★ひとこと 「宮川ダム赤橋の先から父ヶ谷林道を歩いて山ノ神の頭へ」
北谷隧道辺りからうぐい谷高を望む
★行った日 2013年4月28日(日) 快晴 単独
★コース
尾鷲4:13(R42、紀勢道)=大宮大台IC(県道31、R422、県道53、父ヶ谷林道)=6:15父ヶ谷林道横谷6:20→車止め7:11→北谷第1号橋7:46→8:26北谷トンネル8:34→林道砂滑り引返し9:27一縦走路出合9:54→10:15(1099.1m)山ノ神の頭10:31→湯谷の頭10:58→P1125
11:21→11:53分岐ピーク12:06→北谷トンネル12:35→13:04南谷Uターン橋13:13→車止め13:48→14:30父ヶ谷林道横谷14:46(父ヶ谷林道、県道53、R422、R166、県道31、R369)=針IC(西名阪、近畿高速)=高槻18:30
以前から気になっていた宮川ダム赤橋(新大杉橋)から西へ伸びる父ヶ谷(ちちがたに)林道だ。当初、T.W.さんの逆追っかけで宮川ダム銀橋(大和谷橋)から大杉国見山を経て父ヶ谷林道へ周回のつもりだった。予定下山口の赤橋に自転車をデポしようと、宮川右岸道路でダム堰堤までくると堰堤が当分の間工事通行止めでガックリだ。ダム下を迂回して左岸道路で銀橋まで行けるが、軟弱にも疲れた後の自転車の坂上りを敬遠して計画変更だ。結局、赤橋から時刻の許す限り父ヶ谷林道をさかのぼり、あわよくば大杉国見山、無理な時は山ノ神の頭ピストンに変更だ。赤橋西詰に駐車すべく橋を渡って右折しようとしたが、以前鎮座していた車止めはなく、そのまま進んで徐々に高度を上げ、賀ヶ谷(ががたに)を過ぎて正面に朝日に輝くP1161の岩峰が立ちはだかり、道端に家屋撤去後の更地がある辺りをちょっと過ぎると正面に土嚢が並び通行止めだ。GPSで確認すると横谷だ。これで小1時間の林道歩きが助かった。
綺麗に撤去された横谷の橋跡を渡り、匂うような新緑の林道をルンルン気分で進む。対岸のスギノ谷辺りの父ヶ谷の大岩に吊橋の残骸がぶら下がっているが、あの垂直な岩壁の間に杣道があるのだろうか。右下の紺碧の淵を眺めながら進み、大岩の間から落ちる滝の美しいナゴ山谷、すぐ先の涸れ谷のマキ小屋谷を過ぎると川底のような林道だ。倒木も散見される石ころ道から舗装林道に変わるとS字カーブで高度を稼ぎ、はるか下方の牛鬼(うしおに)淵を木々の間からチラチラ見ながら素掘りトンネルを通る。岩の積み重なったサンザイ谷を見送り、右下の峡谷を眺めながら新緑の美しい地道を進み、南谷と北谷合流点に消える支尾根を越えて大きく左折すると車止めだ。昔はここまで一般車が入れたようだ。この辺りから苔むした林道となりヒカゲツツジやミツバツツジの美しい道だ。すぐ先の大きな営林小屋にはトイレ、台所、冷蔵庫、部屋も幾つかあるが、ちょっと生々しく気持ちの悪い建物だ。次に大きな広場があり、その先の紅寿橋(こうずはし)で谷筋を渡り砂利道を進むが、所々で崩れてきた土砂が道をふさぎ始める。紅寿橋から沢沿いの地形図の点線は確認できず、道は消えてしまったようだ。うぐい谷高から西へ伸びる支尾根を越える辺りで、右下に南谷の青い淵が見え、山側に丸太梯子がかかっている。下山時に林道から眺めると、見晴しの良い稜線に一筋の踏み跡らしきものが確認できたが、これが梯子の先の道につながっていると推定される。すぐ先で山腹を上がる林道を左に分け、北谷第1号橋を渡り、その先で林道最南端の橋を渡ってUターンする。橋の奥の平地に家屋の残骸が放置されている。ここから見晴しの良い山腹をトラバースする上り坂となり、父ヶ谷雨量観測所を過ぎた辺りから落石や土砂崩れの瓦礫が路面に多く散らばり、路肩も削れた所の多い道だ。見晴しは絶品で、東には山肌にヤマザクラのボンボリが点在するようなうぐい谷高、北には大杉国見山に続くごつごつした岩峰の稜線が美しい。やがて台高山脈の分岐ピークから東北へなだらかに伸びる支尾根をくぐる北谷隧道だ。下から観察するだけだが、ヤブもあまりなさそうなので、いざという時にはここを台高の主稜線から下ることにする。このトンネルの南口はそうでもないが北口は崩落した土砂で埋まりそうだ。
