★ひとこと 「川床から大休峠を経てユートピア小屋経由元谷へ」
象の鼻から三鈷峰を望む
★行った日 2012年10月6日(土) 曇時々晴
単独
2012年10月7日(日) 雨時々曇 単独
★コース
(10月6日)
高槻4:24(中国道、米子道)=溝口IC(県道45、県道158、県道30)=夏山登山口(自転車デポ)7:44=7:58川床8:14→香取分岐8:56→10:04大休峠10:24→11:20(1344m)野田ヶ山11:30→親指ピーク12:02→12:35休憩12:46→13:02(1452m)振子山13:16→13:55ユートピア避難小屋14:16→(1653m)天狗ヶ峰手前14:44→ユートピア避難小屋15:06→(1546m)三鈷峰15:18→ユートピア避難小屋15:34
(10月7日)
ユートピア避難小屋6:41→上宝珠越6:59→7:49水場7:55→大堰堤8:02→夏山道合流8:48→9:02六合目9:15→夏山登山口10:12=雨の自転車(4.2km)=11:00川床11:27(県道30、県道158、県道45)=溝口IC(米子道、中国道)=高槻14:51
(10月6日)
久しく利用したことのない避難小屋泊りで大山だ。川床(かわどこ)から大休峠(おおやすみとうげ)を経てユートピア避難小屋で一泊、元谷(もとたに)を下ってから夏山道で弥山(みせん)に登ろうとしたが雨のため途中から下山した。このコースは元谷まで水場がないため、15キロになったザックを担いで登れるか、今後の山行の試金石だ。ユートピア避難小屋を起点に、三鈷峰(さんこほう)や天狗ヶ峰(てんぐがみね)界隈をぶらつきたかったので早朝出発、夏道登山口に自転車をデポ、川床登山口前の4、5台分のスペースは満杯なので手前に空地を見つけて駐車だ。
川床登山口から大休峠まで、一向ヶ成(いっこうがなる)に向かう整備された中国自然歩道を歩く。阿弥陀(あみだ)川を渡った所で阿弥陀滝へ向かう難路を右に分け、稜線へ向かってジグザグに登るとほどなくブナ林稜線のなだらかな遊歩道だ。香取(かとり)からの道を合わせ、キノコ採りの小父さんと話しながらブナやミズナラの高木の気持ちのよい道を進む。大谷を過ぎると大山寺参道として近在から17世紀に寄進された石畳道が始まり、しばらく進むと大休峠だ。トイレもある避難小屋内部は美しく、前の広場からはこれから向かうユートピア避難小屋が小さく望める。
広場からヤブっぽい踏み跡へ入り、雑木林の中をザックの銀マットを引っ掛けながら進む。常日頃使っている日帰りザックと異なり、15キロのザックを木の枝を避けたり、藪につつかれながら登るのは疲労度150%だ。途中でミズナラの枯れ木に密生しているナラタケを採集中の男性1人女性3人のハーレムグループに遭遇、親切に今晩の汁物のダシにと袋に入れて分けてもらったが、残念ながら洗う水がないため食べられなかった。高木の稜線を登り続けると尾根上の小突起が野田ヶ山(のだがせん)だ。視界のない山頂には表示はなく、幹に食い込んだ古い表示からそれと分かるだけだ。ピークから稜線の向きを西から南へ変えて急下降だ。高木の茂る稜線を灌木をかき分けるのが難儀だ。左に蒜山(ひるせん)、正面に振子山(ふりこやま)越に剣ヶ峰を眺めながら段々細くなる稜線を進む。前方の尖った親指ピークでは前述のハーレムグループがキャッキャッ言いながら岩稜を越えている所だ。見た目には鋭そうだが、実際は補助ロープもあって容易に回り込める岩峰だ。親指ピークを過ぎ、振子山への上りのヤブが大型ザックには難物だ。やっと展望の良い振子山頂上に着くが、稜線のすぐ先の草地が最高の展望所で休憩の適所だ。
(川床登山口を出発) (阿弥陀川を渡る) (稜線へ急坂をジグザグに登る)
(なだらかなブナ林を進む) (香取分岐の小広場) (ブナやミズナラの高木の道)
(石畳が現れると大休峠は近い) (大休峠避難小屋前ベンチ)
(清潔な避難小屋内部)
(広場からヤブっぽい踏み跡へ)(ザックを引っ掛けつつ行くヤブ)(泊り用ザックには手強い道)
(何もない野田ヶ山頂上) (幹に食い込んだ古い表示板)
(稜線を下る)
(稜線から蒜山を望む)
(鋭い稜線を親指ピークへ)
(ピークを巻いて下る)
(親指ピークを振り返る) (振子山)
(振子山の先の展望所と三鈷峰)
