左門岳(1223.6m)蝿帽子嶺(1037.3m)

 

★ひとこと   「越美国境プチ薮山の左門岳と蝿帽子嶺へ」

根尾東谷川をさかのぼって左門岳へ


★行った日   2013年6月3日(月) 晴一時曇 単独

★コース

高槻3:17(名神、北陸道)=木之本IC(R303、R417、県道270、R157、県道255、林道)=7:03舗装路終点7:14→林道終点7:30→8:11P815 8:20→9:30(1223.6m)左門岳9:42→P815 10:24→林道終点10:54→11:07舗装路終点11:10(林道、折越林道、黒津越波林道、R157)=12:12河原広場(根尾大河原)12:30→地蔵12:43→14:01P908 14:10→P943 14:31→15:04蝿帽子嶺15:08→15:38P943 15:44→P903 16:00→地蔵16:45→16:56河原広場17:04(R157、県道270、R417、R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻21:04

 越美国境のプチ薮山、屏風山(びょうぶやま)の東に位置する左門岳(さもんだけ)と西に位置する蝿帽子嶺(はえぼうしれい)だ。左門岳は根尾川源流の根尾東谷川の源頭に位置し、殆ど県境にある奥美濃の静かな山だ。樽見(たるみ)鉄道終点の樽見から根尾東谷川に沿って北上、上大須(かみおおす)ダムの手前で午後に通る予定の折越林道を左に分け、直進。ロックフィルダム堰堤を眺めながら左岸沿いに進み、二又谷橋を渡って少し進み、舗装道路終点に駐車だ。
 川沿いに草深い林道を進み、鉄板橋を三回渡ると林道が終わり、丸太橋を渡って谷沿いに進む。すぐに廃モノレールが現れ、何回か渡渉しながらモノレールと並行して上流へ進むと手書きの表示が現れ、すぐ先の岩にも赤く左門岳と書かれている。大木の茂る谷筋をしばらく指示通りに直進、ヘルメットが幹にかかっているP815から枝尾根に取り付く。コナラやホウノキが茂る枝尾根の斜面をトラバース気味に登る。所々にプラ階段があり、整備された道だが崩れかけた所や小木が倒れ込んだ所もあるので油断できない。尾根上に達すると薮っぽくなり、足元の道筋を見ながら木の枝や倒れ込んだ笹薮をかき分けて進む。プチ薮コギの後、ちょっとした林間の小広場があり、その先の小広場が左門岳三角点だ。上り道も含めて見晴しはよくなく、木立や夏草で覆われ、山頂の西側をかき分けると能郷白山が山並みの向こうに望める。往路通りに車へ戻り、ダム左岸に沿って走り、蝿帽子嶺に向かった。
 夏草茂る今の時期はここのシーズンオフだ。早春の新芽の頃か紅葉の秋が適期だ。稜線上はこれから夏草で不明瞭になるので赤布に注意して踏み跡をたどることだ。

 (折越林道を左に見て直進)    (ロックフィル上大須ダム)  (駐車地から地道林道を直進)

   (3つの鉄板橋を渡る)        (丸太橋を渡る)      (廃モノレールに沿っていく)

 (手書き表示通りに左谷筋へ) (雰囲気の良い谷をさかのぼる)  (P815のヘルメット)

 (山肌をトラバースして登る)     (尾根筋をプチ薮コギ)     (林間の左門岳三角点)

      (林道を戻る)         (車で二又谷橋を渡る)   (上大須ダム堰堤横を戻る)

 かつて、蝿帽子峠は越美を結ぶ重要な峠だった。幕末に水戸浪士の天狗党一行が越えたことでも知られている。上大須ダムの手前から折越林道に入り、廃村の越波(おっぱ)を経て黒津でR157へ合流、温見(ぬくみ)峠方面へ向かう。余談だが、きょう通った道はR157の黒津・能郷間が不通の時の迂回路であり、屏風(びょうぶ)山や大白木(おじろぎ)山へ登る時の道でもある。黒津から大河原を過ぎ、猫峠林道との合流点を過ぎた先で広い河原の右岸の縁を通る。コワタビ谷右尾根が落ち込んでいる辺りの対面に、何も表示はないが河原へ下る道があり、先に広場があって駐車できる。
 草深い道なりにちょっと河原を下ると根尾西谷川の主流の縁だ。雨の少ない今でも水量は比較的多く、近くに靴のまま渡れそうな所はなく、靴やズボンを首からぶら下げ、膝まで流れに浸かって渡り、前の茂みを突破すると地蔵とご対面だ。増水期の渡渉は難儀すると思われる。道は間違っていないようなのでほっとする。地蔵裏の尾根がコワタビ谷右尾根だ。尾根の急坂に踏み跡がジグザグにつき、ピンクリボンが点々とあるが、倒木や小木が行くてを阻み、まるで障害物競走だ。プチ薮コギと渡渉のため意外に時間がかかり、出発して1時間半でやっとP908だ。P943を過ぎて蝿帽子嶺と蝿帽子峠を結ぶ主稜線に近づくと急登だ。小木を掴んでよじ登るとやっと主稜線上にたどり着き、薮の踏み跡を東へたどると蝿帽子嶺三角点だ。主稜線との合流点は下山のときのために目印が必要だ。木立に囲まれた小空間で、薮の梢の上から能郷白山が望めるだけだ。帰途、主稜線の樹間から荒島岳と堂ヶ辻山が望めた。時刻が遅くなったのと稜線の薮コギに嫌気がさして蝿帽子峠を省略し、目印から下山を始め、順調に車へ帰り着いた。帰りは山岳ドライブだ。R157の断崖の道を下り、能郷から徳山ダムへでて、八草トンネルを通り湖西から帰阪した。
 ちょっと古い情報では越美国境の歴史の峠道で、根尾村が中心となって歴史街道を復活させた、とあったが、いまは自然にかえりつつあり、表示も全くない。静かな越美国境らしい山旅を楽しむことができる峠道だ。

 (コワタビ谷右尾根対面河原)   (河原を道なりに横断)     (膝まで浸かって渡渉)

  (コワタビ谷右尾根端の地蔵)  (尾根を外さないように登る)   (P908から平らな尾根筋)

       (ブナ林を行く)        (主稜線直下の急坂を登る)   (小さな切り開きの蝿帽子嶺)

 (山頂の薮の梢越に能郷白山)(稜線から荒島岳(右)堂ヶ辻山(左))(コワタビ谷右尾根を下る)

★道で出会った花

  タニウツギ(根尾東谷)    ラショウモンカズラ(根尾東谷)   ヤブジラミ(根尾東谷)

  キケマン (根尾東谷)      フタリシズカ (根尾東谷)     クルマムグラ(根尾東谷)

    コナスビ(根尾東谷)       ジシバリ(根尾東谷)    ムラサキサギゴケ(大河原)

   キンポウゲ (大河原)      ノイバラ? (大河原)       ミヤマヨメナ?(地蔵)

     コアジサイ(地蔵)         ヤマツツジ(P908)      ベニドウダン(P908)

★ルート断面図
(1)左門岳

(2)蝿帽子嶺


★地  図
(1)左門岳                   (2)蝿帽子嶺

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  平家岳、能郷白山

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