籾糠山(1744.3m)

 

★ひとこと   「天生峠から自然豊かな湿原と原生林の山」

天生湿原


★行った日   2012年6月23日(土) 曇時々晴 単独

★コース

 高槻5:12(名神、東海北陸道)=白川郷IC(R360)=9:28天生峠駐車場9:38→天生湿原入口10:02→カラ谷分岐10:18→水平分岐10:54→籾糠分岐11:12→(1744.3m)籾糠山11:40→11:45休憩11:57→籾糠分岐12:14→カラ谷分岐12:49→天生湿原入口13:04→13:24天生峠駐車場13:30(R360、R156)=五箇山14:50

 籾糠山(もみぬかやま)は岐阜県最北部に位置し、富山県境に近い白川郷の雪深い山だ。天生(あもう)湿原の匠神社の掲示によれば、この珍しい山名は匠(たくみ)伝説由来だそうだ。6月上旬に開通するR360の天生峠の大駐車場に登り口があり、付近一帯は天生県立自然公園として湿地帯や原生林が保護されている。また、天生峠は泉鏡花「高野聖(こうやひじり)」の舞台としても有名であり、エッチな旅人を牛馬に変える妖怪が住み、山蛭が降ってくるような鬱蒼とした山道を印象づけられていたが、いまは車の行き交う明るい峠道だ。白川郷ICから1車線のくねくね道を約30分上りつめると標高1290メートルの天生峠駐車場だ。登山口で自然保護協力金500円を支払って遊歩道に入る。
 丸太階段を上り、樹林を進むと遊歩道から東北方向に剱岳から奥穂高岳までの北アルプスの山稜が望める。しばらく行くと天生湿原入口があり、湿原東側の探勝路を進むと湿原の中の島に匠神社が祀られ、籾糠山の由来が掲示されている。ミズバショウは大きな葉っぱになっているがタテヤマリンドウが満開の湿原を進むとカツラの大木があるカラ谷分岐だ。水平探勝路を左に分け、カツラ、サワグルミやブナの大木が茂るカラ谷に沿って直進、頭上に木を生やしただるま石を過ぎ、少し進むとカツラの大木が林立するカツラ門だ。この辺りから残り花が目立ち始め、花を付けたキヌガサソウが群生し、散り始めたサンカヨウが足元を彩っていた。

     (天生峠駐車場)         (籾糠山登山口)       (樹林の丸太階段を登る)

(登山道から北アルプスを望む)     (天生湿原入口)       (緑の濃い天生湿原)

  (タテヤマリンドウの花盛り)  (谷筋に咲くキヌガサソウ群落)  (湿地に咲くリュウキンカ)

   (湿地帯を木道を行く)         (カラ谷分岐)        (ブナの大木原生林)

       (だるま石)          (カツラ巨木群)           (水平分岐)

 水平分岐で左から来た水平探勝路を合せ、巨木の中の急な丸太階段を上ると籾糠分岐だ。右から来たブナ探勝路を合せ、オオシラビソ林もある急な丸太階段を登りつめると籾糠山三角点だ。山頂から東側の展望が開け、あす訪れる予定の金剛堂山(こんごうどうさん)を初め、北アルプスから御嶽山まで峰々が並んでいるさまは壮観だ。すぐお隣の猿ヶ馬場山(さるがばんばやま)へ続く稜線には夏道はなく、残雪期に白川郷から訪れるようだ。山頂は狭く10人位でいっぱいなので下山途中のスペースで大休止だ。自然公園には、東側から水平探勝路、カラ谷登山道、ブナ探勝路の3本の道があり、籾糠分岐から西側のブナ探勝路を下った。天生湿原の西側の遊歩道を下ったが、途中で出会った案内人の話では、今年はコバイケイソウの花は殆んど見かけないとのことだ。湿原入口から往路通りに駐車場へ帰着、白川郷のコンビニで明日の昼食を仕入れて五箇山(ごかやま)へ向かった。
 ミズバショウなどの水生植物の群生する高層湿原、沢筋の高山植物、ブナ、カツラ、ミズナラなどの亜高山帯の巨木原生林、山頂からの展望など籾糠山を中心とする天生自然公園は手軽に行ける素晴らしい所だ。4〜5時間で往復でき、危険な所もなく道標も完備した遊歩道が山頂まで通じている。

  (広葉樹の森の急坂を登る)        (籾糠分岐)             (急な丸太階段で山頂へ)

              (籾糠山から北アルプス方面、北〜東を望む)

              (籾糠山から御嶽山方面、東〜南を望む)

 (賑やかな籾糠山三角点広場)    (原生林を下る)       (天生峠から下り道の白山)

★道で出会った花

    タニウツギ(登山口)      ベニドウダン(登山口)      ツマトリソウ(湿原)

    タテヤマリンドウ(湿原)    バイカオウレン(湿原)      ウワミズザクラ?(湿原)

     ニリンソウ(湿原)       キヌガサソウ(カラ谷)       エンレイソウ(カラ谷)

サイゴクミツバツツジ?(カラ谷)  ミヤマナルコユリ(カラ谷)     サンカヨウ(カラ谷)

  ギンリョウソウ(水平分岐)    ヤブテマリ?(水平分岐)      タムシバ(籾糠山)

   ツバメオモト(籾糠山)      コヨウラクツツジ(籾糠山)   ゴゼンタチバナ(籾糠山)

 マイヅルソウ(ブナ探勝路)     ユキザサ(ブナ探勝路)  ラショウモンカズラ(ブナ探勝路)

 花のないコバイケイソウ(湿地)    ツボスミレ?(湿地)      リュウキンカ(湿地)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  鳩谷、平瀬

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