別山(2399.4m)三ノ峰(2128m)銚子ヶ峰(1810.4m)
★ひとこと 「白山禅定道の石徹白道で登山口から別山ピストン」
御手洗池の逆さ別山
★行った日 2013年6月17日(月) 晴後曇 単独
★コース
高槻2:47(名神、東海北陸道)=白鳥IC(R156、県道314、林道)=6:06石徹白登山口6:16→おたけり坂7:25→7:58神鳩ノ宮避難小屋8:06→8:59(1810.4m)銚子ヶ峰9:13→一ノ峰10:04→二ノ峰10:46→10:52水呑釈迦堂跡10:58→三ノ峰避難小屋11:40→11:49(2128m)三ノ峰11:55→12:51御手洗池12:56→13:36(2399.4m)別山13:47→御手洗池14:08→14:56三ノ峰15:03→15:08三ノ峰避難小屋15:13→水呑み釈迦堂跡15:37→二ノ峰15:42→一ノ峰16:08→16:56銚子ヶ峰17:01→神鳩ノ宮避難小屋17:29→おたけり坂17:51→18:37石徹白登山口18:47(林道、県道314、R156)=白鳥IC(東海北陸道)=美濃IC(R156(高速工事迂回))=岐阜各務原IC(東海北陸道、名神)=高槻23:15
白山の美濃禅定道(みのぜんじょうどう)の一部、石徹白(いとしろ)登山口から別山(べつさん)までピストンの計画だ。通しで歩いたことがないので体力的に不安だったが、暗くなるまでに戻るべく途中引き返しも視野に入れて早朝出発だ。白鳥(しろとり)ICからコンビニもあるR156を北上して県道に入り、桧峠(ひのきとうげ)を越え石徹白の集落を過ぎると白山中居(はくさんちゅうきょ)神社だ。石徹白川を渡る道を左に分け、残雪時期には歩く必要のある舗装林道を6km進むと水場、休憩舎、トイレ完備の石徹白登山口だ。山の端が朝日に輝く快晴だが週日のせいか一番乗りだ。
登山口から石段を10分ほど上ると天然記念物の大杉だ。樹高25mとそんなに高くないが幹径4mもある力強さを感じさせる大木だ。しばらくガマズミやウツギの咲く尾根端の道を登るとブナ林が美しい稜線だ。途中「登山口から1km」の標柱があり、以降山頂まで1km毎の表示だ。やがて、おたけり坂と称する急坂が現れ、振り返ると野伏ヶ岳(のぶせがだけ)や薙刀山(なぎなたやま)が樹間から望める。雨宿りし難そうな雨やどりの岩屋を過ぎると小木帯のなだらかな尾根道となり、北側に銚子ヶ峰(ちょうしがみね)の肩を垣間見ながら進む。標高1500メートル付近から稜線下の笹薮に残雪が現れ始める。出発して約2時間で神鳩ノ宮(かんばとのみや)避難小屋だ。サンカヨウが咲き残り、シナノキンバイの咲く広場から東へ下ると水場があるらしいが未確認。内部は炊事用具やストーブもある清潔な板敷きの小屋だ。
(石徹白登山口) (標高差百米の石段を上がる)
(天然記念物のいとしろ杉)
山頂まで続く1km毎の標柱)(なだらかなブナ大木尾根を登る)(おたけり坂から野伏ヶ岳(左))
(雨やどりの岩屋)
(高木のなくなった尾根道を行く) (北に見える銚子ヶ峰肩)
小屋前の小さな祠の左の薄暗い溝状の登山道をしばらく登るとやがて森林帯を抜けた笹原の尾根道だ。振り返ると越美国境の山々や野伏ヶ岳が望める。北向きから西へ方向を変えつつ高度を上げ、南には神鳩ノ宮避難小屋が尾根の中ほどに、北には別山が初めて姿を現し始めた。団子を重ねたような母御石(ははごいし)を過ぎると北向きの尾根となり、なだらかな広い笹原を進むと銚子ヶ峰三角点広場だ。白山は見えないが、これから向かう一ノ峰から別山に続く稜線、稜線から西へ分岐している願教寺山(がんきょうじやま)から野伏ヶ岳に続く支稜線、南には越美国境の山々、朝の内は透明度が高く、遠く東方には御嶽山、乗鞍岳、北アルプスなど360度の大パノラマだ。ここで、7時過ぎから登り始めたという単独行の若者が追いついてきてしばらく山談義だ。
(森林帯を抜けた稜線を登る)(越美国境の山々との野伏ヶ岳)
(明るい笹原の稜線を登る)
(神鳩ノ宮避難小屋を振り返る)
(稜線から初めて別山を望む) (だんご石のような母御石)
(銚子ヶ峰手前の笹原を行く) (キンポウゲの道)
(コバイケイソウ咲く銚子ヶ峰)
山頂から別山を正面に見て小木帯の稜線を北上、小さなピークを越えて下り、願教寺山へ続く稜線の分岐点にあたる雪渓に覆われた笠場湿原を左下に見て鞍部から登り返す。紅のミツバツツジ越しに別山を眺めたりしながら時々残雪を踏んで進む。一ノ峰手前から振り返ると、越えてきた銚子ヶ峰の北の肩から願教寺山〜野伏ヶ岳へ向かう支稜線が雄大だ。一ノ峰から一旦下って登り返すと二ノ峰だ。近くの笹薮の中に三角点があるはずだが探すのは止めて先を急いだ。
(銚子ヶ峰から稜線を下る) (残雪の笠場湿原) (稜線に咲くミツバツツジ?)
