釈迦ヶ岳(1799.6m)孔雀岳(1799m)

 

★ひとこと   「前鬼から三重滝、孔雀尾根を経て釈迦ヶ岳周回」

三重滝へ向かう途中の垢離取場


★行った日   2013年7月25日(木) 晴時々曇 単独

★コース

高槻4:13(近畿高速)=八尾IC(府道2)=藤井寺IC(西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R309、R169、林道)=7:29前鬼林道ゲート7:40→小仲坊8:13→閼伽坂峠8:40→9:05垢離取場9:15→三重滝9:40→稜線取付き10:00→10:29休憩10:35→11:18休憩11:22→12:32小峠山分岐12:39→P1477(十郎山分岐)12:52→13:18P1551 13:25→13:58休憩14:04→奥駈出合14:29→14:45孔雀ノ覗14:51→橡の鼻15:14→(1799.6m)釈迦ヶ岳16:00→16:30深仙の宿(水なし)16:38→太古の辻16:58→二つ岩17:29→18:05小仲坊18:10→18:35前鬼林道ゲート18:48(林道、R169、R309、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻21:50

 大峰山脈中、優れた山容と広大な眺望をもつ釈迦ヶ岳だ。前鬼(ぜんき)を起点に三重滝(みかさねのたき)から孔雀(くじゃく)尾根を経て奥駈道に至り、見所豊富な稜線で釈迦ヶ岳を経て周回の計画だ。暑い時期の長丁場なので余裕を見て出発、しかし、近畿高速の松原JCTが工事通行止めで八尾ICで放り出され、次にどこのICから入るのか分からずうろうろ、藤井寺ICからやっといつものコースだ。不動七重(ふどうななえ)の滝を眺めながらゲート前広場に着いたのは計画より3、40分遅れだ。
 4年前には黒谷吊橋は通れたがいまは完全通行止め、三重滝への近道をあきらめ車道を歩き始めた。すぐ先でP1105を通る黒谷峠へ向かうはっきりした踏み跡を見送り、車道を道なりに直進、小仲坊(おなかぼう)の裏から道標に従って三重滝に向かう山道に入る。始めは少し薮っぽいがすぐに歩き易い道となり、しばらくなだらかに山の中腹を進む。やがて崩壊した谷筋で、黒谷吊橋に向かう自然に返りつつある道を右に分け、左の山肌を上る道に入り、しばらくなだらかに登って行くと閼伽坂(あかさか)峠だ。閼伽坂地蔵の祀られた峠から閼伽坂尾根伝いに二つ岩へ通ずる歩き易い旧道が新宮山彦グループのご尽力で回復したそうだ。太古の辻(たいこのつじ)から前鬼へ向かう際に階段なしで下れるので下山時に通るつもりだ(時間切れで通れず)。峠から大木の点在する急坂をジグザグに下り、桟道の下の鎖場を降りると小沢を渡る。水が美味そうだったの不精して流れから直接に飲もうと身をかがめた途端、足元の丸石がぐらり、見事にひっくり返り、右ひざ打撲、左手突き指で2日経ってもまだ完治しない有様だ。痛さをこらえて垢離取場(こりとりば)へ下り、透き通った水に手を浸してしばらく休憩だ。素晴らしく透き通った淵、千丈ヶ湖?、上流へ内離谷、さらに孔雀谷へと続いているようだ。この時ばかりは沢屋さんは羨ましい限りだ。淵の下流側の大石を渡り歩いてU字足場で左岸へ上がると標識の建つ垢離取場の小広場だ。増水時は難儀しそうな所だ。アップダウンしながら山腹をしばらく進むと鉄梯子の降り口が現れ、梯子の下から正面に渇水状態の千手(せんじゅ)滝、下方には不動滝の落ち口が見えたが馬頭(ばとう)滝はさらに上方へ鉄輪鎖で登るそうだ。行場巡りは恐ろしそうなので、三重滝の真ん中の滝、濡れた一枚岩の岩盤があるだけの千手滝を見ただけで、滝谷(三重滝の谷)右岸尾根の稜線まで戻り、この尾根に取付いた。

  (黒谷吊橋は通行止め)           (小仲坊)         (建物裏の三重滝道標)

  (なだらかな山道を行く)         (閼伽坂峠)         (山肌をジグザグに下る)

   (桟道から鎖場を下る)    (垢離取場からU足場を上る)   (垢離取場の小広場)

  (谷沿いに美しい道を行く)    (急な鉄梯子を下る)    (三重滝の一つ涸れた千手滝)

 (山道から稜線へ取付く)    (しんどい急な尾根を登り続ける) (ブナやヒメシャラの美尾根)