展望所からは文字通り360度の大展望だ。特に、大山東壁が荒々しさを見せ、象ヶ鼻と三鈷峰の間の稜線に建つユートピア避難小屋が玩具のようだ。展望所から一旦南へ下って上り返すと象ヶ鼻へ向かう稜線だ。稜線から振り返ると、登ってきた野田ヶ山からくる尾根筋や尖った烏ヶ山(からすがせん)の彼方に蒜山が望めた。しばらく急坂を頑張り、象ヶ鼻から少し下るとユートピア避難小屋だ。大休峠のものより少し小さいが内部は清潔な板敷きだ。一服後、ここにザックを置いて縦走路の散策に出発だ。重量物を取り去ると羽が生えたように体が軽くなり喜び勇んで稜線を登りはじめた。展望を楽しみながら草地の続く稜線を30分ほど登る。やがて両側とも切れ落ちたザレた砂地のヤセ尾根となり、下りが恐ろしそうなので天狗ヶ峰の手前でUターンだ。ガスってきた尾根を元へ戻り、今度は三鈷峰だ。上宝珠(かみほうじゅ)越を左に分け、ヤセ尾根を進み、最後に岩稜を登ると展望抜群の三鈷峰だ。ここから、崩壊の進む北壁が手に取るように望める。
(振子山展望所から剣ヶ峰〜三鈷峰〜日本海を望む)
(中央下の吊尾根を下る)
(象の鼻へ向かって稜線を登る)
(振子山を振り返る)
(象の鼻の下から野田ヶ山〜蒜山〜烏ヶ山を望む)
(象の鼻の小ピーク)
(ユートピア避難小屋と三鈷峰)
(天狗ヶ峰へ稜線を登る)
(天狗ヶ峰手前でUターン)
(ユートピア避難小屋へ稜線を下る)(ガスがかかり始める稜線)
(三鈷峰へ向かう) (三鈷峰の岩稜を登る) (三鈷峰頂上)
暗くなる前に晩飯を済まし、夕焼けの弓ヶ浜を眺めてから早くも寝る準備だ。きょうの同宿は姫路のご夫婦と地元の若い女性の4人だったが、暗くなってから5、6人の男性が到着、小屋は満員の盛況だ。夜、雲に隠れて星は見えなかったが、またたく皆生(かいけ)温泉の灯や漁火が素晴らしかった。寝袋に潜り込むと知らぬ間に翌日だ。
(10月7日)
雨音で目を覚ますと、外はガスで真っ白だ。朝飯を作ろうとバーナーに火を点けるが駄目、ノズルが詰まっている様だ。姫路のご夫婦にバーナーを借りて事なきを得たが、前夜使えて朝に使えなくなるのは処置なしだ。昨日より軽くなったザックを担いで、雨は止んでいるがガスった稜線を下り、三鈷峰を右に分けてちょっと下ると上宝珠越だ。ここで下宝珠越を右に分け急坂を下ると早速ロープ場だ。濡れた岩場を慎重に下り、次々に現れる急坂のガレ場の涸れ沢を下る。やがて広い河原となり、堰堤の左岸を下って河原へ戻ると水場だ。水を補給後、少し下流の大堰堤の中央を越えると行者道と合流だ。ブナ高木林の急な行者道を登り、急に登山者であふれ返った夏山道と合流、ちょうど降り出した雨に傘をさして六合目に到着だ。続々登ってくる子供連れや老若男女の姿に恐れをなしてここから下ることにした。多分、これだけ人数が山頂付近に達すると大渋滞の可能性ありだ。下りもしばしば渋滞待ちをしながら雨の止んだ夏山登山口に下山した。ここで自転車をゲット、豪円山(ごうえんざん)スキー場付近で再度雨の襲来だ。自転車では傘もさせず、先日の雨の鳳凰山(ほうおうざん)のデジカメ故障にこりて、GPS、デジカメともザックにしまい込んでびしょ濡れになって川床にたどり着いた。まだ午前中ながら何処へ立ち寄る気力も消え失せ、まだ早いので高速渋滞にも遭わず往路通りに帰阪した。
大休峠までのブナの森、親指ピーク周辺の景観、ユートピア避難小屋からの絶景縦走路、元谷の荒々しさなど見るべきところの多いコースだ。加えて、これからの紅葉の季節のブナやミズナラの森、初夏のユートピア避難小屋周辺のお花畑など素晴らしい所だ。この所、遠くへ遠征すると2回続けて雨だ、雨男になったらしい。15キロ位を担いだ避難小屋泊り山行はゆっくり行けば何とかなりそうだ。ただ、荷を担いだヤブコギは絶対駄目だ。
(三鈷峰頂上から剣ヶ峰〜日本海〜矢筈ヶ山方面を望む)
(三鈷峰から小屋へ戻る) (小屋から夕暮れの美保関方面)(そぼ降るガスった稜線を下る)
(上宝珠越分岐を元谷へ)
(最初のロープ場が最もリスキー)
(ガレ場を慎重に下る)
(涸れた河原を下る) (大堰堤) (ブナ林の行者道を登る)
(降り出した木道を登る)
(夏山道を登る)
(大勢の登山者の憩う六合目)
(雨の中数珠つなぎの登山者) (高木林の長い急坂を下る)
(夏山登山口に帰着)
★道で出会った花
イナカギク?(川床) カニコウモリ(川床) アキノキリンソウ(大休峠)
ダイモンジソウ(親指P) ヤマハハコ(象の鼻) ハクサンフウロ(天狗ヶ峰)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 大山・蒜山高原
・2万5千分の1地形図 伯耆大山
Homeへ