綿向山(1110m)

 

★ひとこと   「熊野神社から文三ハゲで山頂を経て塩の道峠へ」

北峰から雨乞岳へ続く稜線を望む


★行った日   2013年2月3日(日) 晴時々曇 単独

★コース

高槻5:35(名神)=八日市IC(R421、R307、R477、林道)=7:13熊野神社7:33→林道終点8:42→文三ハゲ稜線9:01→9:27アイゼン履く9:38→(1110m)綿向山9:53→10:10北峰10:15→10:30綿向山10:45→P992 11:16→11:49休憩12:01→12:07アイゼン外す12:12→塩の道峠12:18→稜線別れ12:28→東山橋13:10→13:17熊野神社13:27(林道、R477、R307、県道16)=瀬田西IC(名神)=高槻15:35

 綿向山(わたむきやま)は西側の西明寺(さいみょうじ)から登るのが定番だが、南の熊野神社からも登られているようだ。今回はネット情報を参考に、熊野神社から文三(ぶんぞう)ハゲを経て山頂に立ち、南尾根を下って塩の道峠を経て下山の計画だ。滋賀県側からR477(冬季閉鎖中の鈴鹿スカイライン)を東進、蔵王ダムの先をグリム冒険の森の表示に従って左折、道なりに進むと熊野神社だ。神社前の駐車場にとめさせて頂く。
 熊野神社横の大杉の下から林道に入り、すぐに地道になり、僅かに残雪の点在する落石の多い道を進む。やがて、正面に文三ハゲらしき崩壊面が見え出すと、路面に残雪が目立ち始める。地形図のトンネルはなく、道が新しく付け替えられたようだ。出発して約1時間、雪で覆われた林道は砂防堰堤の前で折り返して高度を上げ、格子状の堰堤の前で路面が崩れている。その少し先が文三ハゲの斜面下端の砂地となり、そこで林道消滅だ。残雪と地肌が半々の急坂をアイゼンなしで登り始める。砂地は崩れて滑り易いが、適度の硬い残雪は足掛かりがあって意外に登り易く、20分程度で崖上の稜線に登りついた。積雪が多い場合はラッセルが大変な筈だ。急なヤセ尾根を登り始めるが、標高1000メートルに近付くと寒風が吹き付け、霧氷が成長し始めていた。ここでアイゼンを付け、振り返ると水無山、右手に下山時に通る尾根の先に政子を眺めながら登る。しばらく霧氷の華咲く稜線を登り、南尾根と出合って少し登ると綿向山頂上「だ。風の強い山頂にはお馴染みのモニュメントが並び、東には雨乞岳(あまごいだけ)が霞んでいた。山頂稜線では時には膝下位まで沈み込む時もあるが、概して雪質は硬くスノーシューは担いだままでアイゼンで大丈夫だ。見晴しの良い北峰へ行くべく美しい稜線を北上し、雪の付いていないお馴染みの変形ブナを眺め、竜王山を左に分けて少し右へ行くと絶景ピークだ。

        (熊野神社)        (神社の右から林道へ)     (雪のない林道を進む)

(文三ハゲが見えると道に残雪)  (堰堤前で林道はUターン)  (林道終点が文三ハゲ下端)

    (残雪の急坂を登る)      (文三ハゲを振り返る)     (文三ハゲ上端稜線出合)

  (凍てついたヤセ尾根を登る)  (稜線樹林に霧氷付き始める)    (振り返ると水無山)

    (もうすぐ稜線合流点)    (下山時に通る稜線を望む)  (綿向山から雨乞岳を望む)

  (霧氷の稜線を北へ進む)      (ヤセ尾根を北上)       (おなじみ変形ブナ)

 遠方は霞がかかって視界不良だが、鈴鹿中部の峰々の360度展望台だ。風が強く寒いので早々に切り上げ、綿向山東斜面で風をよけて大休止だ。雨乞岳を眺めながら飲む熱いテルモスのコーヒーの苦味は格別だ。これから、初めて通る下山ルートなので早めに腰をあげ、出発だ。往路の稜線出合から南尾根に入るが、昨日以前のスノーシューの跡が所々に残っているだけなので新しく足跡をつけながら下る。先日の暖かさで積雪量が減ったらしく、所々で地肌が出ているのでスノーシューは担いだままでアイゼンだ。稜線を少し下るとブナの茂る広い雪原、ブナの木平だ。残雪期のようにブナの周りの雪が丸く融けている。

   (竜王山分岐を東へ)      (見晴し稜線を北峰へ)   (見晴し稜線を分岐点へ戻る)

               (北峰から北方、見えない御池岳方面を望む)

              (北峰から南方、見えない御在所岳方面を望む)

   (分岐点から綿向山へ戻る)   (ブナ珍変木辺りを綿向山へ)      (綿向山頂上)

    (警告立札から南尾根へ)     (美しい稜線を下る)           (ブナの木平)

                   (ブナの木平へ雪原を下る)

 P992から東尾根に入らないようにして南尾根を下る。正面に、これから向かう稜線の彼方に政子がそびえる雰囲気の良い稜線だ。残雪が徐々に少なくなり、東面が崩壊地の急なヤセ尾根の西面を、落葉をアイゼンに絡ませて木々の間を下る。樹木の切れ目から往路の林道やその先の文三ハゲが見渡せる。Ca783辺りで残雪が少なくなりアイゼンを外す。塩の道峠手前の台地からは西の視界が開け、蔵王ダムが望めた。鞍部の塩の道峠を過ぎ、登り返して次のピークから西尾根を下る。塩の道峠から東西に下る道は認められなかったが、かつては旧道があったのかも知れない。植林帯の西尾根の踏み跡をしばらく下ると崩壊地で踏み跡消滅だ。仕方がないので谷底へ下り、倒木を避けながら沢筋をたどり、しばらく山肌をトラバースしつつ谷沿いに下ると杣道が現れる。突然、林道に飛び出し、大堰堤を越えて下ると東山橋だ。林道を西へ進み、天然記念物ヒダリマキガヤを通り過ぎると熊野神社はすぐ上だ。ヒダリマキガヤとはカヤの一変種で素人目には普通のカヤと区別は付かない。計画より早く下山したので、陽光に誘われ日野から信楽をドライブして瀬田西から帰阪した。今回は、認定ガイドの長岡京のTさんのレポを参考にしました。
 文三ハゲまでの林道歩きが長いが、文三ハゲの急坂、北峰からの大展望、ブナの木平のブナ林、P992下の崩壊地上からの展望、など変化のあるルートだ。無雪期も楽しめるルートだが、道標や目印はないので、塩の道ルートを下る時など要注意だ。折角今年2回目のスノーシューを楽しもうとしたがお荷物以外の何物でもなかった。

       (P992)           (南尾根を下る)       (政子へ続く波打つ稜線)

 (東崩壊地の急な西面を下る)   (雰囲気のよい稜線を行く)       (Ca783ピークを南下)

  (ピークから林道〜文三ハゲ)  (峠手前のちょっとした展望地)      (展望地から蔵王ダム)

         (塩の道峠)          (稜線別れのピーク)           (植林帯を下る)

  (踏み跡が崩壊地で消える)      (谷筋へ無理やり下る)        (谷に沿って山腹を行く)

    (砂防堰堤出合)          (東山橋を渡る)      (天然記念物ヒダリマキガヤ)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  日野東部

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