土蔵岳(1008m)猫ヶ洞(1065.4m)

 

★ひとこと   「川上から展望稜線で土蔵岳、猫ヶ洞を経てトンネル東口へ」

大タワから蕎麦粒山を望む


★行った日   2013年3月12日(火) 快晴 単独

★コース

高槻5:36(名神、北陸道)=木之本IC(R303)=トンネル東口(チャリンコデポ)7:41(R303)=7:48川上(夜叉龍神社)8:05→P788 9:36→9:52休憩10:09→(1067.6m)大タワ 11:07→P1026 11:26→11:57(1008m)土蔵岳12:12→(1065.4m)猫ヶ洞13:04→土蔵岳13:42→14:23休憩14:34→P885 15:01→15:55トンネル東口16:01=(自転車2.5km)=16:09川上(夜叉龍神社)16:20(R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻19:11

 昨日からのポカポカ陽気の快晴に、積雪の緩みを気にしながら、以前から気になっていた滋賀/岐阜県境の山、土蔵岳(つちくらだけ)だ。多くのネット情報があって、積雪時の余呉(よご)銀座になりつつあるルートだ。坂内最奥の集落、川上の夜叉龍(やしゃりゅう)神社を起点に大タワを経て土蔵岳へ登り、猫ヶ洞(ねこがほら)ピストン後上原谷右岸尾根で八草(やくさ)トンネル東口へ下る計画だ。R303号線のトンネル東口山側の除雪された道端にチャリンコをデポ、国道を少し下って夜叉ヶ池(やしゃがいけ)(積雪通行不可)方向へ左折、夜叉龍神社前の除雪された駐車場にとめさせて頂く。
 スノーシューとアイゼンを担いで出発、鳥居をくぐって祠に手を合わせてから神社裏の雪原だ。まったく沈み込みはなく、適度に柔らかい雪面なので登山靴のまま山肌に取り付く。小さなヤブが点々とが顔を出す急坂の斜面を前日の半分融けたトレースを足がかりに上る。坂内川の谷筋の先に烏帽子(えぼし)山が姿を現すのを眺めながら、藪を覆いつくした鋭角の雪の支尾根を上る。少し緩斜面になったナラやブナの西北西の稜線をアイゼンもつけずにサクサクと着実に上り続ける。振り返ると坂内最奥の川上集落が谷間にたたずみ、東北には蕎麦粒山(そむぎやま)が存在感を示し、右正面にはまだ遠いP788が見えている。やがて北向きの稜線と合流、アイスバーンになると恐ろしそうな急な馬の背尾根を上るとP788だ。展望抜群の稜線からは、登って来た稜線を近景に、左遠景に蕎麦粒山、右遠景に金糞岳(かなくそだけ)が広がる大パノラマだ。次のピークで西向きに方向を変え、幅広のブナ尾根を上り、北西の斜面を上りきると雪の平原だ。

   (夜叉龍神社から出発)       (神社裏から取り付く)     (ヤブっぽい急坂を登る)

 (ヤブの隠れた支尾根を登る) (北に烏帽子山が見え始める) (稜線をツボ足で登り続ける)

   (振り返ると川上の集落)   (正面に見えるまだ遠いP788)  (蕎麦粒山が見え始める)

 (西北西へ稜線を登り続ける)   (北向きの稜線と合流)     (P788へ向かって登る)

   (P788から稜線を振り返る)    (西へブナ尾根を登る)       (大タワへ最後の登り)

 春の兆しの大穴のある雪原端を過ぎるとブナが点在する広大な雪原歩きだ。見晴しのよい所をふらふら寄り道して行くが、殆んど沈み込みはなく、表面も適度に融けているのでツボ足快適歩行だ。東北には白山(はくさん)や御嶽山(おんたけさん)を遠景に蕎麦粒山や小津権現(おづごんげん)など越美国境前衛の山々、南には伊吹山や武奈ヶ岳など北琵琶湖を取り巻く山々が並んでいる。大タワから土蔵岳まで約2キロのやや下りの展望豊かな極楽稜線漫歩だ。大タワから土蔵岳へ続く稜線には、遠目には美しい平坦な稜線が続いているが、稜線東南側には雪庇が発達し所々でひび割れているので要注意だ。概して幅広の稜線には明るいブナの森が続き、雪面に落とす木の影の幾何学模様が美しい。土蔵岳は木にかけた表示板がなければそれと気が付かない所だ。