(一ノ峰登り坂から銚子ヶ峰の肩と野伏ヶ岳に続く稜線を望む)
(尾根道に残雪が現れ始める)
(イワカガミ咲く笹原の道を行く) (一ノ峰から別山)
(一ノ峰から二ノ峰を望む)
(鬼の昇面岩は分からなかった) (二ノ峰、三角点は探さず)
(三ノ峰肩から小屋を振り返る)
(ミネサクラを掻き分けて進む)
(三ノ峰山頂広場)
(三ノ峰から360度のパノラマ)
山頂から満開のピンクのミネザクラを掻き分けて北上、急坂をジグザグに下り、数本のダケカンバが茂る鞍部を過ぎて登り返す。シナノキンバイが揺れる笹原稜線を登り返すと別山平だ。チングルマやハクサンイチゲが開花時期を迎え華やかだ。御手洗(みたらし)池の大部分はまだ雪の下だ。別山とハクサンイチゲを背景に御手洗池の逆さ別山を撮りたかったが、別々の絵になってしまった。この辺りから山頂まで、ハクサンイチゲ、チングルマ、イワカガミ、時にはハクサンコザクラの花園が続く。最後に別山神社の祠にきょうの安全を感謝するとすぐに別山山頂だ。午後になるとガスがかかりはじめ、山頂に雲のかかった景色だが雄大な景観だ。白山の弥陀ヶ原(みだがはら)や室堂(むろどう)平はまだまだ雪深いようだ。山頂でゆっくりしたかったが、いまは午後2時に近く、下りに5時間は必要なので、明るいうちに下山できるようにそそくさと下り始めた。このルートの下りは厳しい道だ。特に、疲れた体にとって、三ノ峰の上りと銚子ヶ峰の上りがしんどく、最後のおたけり坂の急な下りでは踏ん張りがきかず、ふらふらになってやっとの思いで明るい内に下山できた。帰途、東海北陸道の工事通行止めに遭遇、走ったことのない美濃ICで放り出され、岐阜各務原ICに入るまでの間、市街地をうろうろ、午後11時過ぎにやっと帰阪だ。
一年中で最も日の長い時期と天候に恵まれ、僕にとって最難関の日帰り山行が達成できた。復路は体力的にヘロヘロで歩くのが精一杯だったが、体力的に余裕のある往路では、透明度が高いお陰で周りの景観を楽しみつつ、草花を愛でながら歩くことができた。個人的には、別山からの白山を中心とした展望、別山平や御手洗池付近のお花畑、三ノ峰からの別山を中心とした展望、銚子ヶ峰からの野伏ヶ岳〜願教寺山を中心とした展望など、美濃禅定道の素晴らしさを味わうことができた。
(三ノ峰から下って登り返す) (ダケカンバ茂る稜線鞍部) (鞍部から三ノ峰を振り返る)
ガマズミ(大杉) ウツギ(大杉) マイヅルソウ(おたけり坂)
ナナカマド(おたけり坂) アカモノ(雨やどり岩屋) ハナニガナ(雨やどり岩屋)
タチツボスミレ(神鳩ノ宮) ゴゼンタチバナ(神鳩ノ宮) ギンリョウソウ(神鳩ノ宮)
ミヤマキンポウゲ(神鳩ノ宮) シナノキンバイ(神鳩ノ宮) エンレイソウ(神鳩ノ宮)
ユキザサ(神鳩ノ宮) ミツバオウレン(母御岩) ズミ?(母御岩)
ショウジョウバカマ(母御岩) ヒメバライチゴ?(銚子ヶ峰) コバイケイソウ(銚子ヶ峰)
イワカガミ(銚子ヶ峰) ツマトリソウ(銚子ヶ峰) ミツバツツジ(銚子ヶ峰)
ツバメオモト(一ノ峰) キヌガサソウ(一ノ峰) サンカヨウ(一ノ峰)
スミレ?(一ノ峰) カンサイタンポポ?(一ノ峰) キランソウ(二ノ峰)
トウダイグサ(三ノ峰) ムシカリ(三ノ峰) ミネザクラ(三ノ峰)
タカネイバラ?(御手洗池) チングルマ(御手洗池) コヨウラクツツジ(別山)
ヒメイチゲ(別山) ハクサンコザクラ(別山) ?(別山)
オオバキスミレ(別山) ハクサンイチゲ(別山) ミヤマダイコンソウ(別山)
ツクバネソウ(別山) カラマツソウ(三ノ峰) ヤマゼリ?(三ノ峰)
ハクサンチドリ(二ノ峰) タムシバ(神鳩ノ宮) イヌザクラ(大杉)
★ルート断面図
★地 図
(1)登山口〜銚子ヶ峰 (2)銚子ヶ峰〜別山
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 白山・荒島岳
・2万5千分の1地形図 白山、二ノ峰
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