★ひとこと 「熊渡から弥仙川を経て狼平経由カナビキ尾根へ」
吊橋から一ノ滝を望む
★行った日 2012年9月2日(日) 曇後時々雨 単独
★コース
高槻3:28(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R309)=5:20熊渡5:35→白川八丁分岐6:08→取水ダム6:38→7:05河原で休憩7:12→7:42一ノ滝テラス7:55→8:32急坂途中で休憩8:40→9:21双門滝テラス9:32→10:26川岸で休憩10:34→11:00河原小屋跡11:07→二股12:13→12:45狼平小屋13:00→明星ヶ岳分岐13:19→カナビキ尾根分岐14:04→14:30休憩14:38→林道始点15:07→白川八丁分岐15:11→15:36熊渡15:43(R309、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻駅18:08
八経ヶ岳(はっきょうがだけ)を源流とする弥仙(みせん)川は滝や絶壁をぬう探勝路が有名だ。熊渡(くまど)を起点に弥仙川の白川八丁(しらかわはっちょう)からさかのぼり、渓谷美を堪能し、狼平(おおかみたいら)を経てカナビキ尾根で下山の計画だ。夕方から崩れるとの天気予報に従って、夜明けと共に登れるよう早朝出発だ。
車数台がとまっている熊渡の道路わきに何とかスペースを見つけて駐車し、林道の車止めをまたいで歩き出した。以前は奥まで車で入れたが(2006年)、今は所々で決壊して荒れ果て、歩き難い林道を30分余進むと白川八丁分岐だ。左へ荒れた林道をしばらく下ると弥仙川の河原にでて、涸れた河原歩きが始まる。徐々に河原のゴロ石も大きくなると共に水面が現れ、左岸の岩壁の矢印に従い右岸の「双門弥仙線歩道」標柱から桟道へ入る。この辺りから、弥仙川は数回目という和歌山のHさんと一緒になり、ともに歩くので心強い限りだ。すぐ先の右下辺りが釜滝(がまたき)と思われるが確証なし。弥仙河原歩きを始めて約30分でダム堰堤だ。ほとんど土砂で覆われているが、川迫(こうせ)川の弥仙発電所の取水施設だ。この辺りから鎖場や桟道が頻繁に現れ、渡渉を繰り返しながら、川縁の高みを迂回したり、川底の大石を乗り越えたりしながら進む。ダムから30分ほど進むと左岸の大石の上辺りに桟道が現れ、しばらく左岸の岩壁沿いに進むと前方に一ノ滝、二ノ滝がかかる岩壁上の展望テラスだ。休憩の適所だが落ちたら大変だ。少し戻って吊橋で右岸へ渡り、ガレ場の急坂を登ってから長い梯子を乗り継いで岩壁を登る。この辺りは弥仙川の喉笛にあたり、一気に高度を上げる険しい地形だ。展望のよい梯子場の途中から振り返ると、一番奥に観音峰、その手前にカンスケ尾-ミオス尾から稲村ヶ岳と連なる尾根、最も近くにトサカ尾の稜線が望める。頂上から少し下ると滝見台の小広場、仙人ぐら前テラスだ。仙人ぐらの岩壁にかかる細い一条の滝が名瀑100選の双門(そうもん)滝だ。テラスからさらに稜線を登り、崩落した以前の桟道や梯子を見ながら迂回路を登り続けると迷ヶ岳から西北に伸びる枝尾根を越える。地形図を見ても枝尾根から迷ヶ岳ピークまで難所はなさそうだ。
(熊渡から林道へ) (白川八丁分岐)
(弥仙川の涸れた川原を進む)
(川原に大岩が増える) (矢印通りに右岸へ渡渉)
(桟道歩きが始まる)
(取水ダム) (桟道や梯子が続く)
(川原の大石を越える)
(左岸の桟道へ上りつく) (左岸の岩壁下を行く)
(一ノ滝と展望テラス)
(一ノ滝と二ノ滝(奥)) (滝前の吊橋を渡るHさん)
(ガレ場の急坂を登る)
