安蔵山(900.1m)谷山(938.7m)左千方(1196.8m)三国岳(1209m)

 

★ひとこと   「田戸から安蔵山経由展望稜線で三国岳を経て奥川並へ」

三国岳から左千方へ向かう展望稜線


★行った日   2013年4月4日(木) 晴 単独

★コース

高槻3:26(名神、北陸道)=木之本IC(R365、県道284、県道265)=5:31田戸5:53→安蔵山梯子6:21→鞍部6:49→7:46Ca730 7:56→8:35(900.1m)安蔵山8:45→9:10休憩9:22→10:33(938.7m)谷山10:44→11:47P959 11:56→(1196.8m)左千方13:02→13:29(1209m)三国岳13:44→左千方14:09→14:38P959 14:43→15:40谷山15:49→P706 16:22→奥川並17:00→安蔵山梯子17:47→18:15田戸18:26(県道265、県道284、R385、R8、R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻20:51

 春山のフィナーレを飾るのは余呉(よご)の山、以前から行きたかった左千方(させんぼう)から三国岳の展望稜線漫歩だ。田戸(たど)から安蔵山(あんぞうやま)、谷山(たにやま)、左千方を経て三国岳へ登り、帰りは谷山から奥川並(おくかわなみ)へ下山の計画だ。2週間前に横山岳へ行ったときに少し手前の小原まで車で入れることを確認、長時間実働が予想されるので早朝出発だ。
 日の出とともにスノーシュー(以下SS)とアイゼンを担いで田戸をスタート、鎖ゲートをまたいで高時川(たかつきがわ)を渡り始めた。殆んど残雪のない林道を30分ばかり進んで4本目の梯子が安蔵山登り口の梯子だ。いきなりの急坂に息を弾ませて頑張り、鉄パイプで作った林業作業場?を過ぎ、昨日の雨に濡れて滑り易い植林帯の急坂の踏み跡を登り、ちょっとしたヤブの急な坂をやみくもに上がりきると鞍部だ。鞍部からなだらかな雑木尾根となり、樹間から左後方に残雪の七々頭ヶ岳(ななずがだけ)、左下方に田戸の駐車スペースを眺めつつヤブツバキの多い尾根筋を登る。雑木からブナ林に変わってきた尾根の踊り場、Ca730付近から残雪が現れ始め、かぼそいブナ林の尾根をなだらかに登ると次の踊り場、Ca820だ。東の遥か彼方、白い山並みの右に雲のかかった左千方が見え、あんな遠くまで行けるかどうか不安になる。勾配のややきつくなった斜面に、丸い穴が点々と散在する幾何学模様が美しいブナの森を登り切ると安蔵山だ。山頂に山名表示はなかったが、雪原に散在するブナの影が美しい広場だ。ここで、待ちかねたSSをつけ快調に歩き始めたが、すぐに急な下り坂の稜線だ、おまけにブッシュも顔を出している。仕方なく、ツボ足で片手でSSをぶら下げ、ヒールを利かして坂を下り、再度SSをつけるべく前方を見ると大体6:4で残雪の島が少なそうだ。幸い、最大5センチ位の沈み込みなので、SSをザックにくくりつけ、以降、ツボ足で歩くことにした。残雪のない所でも短い笹原のブナ林なので快適に歩け、美しいブナ林を上りきると広い雪原の谷山だ。奥川並へ続く南尾根の分岐点でもあり、沢山のテープが木々に付いている。

 (日の出とともに高時川を渡る)(殆んど残雪のない林道を行く)  (安蔵山登り口の梯子)

 (急な植林帯を滑りつつ登る)(鞍部からなだらか灌木帯を行く)  (左下は田戸の駐車場)

  (Ca730で残雪が現れる)   (なだらかブナ尾根を行く)   (Ca820から遥かなり左千方)

   (幾何学模様のブナの森)    (安蔵山と思われるピーク) (山頂を急坂で下って尾根を行く)

(残雪が消えとうとう現れたヤブ) (歩き易いブナ尾根を行く)    (美しいブナ林が続く)

      (広い雪原の谷山)      (なだらかな幅広尾根を行く)  (谷山付近から上谷山を望む)

                   (横山岳展望稜線から南方を望む)

