見える矢納谷の矢納滝)
(祠から急坂を上り続ける)
(岩稜を越える所もある)
(P927付近に咲くシャクナゲ)
(ガマの口の様な大岩の下を行く)
(急坂を登り続ける) (多治良渕分岐を左へ)
多治良渕分岐から阿古滝まで間違い易い道が続くので注意深くテープを拾いながら進む。倒木に覆われた小沢の向こう側のテープを目標に障害物を避けたり、急坂のため避け切れないときには乗り越えたりしながらさながら障害物レースだ。時には小奇麗な谷間に目を細めながら進み、阿古滝手前の尾根先端で、4年前に地滑り跡を避けて山側に逃げて大回りした所を今回は何とか倒木を乗り越えて直進。急坂のトラバース道を塞ぐ倒れた蔓の薮と格闘してやっと通り過ぎると庭園のような広場が現れ、そのすぐ先が阿古滝上流の絶景広場だ。滝見物はあきらめ、流れを渡って地蔵尾根に取り付く。芦生杉(あしうすぎ)のような巨木杉の多いシャクナゲ尾根だ。登るにつれてコメツガやシラビソが多くなり、上り一辺倒の尾根がなだらかになると奥駈道との出合が近い。地蔵尾根にもテープが間断なく付いている。上に木の生えた大きな饅頭岩(勝手に命名)を過ぎると投地蔵辻(なげじぞうつじ?)だ。ここからさながらハイウエーの如き奥駈道を北上、正面の山上に大峰山寺の屋根を眺めながら稜線を進み、最後に少し上ると10人位の人が休憩中の大峰山寺本堂前広場だ。広場南端から振り返ると登ってきた地蔵尾根が尾を引いている。
(シャクナゲの多いトラバース道)(歩き易いトラバース道もある)
(倒木の障害物レース道)
(シャクナゲを掻き分け進む) (小奇麗な小沢を渡る)
(谷間の倒木を乗り越える)
(急坂の倒れた蔓薮と格闘) (庭園のような広場が出現) (阿古滝上流の絶景広場)
(巨木杉の株の多い地蔵尾根)(清々しい巨木広葉樹の森を行く)(なだらかになると投地蔵辻)
(投地蔵辻で奥駈道合流) (さながらハイウエーの奥駈道)
(眼前に見える大峰山寺)
(ミヤコザサの美しい稜線の道) (左に見える稲村ヶ岳) (山上ヶ岳中腹から振り返る)
本堂で手を合わせてから裏山の三角点に寄り、下の芝生で稲村ヶ岳や尖がり帽子の大日山を眺めながらの大休止だ。きょうは晴天の連休とあってお参りの白装束姿の人も多く、すれ違いには「よう、お参り」の挨拶だ。妙覚門(みょうかくもん)(登って来る時の最終門)からしばらく下ると西の覗(にしののぞき)の行場だ。西の覗きの岩頭からは雄大な景観だが、霞のため遠望が利かなかった。行場では白装束の若者が行者に確保されながら岩頭に身を乗り出して「親孝行をするか!」の問いに「はい!します、します!」と絶叫していたのが印象的だった。鐘掛岩(かねかけいわ)をバイパスして奥駈道を下り、洞辻(どろつじ)茶屋で洞川(どろかわ)を左に分け、急に人がいなくなった稜線を直進。歩き易い奥駈道を進み、蛇腹(じゃばら)の鎖場を下って少し進むとブナ林が綺麗な今宿(いましゅく OR いまじゅく)跡だ。稜線を直進すると五番関(ごばんぜき)だが、勝負塚山は東の稜線に入る。
(大峰山寺から登ってきた地蔵尾根)(もうすぐ大峰山寺)
(大峰山寺本堂)
(山上ヶ岳三角点) (山頂から妙覚門へ参道を下る)
(西の覗)
(西の覗の岩峰から西方を望む、右は絶叫中の若者を撮っているところ)
(鐘掛岩をバイパスして下る)
(洞辻茶屋から吉野へ直進) (美しい広葉樹林尾根を行く)
(蛇腹の岩場を下る) (大木の並ぶ稜線を行く) (ブナ林の美しい今宿跡)
しばらくだらだら坂の疎林帯の稜線をアップダウンしながら進む。ブナ林など美しい稜線が続き、台高山脈が望める展望尾根を過ぎ、迷いピークを越えて調子に乗って美林尾根を進んだ。次のピークP1354でやっと北へ進んでいる事に気がつき、慌てて前のピークまで戻って、急坂の古木の多い尾根を下った。4年前と同じ間違いだ。ちゃんとテープが沢山付いていたのを見落とした様だ。稜線を下ってから薮っぽい尾根を上り返すと小さな平地のある勝負塚山三角点だ。見晴は殆んどない。山頂からは下りばかりで距離もたかが知れてるので簡単に考えて下山を始めたが、これが間違いでゆうに2時間はかかる難路だった。当初は想定内のシャクナゲの茂る薮っぽい急坂の尾根下りだが、杉林に入ると明確な踏み跡は消え、杉林の急な砂礫帯の滑り下りだ。時々現れるテープにほっとしながら荒れた急坂を下り続け、杉林から自然林に入ると更に始末が悪くなり、急な小沢を渡る所で枝の張った倒木が通せんぼだ。沢はつるつる岩なので迂回できず、悪戦苦闘してやっと抜け出し、水平道に下り立った。ここでほっとしたがまだ難関が待っていた。所々崩れ落ちた水平道を進み、以前は飛び降りた所には梯子が付き安全に進んだ。水平道が細い道になった所で小滝を渡る所があるが、以前は手摺の丸太が渡してあったが、いまは手がかりはなく、水の流れる岩を支えにやっと渡ったが、きょうのコースで一番肝を冷やす所だった。水量が多いと万事休す、大きく迂回するルートを探す必要ありだ。すぐ先でまたまた急な砂礫帯を滑り下ると取水施設だ。6年前は登山口の表示があったように記憶しているが今は何もなかった。ここから少し下ると赤い橋にでて何とか11時間の長丁場を歩き終えた。
天候に恵まれて新緑薫るワンステ尾を、倒木や崩落に悩まされながら登って、阿古滝上流の美しい樹林などを楽しむことができた。阿古滝までが標高差以上にしんどく地蔵尾根の長い上りは休み休みヘロヘロ状態で登った。今宿跡から迷いピークまでの素晴らしい稜線漫歩は素敵だったが、勝負塚山頂上からの下りは、所々テープはあるが間違い易く大変な難路で、それまでに体力を使い果たしてふらふらになって下山した。
(今宿跡から東の稜線に入る) (展望尾根もある)
(ブナ林の幅広稜線を行く)
(迷いピークから古木尾根を下る) (狭い勝負塚山三角点) (薮っぽい尾根を下る)
(シャクナゲ尾根を下る) (杉林の急な砂礫を滑り下る) (水平道出合)
(小滝を横切る) (取水施設へ滑り下る)
(赤い橋へ帰着)
★道で出会った花
ミヤマキケマン(金網橋) ミヤマシキミ(阿古滝上) シハイスミレ(洞辻茶屋)
ミヤマカタバミ(洞辻茶屋) ヒメイチゲ(洞辻茶屋) ヒメイチゲ(洞辻茶屋)
ヤマルリソウ(今宿跡) シャクナゲ_蕾(勝負塚山) シャクナゲ_開き始め(勝負塚山)
シャクナゲ_開花(勝負塚山) ムラサキケマン?(取水施設) ミヤマハコベ(取水施設)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 大峰山脈
・2万5千分の1地形図 洞川(どろかわ)
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