(父ヶ谷林道は横谷で通行止め)
(横谷橋脚部を振り返る)
(新緑の林道を行く)
(父ヶ谷にかかる吊橋の残骸) (ナゴ山谷)
(川底のような林道を行く)
(S字カーブを見下ろす)
(牛鬼淵上部のす掘りを行く)
(北谷南谷合流部上の車止め)
(林道最南端Uターン部の橋)
(道端の父ヶ谷雨量観測所)
(見晴しの良い山腹を行く)
(大杉国見岳に続く稜線) (真正面に見えるうぐい谷高)
(北谷隧道東入口)
トンネルを抜けると快適なブナ並木の道となり、復旧治山事業の標識があって、所々の沢筋に改良堰堤が何重にもわたって現れる。しかし、殆んどの沢筋や絶壁は土砂で覆い尽くされ歩くのも難儀する土砂崩れ現場を何とか通り抜ける。改良工事の済んだ沢筋の前を通り過ぎると、林道を崩落土砂が急角度で埋め尽くしている。ちょっと踏み出してみたが、谷底へ誘う蟻地獄の滑り台だ。天狗のようなT.W.さんは越えられたそうだが僕は駄目、せめてカコウキ越の下まで行きたかったがここで前進中止だ。先程の改良沢筋の右岸を登ることにし、小木の助けを借りてよじ登ると錆びた大型の捕獲檻があり、けもの道を期待したが、今は通り道ではないらしく、ひやひやしながら急坂をしのぐと台高縦走路出合だ。絶対下りに使いたくないルートだ。出合から縦走路を西進、朝から誰とも会わなかったが山ノ神の頭は沢山の人で賑やかだ。まだ早い時刻だったが戻ることにした。ピークのすぐ下の稜線から、ミツバツツジ越しに眺める大台ケ原の山並みは絶景だ。
(北谷隧道西出口) (しばらく続く快適なブナ道路) (様相一変した林道を行く)
(石垣下をなんとか通り抜ける)
(改良沢筋前を通過する) (林道を埋める蟻地獄滑り台)
(縦走路から大台ケ原の峰々を望む)
凸凹の激しいヤセ尾根の縦走路を南下、分岐ピークで前述の支尾根を下る。きょうは晴天続きの連休2日目とあって、上り下り3組の縦走者と出会った。大きなザックで急なヤセ尾根ピークを何度も越えるのは大変だ、僕には体力的に無理だ。分岐ピークから支尾根の急な所には真新しい残置ザイルのある歩き易い杣道を下り、隧道の上を通り過ぎてから林道へ下った。この道は父ヶ谷林道と台高縦走路を結ぶいいルートだ。順光に照らされたうぐい谷高を眺めながら林道を下り、予定より早く駐車地点の横谷へ帰りついた。
ミツバツツジやヤマザクラ咲く、新緑の父ヶ谷林道はヒルの心配もなく最高だ。渓谷を足下に、山々を目線に眺めながら歩く静かな雰囲気が好きだ。残雪時の林道の滑り台もいやらしいが、土砂の蟻地獄滑り台は処置なしだ。Trail
Walkerさんの3年前のレポ、引用されたzippさんのレポを参考にしました。
(湯谷の頭) (稜線から見える大杉国見岳) (きょうの最高点の分岐ピーク)
(残置ザイルのあるさま道を下る)
(北谷隧道の上を通る)
(隧道西口の北支尾根を下る)
(北谷隧道周辺からうぐい谷高を望む、正面尾根が梯子からの登山道?)
(北谷第1橋、崖上はうぐい林道)
(車止め)
(ナゴ山谷を過ぎ、もうすぐ横谷)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 大台ケ原・高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図 大和柏木、宮川貯水池
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