 幅の広いブナ林尾根を東進、時々、北側に両翼の張った上谷山(うえたにやま)を眺めながら進むと南側が開けた展望稜線だ。南には横山岳が堂々と横たわり、振り返ると安蔵山が意外に遠くなっていた。平坦な稜線を正面の左千方めざして進み、P959を過ぎるといよいよ左千方の急坂だ。残雪では適度な融雪状態のためツボ足を蹴り込んで登れるが、昨年の2週間後よりヤブの露出が著しく、残雪の薄い所では下面の笹がよく滑り、ヤブの中では操り人形スタイルの悪戦苦闘だ。昨年はP959から頂上まで50分だったが、今年は体力劣化もあって20分も多くかかってしまった。苦労して登った左千方頂上は期待した以上の景観だ。昨年は下山時刻が気になってここから下ったが、今年は去年の実績があるので余裕をもって三国岳までの稜線漫歩ができそうだ。少し靄っているため遠くは駄目だが、白く輝く江越美国境周辺の峰々を眺めつつ、無風の快晴のもと、念願の稜線歩きは最高だ。以前、無雪期に登った身の丈を超す笹薮の三国岳を思い出しながら雪原を歩くのは不思議な気分だ。

   (展望稜線から横山岳)   (残雪の少なくなった展望稜線)    (展望稜線を振り返る)

(平地から気合を入れて急坂へ)(左千方めざして稜線を行く)  (P959で安蔵山を振り返る)

   (左千方の急坂尾根へ)     (ヤブ露出の急坂を上る)     (小木と格闘して上る)

(上谷山を横目にもうすぐ山頂)  もう登れない左千方山頂)   (三国岳めざして稜線を行く)

             (左千方から余呉の山々、北〜東〜南〜西南を望む)

         (三国岳へ向かう稜線から360度の展望、東〜南〜西〜北〜東)

      (稜線を三国岳へ)      (三国岳から三周ヶ岳を望む)    (ヤブの出た三国岳山頂)

 三国岳の山頂部分は露出し、なつかしい笹薮の踏み跡も確認できた。北には無雪期に通る東北の山塊の向こうに三周ヶ岳(さんしゅうがだけ)や美濃俣丸(みのまたまる)が頭を出している。無風で暖かい山頂で昼寝でもしていたい気分だが、そうもいかず、左千方へ続く天空の散歩道へ出発だ。左千方からの急坂下りもヒールを利かせばアイゼン不要だ。谷山に近づくと雪原に斜光のブナ林の影が細長く伸びる模様が面白い。谷山から左千方をちらちら左に眺めながら急なブナ林の細尾根を下る。ヤドリギの多い樹間から、左下に尾根端で雪のかぶった足ノ又谷林道が谷沿いに白い線を描いている。テープ印に従って、残雪の点在するP706で尾根筋から別れて急坂を下る。空にはタムシバの白い花が咲き、地上にはイワカガミの可憐な花が咲き揃いだすと奥川並はすぐだ。ここから長い林道歩きだ。疲れた体に鞭打って、田戸到着は丁度日没時刻だ。
 きょうは余呉の春山を最高に楽しむことができた。安蔵山から左千方までのブナ尾根も素敵だが、左千方から三国岳までの展望稜線が素晴らしかった。この季節はSSもアイゼンも必要なかったが、谷山からP959の間はなだらかなブナ尾根雪原が続くのでSSには好適だ。

                 (三国岳山頂から三周ヶ岳方面を望む)

     (ヤブの山頂、三国岳)     (ヤブを隠した稜線を戻る)      (左千方へ稜線を行く)

   (左千方から急坂を下る)       (P959を下る)       (横山岳展望稜線を下る)

 (斜光の美しいブナ林を行く)(谷山から南尾根を下り始める)   (ブナの急坂尾根を下る)

  (南尾根から見える左千方)    (ヤドリギの多い木々)      (最終残雪のP706)

   (空には満開のタムシバ)    (地上にはイワカガミが満開)   (夕5時に奥川並に降り立った)

★道で出会った花

   タチツボスミレ(安蔵山)     ヤブツバキ(安蔵山)       マンサク(左千方)

     ヤドリギ (谷山)        イワカガミ (奥川並)        タムシバ(奥川並)

   ボタンネコノメソウ(林道)      フキノトウ(林道)       ヤマルリソウ(林道)

     キブシ(林道)       ジロボウエンゴサク (林道)    ダンコウバイ (林道)

★ルート断面図


★地  図
(2)谷山〜三国岳

(1)田戸〜谷山

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  中河内、美濃川上

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