野坂岳(913.5m)芦谷山(865m)三国山(876.3m)

 

★ひとこと   「山を起点に野坂岳から三国山へ続く稜線漫歩」

敦賀市御名から野坂岳を望む


★行った日   2012年6月11日(月) 晴後曇 単独

★コース

 高槻3:25(名神、北陸道)=敦賀IC(R27、県道211、黒河林道、アラ谷林道)=5:52林道通行不能地点(自転車デポ)5:55=6:18山登山口6:27→第1鉄塔7:00→第2鉄塔7:13→第3鉄塔7:37→7:57山分岐8:05→第4鉄塔8:08→8:55(913.5m)野坂岳9:07→山分岐9:39→9:56(727m)茶屋谷山10:03→10:52(865m)芦谷山11:01→庄部谷山分岐11:25→12:09最低鞍部12:19→13:11北鉄塔13:20→13:54(876.3m)三国山13:59→14:44黒河峠下14:50→林道通行不能地点15:21(黒河林道、アラ谷林道)=自転車(8km)=16:17山登山口16:24(アラ谷林道、県道211、R8、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻18:52

 江若国境の中央分水嶺から三国山で分かれて北上する稜線を、北端の野坂岳(のさかだけ)から南へたどる計画だ。数年前の「岳人」誌で静かな稜線歩きとして紹介され、ネット情報も豊富なルートだ。最新の黒河(くろこ)林道の状況が不明だったので余裕を見て早朝出発だ。R27から山頂付近に雲をかぶった野坂岳を眺めながら敦賀市の御名(ごみょう)を南下、山集落で山登山口を右に分けて地道になると黒河林道だ。通り抜け不能の表示のある林道を黒河川に沿って進むと、山集落から約7キロの楓祇渓(ふうしけい)橋の先でがけ崩れのため通行不能だ。ここで自転車をデポ、山集落まで戻って、アラ谷林道を約1キロさかのぼると林道終点の数台駐車可能な山登山口だ。
 巡視路の鉄板橋を渡ると杉林の沢沿いに立派な道が続いている。沢を渡渉すると本格的な尾根端の急坂となり、ジグザグに登る。尾根上に達すると第1鉄塔だ。敦賀市街を足下に眺めながら第2鉄塔を過ぎ、広葉樹の尾根を登り続けると登山口から1時間半で主稜線出合の山分岐点だ。主稜線を南へ少し下って登り返し、第4鉄塔を過ぎて美しいブナ林尾根を登って小ピークを越えてしばらく進むと小灌木帯だ。見晴しのよい尾根道を登ると山頂手前に大石が点在し、山頂よりここからの展望が抜群だ。遠望は利かなかったが、眼下に敦賀の市街が広がり、これから向かう三国山が琵琶湖と共に霞んでいた。すぐ先が方位板もある1等三角点広場だ。広場の南隣には祠が祀られた避難小屋が建っている。

    (林道終点の山登山口)   (巡視路の鉄板橋を渡る)    (杉林の沢沿いの道を行く)

    (沢を渡渉する)     (急坂をジグザグに上る)        (第1鉄塔で稜線へ)

  (見晴しのよい第2鉄塔)   (第2鉄塔から敦賀市内を望む)     (ブナ林を上る)

 (第3鉄塔から岩籠山を望む)   (山分岐点で主稜線出合)    (主稜線を北上する)

   (見事なブナ林を登る)      (小灌木帯を登る)       (振り返ると岩籠山の山稜)

              (野坂岳から東北〜東〜南〜西南を望む)

     (野坂岳一等三角点)        (眼下に見える敦賀市街)     (これから向かう遠い三国岳)