 しんどい急な尾根を登り続けるが、標高が低く気温が異常に高いので消耗が激しく、大量の汗をかき、水ばかり消費して10歩登っては息を整える繰り返しだ。それでもヒメシャラ、ミズナラ、ブナなどの美しい尾根が続くのが救いだ。尾根取付きから小峠山分岐まで標高差650メートルを2時間半も費やし、小峠山分岐到着は出発の遅れもあって当初の計画より1時間以上の遅刻だ。小峠山(ことうげやま)分岐からは勾配もゆるく、若干涼しくなってやっと元気を少し取り戻し、すぐに十郎山分岐のP1551の三角点だ。以前はテープや表示板があったが、いまは何もなくすっきりした感じだ。ブナ林尾根や針葉樹林尾根を通り、P1551を過ぎて左の樹間から五百羅漢(ごひゃくらかん)を眺めながら一旦鞍部まで下り、次に岩稜尾根の北側を巻いて登る。やがて、倒木の多い針葉樹の急坂を息を切らせて登りつめると奥駈道出合だ。三角錐の釈迦ヶ岳の先端を眺めながら針葉樹がまばらに生えた緑の草原尾根を進む。鳥の水は渇水状態だ。孔雀岳の西側を巻いて稜線に出ると孔雀ノ覗(くじゃくののぞき)だ。孔雀又左谷の斜面に五百羅漢が林立する姿が見えるはずだが、きょうはガスのため真っ白だ。東半分がガスに覆われた笹原尾根を進み、両峯分け(りょうぶわけ:胎蔵界と金剛界の境界)のキレットを越えるとすぐ先が蔵王(ざおう)権現の祀られている橡の鼻(えんのはな)だ。

(小峠山分岐手前のヤセ尾根) (なだらかピークの小峠山分岐)  (P1477の十郎山分岐)

  (ブナ林の幅広尾根を行く)     (針葉樹林帯を行く)      (樹間から望む五百羅漢)

  (岩稜尾根を巻いて進む)  (倒木の多い苔むす急坂を登る) (孔雀岳北で奥駈道と合流)

 (好展望の笹原尾根を行く)    (何も見えない孔雀ノ覗)     (ガスった孔雀又谷)

 (釈迦めざして笹原稜線を行く)  (両峯分けのキレット)    (蔵王権現の祀られた橡の鼻)

 弥勒岩(みろくいわ)の東側を巻き、馬の瀬の岩稜を過ぎて急坂を頑張ると釈迦ヶ岳一等三角点だ。釈迦如来の銅像の建つ山頂は360度の大展望だが、きょうは雲が多く霞もかかって八経ヶ岳方面がほのかに望めるだけだ。計画では3時の予定が午後4時になってしまい、そそくさと下り始めた。笹原を東へなだらかに下り、旭登山口を右に分け、東へ稜線を下ると深仙の宿(じんせんのしゅく)だ。きょうは異常に水を消費し、四天石(してんせき)大岩壁下の香精水(こうしょうすい)を期待したが渇水状態で駄目、仕方なく残り少ない水を節約しながら下り始めた。大日岳の山裾をかすめ、太古の辻から前鬼へ樹林の斜面を下るが、この道はしばらくぶりだ。途中、大日谷の崩落面で登山道が消滅、どこへ続くのか少しうろうろ、同じ右岸の少し下流の残っている階段から道が続いていた。二つ岩を過ぎた所で閼伽坂尾根道分岐だ。時刻が遅いのでこの尾根道は次の機会にゆずって、階段道を黙々と下り、小仲坊でやっと水にありつき、何とか明るい内にゲートへ帰着した。
 孔雀尾根も美しい稜線だが、三重滝から孔雀尾根出合までの滝谷右岸尾根は落葉広葉樹の茂る清々しい尾根だ。孔雀岳から釈迦ヶ岳へかけての見所満載の稜線歩きも素晴らしかった。きょうは異常に暑く、完全にバテてしまった。この時期に、この距離、累積標高は僕にとって荷が勝ち過ぎたようだ。

      (弥勒岩)           (馬の背の岩稜を行く)    (釈迦ヶ岳でとうとう午後4時)

                 (釈迦ヶ岳山頂からガスのとれない大展望)

  (山頂から笹原を下る)      (水の涸れた深仙の宿)     (大日岳の山裾を下る)

  (太古の辻から前鬼へ下る)        (二つ岩)        (閼伽坂尾根分岐を見送る)

  (連続した階段道を下る)       (小仲坊でやっと水を補給)     (やっとゲートへ帰着)

★道で出会った花

    ガクウツギ(林道)        コナスビ(小峠山分岐)    カニコウモリ(小峠山分岐)

   バイケイソウ(P1477)     ヤマホトトギス(P1551)   ヤマアジサイ(両峯分け)

   キンレイカ?(橡の鼻)      ガクウツギ?(馬の背)    ミツバツチグリ?(馬の背)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大峰山脈
・2万5千分の1地形図  釈迦ヶ岳

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