   (大穴のあいた雪原端)       (広大な雪原を行く)       (大タワ表示板)

                 (大タワから東北の奥美濃の山々を望む)

                 (大タワから南の岐阜/滋賀県境の山々を望む)

   (土蔵岳へ稜線を行く)   (割れた雪庇を巻いて進む)   (左の金糞岳を眺めながら行く)

   (広いブナ尾根を行く)     (振り返ると見える蕎麦粒山)     (土蔵岳標識)

 山頂からブナ林の西北尾根を下って上り返すと360度展望ピークだ。このピークを城壁のように山並みが取り囲み、東北の奥美濃の山々と西南の琵琶湖方向のみ城壁の一角が崩れている。ピークから一旦下ってからブナ林を登ると猫ヶ洞の稜線の雪庇だ。雪庇の割れ目から上がった所が猫ヶ洞ピークだと思われるが表示が見当たらないので確証なし。東北に上り稜線が続いているがここで引き返しだ。土蔵岳まで往路を戻り、県境尾根から下山だ。

  (金糞岳と上原谷右岸尾根)   (山頂からブナ林を下る)   (ちょっと上ると展望ピーク)

              (360度展望ピークから西南の琵琶湖方面を望む)

              (360度展望ピークから東北の奥美濃方面を望む)

  (猫ヶ洞めざして稜線を下る)      (ブナ林を上る)      (雪庇の割れ目を越える)

 (猫ヶ洞西端から横山岳を望む)(猫ヶ洞の東北へ延びる稜線)   (展望ピークから土蔵岳へ)

                 (猫ヶ洞から南の琵琶湖方面を望む)

 急な尾根を南へ下るとすぐになだらかになり、上原谷右岸尾根別れだ。県境尾根のちょっと先の尾根端は金糞岳の見晴しポイントだ。また、尾根別れ付近から豪快な上原谷を俯瞰でき、右サイドにこれから下る上原谷右岸尾根、左に上ってきた尾根、遠くには左に蕎麦粒山、右に金糞岳が頭を出している。金糞岳を正面に見ながら、春を知らせる丸く根元の雪が融けたブナの稜線を下る。P885付近から北方に、大タワから土蔵岳に続く稜線が陽光に輝いていた。尾根をしばらく下るとCa660の尾根端だ。ここから、斜光に輝く蕎麦粒山と金糞岳の最後の姿を眺めてから下山だ。尾根端から東の支尾根にはトレースがあったが、チャリンコデポ地へ下る東南の急坂には足跡はなく、急下降開始だ。すぐに急坂からヤブが顔を出し右往左往しながら下るが、だんだんヤブの割合が多くなり、滑ったり、穴にはまり込んだりしながら下った。最後に、植林帯に入り、股下まで沈み込みながら進み、デポ地のすぐ側に着地だ。暖かな春の陽気の中、チャリンコで殆んど車の通らないR303を快調に下り、夜叉龍神社に帰着だ。計画より早かったので琵琶湖西岸を一般道で帰阪した。
 暖かい快晴に恵まれ、素晴らしい雪山歩きができた。特に、蕎麦粒山や金糞岳を眺めつつ歩くブナの森が素敵だ。アイゼンやスノーシューを担いだままツボ足で歩けたので、着脱の面倒さや重量物を履いて歩くしんどさは省けたが、稜線でのSS漫歩も心残りだ。

(土蔵岳から県境尾根を下る) (県境尾根別れ付近のピーク)   (上原谷右岸尾根を下る)

 (県境別れから豪快な上原谷の展望、右は下山時の上原谷右岸尾根、左は登頂時の尾根)

  (金糞岳の見える絶景尾根)      (春の兆しのブナ尾根)     (P885から土蔵岳を望む)

         (P885)           (ブナ尾根を西へ下る)       (Ca660の尾根端)

 (尾根端から斜光の蕎麦粒山)  (尾根端から斜光の金糞岳)   (尾根端から残雪ヤブの急坂)

  (残雪ヤブを下から振り返る)   (植林帯を難儀なツボ足で)      (トンネル東口へ飛び出す)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  美濃川上

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