 山分岐まで戻り、主稜線を南下だ。幅広いブナ林の稜線を山分岐から30分ばかり進むと茶屋谷山だ。多少薮っぽい所もあるが律儀にテープもあって歩き易い尾根だ。ここから約1時間の芦谷山までブナ林が続き、小鳥のさえずりを聞きながら静かな稜線歩きが楽しめる尾根だ。芦谷山近くの樹間から右に庄部谷山(しょうぶたにやま)が、正面に三国山が遠くに望めた。ここから庄部谷山分岐を経て最低鞍部までの1時間は下り一辺倒の尾根だが、途中2つのピークを越える際に幅広尾根の地形が複雑で踏み跡も明確でないため、誤った尾根に入り易く細心の注意が必要だ。実際に、最低鞍部近くでは迷いながらルートを探しつつ薮コギや倒木を越えて下った。最低鞍部から東へ谷筋を下ると黒河林道の楓祇渓橋へ下れる筈だ。三国山へ向かって南の稜線を上るとV溝の道が現れ、倒木が多くて歩き難いが蛇行しつつ程よい勾配で尾根を登ることができる。ブナ林を過ぎると展望の良い北鉄塔だが、天候が悪化しつつあって周りは霞がかかった感じだ。すぐ先の南鉄塔を過ぎてブナ林に入ると猫と小鳥の鳴き声が合わさったような「フギャー!フギャー!」という声が急に響いてきた。注意して見ると葉陰に産まれたばかりの鹿の子模様もまだない薄黒い鹿の赤ん坊だ。多分、近くで母親がいるに違いないと思って、離れた所から数枚撮っただけで、丈夫に育つことを願いながら足早にそこを離れた。ここから薮に迷い込んでしまい、しばらく薮コギ後踏み跡に合流し、少し進むと見晴しのよい三国山北峰だ。ちょっと先が三国山三角点だが、今年4月の春山とは大違いだ。春山では大展望の雪の尾根のてっぺんに立ってどこが三角点か分からなかったが、今は周りの灌木が生長して殆んど視界は利かなかった。展望は北峰がお勧めだ。三国山からいつもの登山道を下り、林道出合から林道を下って黒河峠のすぐ下で黒河林道に合流し、約30分の落石と倒木の多い林道歩きで崖崩れによる林道通行不能地点だ。ここでチャリンコをゲット、所々で道端の水溜りの上の木に点在するモリアオガエルの卵泡を眺めながらの黒河林道下りは快調だったが、山集落から山登山口までの標高差100メートルの上りがしんどく、最後の力を振り絞って車へ帰り着いた。帰りは渋滞にも遭わず琵琶湖西岸から帰阪した。
 野坂岳山頂からの展望もさることながら三国山へ続く稜線の静かな落葉広葉樹の森が素晴らしかった。きょうのコースは、最低鞍部手前ピークで迷いやすい所があったが目印テープを確実に拾っていけば迷うことはない。気温が比較的高く汗だくで歩いたため最低鞍部からの上りが厳しく、しんどい長距離ルートだ。

 (山分岐から広いブナ尾根を南下)  (薮っぽい茶屋谷山)     (美しいブナ林を行く)

       (芦谷山)         (芦谷山から庄部谷山を望む) (まだ遠い三国山と琵琶湖)

  (ヌタ場もある庄部谷山分岐)    (倒木の急坂を下る)         (最低鞍部)

     (V溝山道を登る)        (ブナ大木林もある)    (南鉄塔から北鉄塔を望む)

   (南鉄塔から乗鞍岳を望む)    (爽やかな樹林帯を行く)        (産まれたばかり鹿の赤子)

  (踏み跡を見失って薮コギ)   (見晴しのよい三国山北峰)  (見晴しの悪い三国山三角点)

       (木道を下る)               (林道出合)            (黒河林道通行不能箇所)

★道で出会った花

    コナスビ(山登山口)      アオダモ?(第2鉄塔)      トチノキ(山分岐)

    オンツツジ?(山分岐)    ヤマボウシ(野坂岳)          ?(野坂岳)

    タニウツギ(野坂岳)       ヒメハギ(野坂岳)         ニガナ(野坂岳)

    ギンリョウソウ(茶屋谷山)  サラサドウダン(三国山)     ベニドウダン(三国山)

   タニウツギ(黒河林道)     コアジサイ(黒河林道)      ヤブテマリ?(黒河林道)

★ルート断面図


★地  図
(1)山登山口〜芦谷山                (2)芦谷山〜黒河林道

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  敦賀、駄口(だぐち)

Homeへ