(次々長い梯子を上る) (観音峰山(奥)とミオス尾、トサカ尾) (双門滝テラス:滝見台)
(細い流れの双門滝) (急坂の鎖場を登る) (迷ヶ岳の枝尾根を越える)
稜線から高度差100メートルほど下ると河原へでて、しばらく進むと河原小屋跡だ。2年前に来たときはナベの耳からここへ下り、迷ヶ岳西尾根を登って鉄山・弥仙ルートに合流したが、それがここへくる一番楽なルートのようだ。ちょっと先の左岸の山が深層崩壊?し、数百メートルの高さの稜線から垂直に地肌が露出し、土砂が弥仙川を埋め尽くし、流れが変わり河原小屋も押し流されてしまったと思われる。ここでHさんと別れ一人旅だ。大岩が累々と堆積する崩壊現場下を乗り越え、左岸右岸と渡渉しながら30分ほど進むと桶ノ谷(おけのたに)出合の二股だ。この辺りから降り出した雨の中、巨岩が折り重なる右股の急な沢筋を登り、雨に濡れた鎖梯子に取り付く。濡れて滑り易い岩場に注意しつつ、植込みボルトの難所、聖門ノ滝(しょうもんのたき)の廊下を抜けると登山道との合流点はすぐだ。吊橋を渡って狼平小屋に飛び込み合羽を脱いでやっと一息だ。外観だけでなく内部も清潔な過ごし易そうな小屋だ。ここから弥仙をピストンのつもりだったが、雨で意気消沈すると共に見晴しも悪そうなので中止だ。すぐに雨も上がり、吊橋のたもとで下り通行禁止の弥仙川ルートを右に分け、川合(かわあい)方面へだらだら坂を登る。シラビソや苔の美しい道を通り、本日最高点で明星ヶ岳(みょうじょうがだけ)からの道と合流して直進だ。頂仙岳(ちょうせんだけ)の裾をトラバース気味に下り、ナベの耳を直進してカナビキ尾根から熊渡へ向かった。テープに導かれて尾根を下るが、ただ1箇所、尾根中央に倒木の根がある所で直進せず左へ下るのが注意点だ。途中でまた雨が降り出したが、道がよいので傘をさしてらんらん気分で下った。分岐から1時間も下ると林道始点だ。ここから退屈な約30分の林道歩きで熊渡帰着だ。熊渡では日もさし始め若者らが川迫川で水遊び、夏休み最後の休日を楽しんでいるようだ。
蒸し暑い日々が続いているのできょうは谷筋だ。生憎の空模様だったが、ここは展望はあまり関係なく、近景の岩場の風景が対象だが、濡れた岩場には注意を集中した。岩壁にかかる滝や河原を埋め尽くす大岩など、静的な渓谷美ではなく躍動的な景色が感動的だ。梯子場や大岩越えなど上り下りが多いため単純高度差よりもしんどいルートだ。途中でご一緒したHさんのお陰で楽しく歩けました。有難うございました。
(緑の斜面を河原へ下る) (大岩ゴロゴロの河原小屋跡) (深震層崩現場の堆積岩石)
(渡渉を繰り返して上流へ) (美しい渓谷の風景)
(桟道や梯子場が続く)
(二股で右の急流を登る) (雨の鎖梯子を上る)
(雨の植込みボルトの桟道)
(聖門ノ滝ノ廊下) (狼平の吊橋を渡る)
(内部も清潔な狼平小屋)
(弥仙川の下りは通行禁止)
(シラビソ林をなだらかに進む) (緑の絨毯の道を行く)
(カナビキ尾根分岐) (直進せず左へ下る)
(林道始点を振り返る)
★道で出会った花
シラヒゲソウ(河原小屋跡) オトギリソウ(二股) モミジガサ(二股)
キオン?(二股) サラシナショウマ(二股) アキノキリンソウ(二股)
メタカラコウ(二股) ヤマトリカブト?(狼平) ヨウシュヤマゴボウ(林道)
★ルート断面図
★地 図
(1)熊渡〜一ノ滝 (2)一ノ滝〜狼平
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 大峰山脈
・2万5千分の1地形図 弥仙(みせん)
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