★ひとこと 「空木平避難小屋泊まりで池山尾根から空木岳へ」
早朝の空木岳から南駒ヶ岳を望む
★行った日 2013年8月27日(火) 曇一時晴
単独
2013年8月28日(水) 晴 単独
★コース
(1日目)
高槻3:19(名神、中央道)=駒ヶ根IC(県道75、林道)=7:11林道登山口7:24→8:35水場8:45→9:24尻無9:32→9:47マセナギ9:52→10:50休憩10:58→11:28休憩11:36→12:07休憩12:12→分岐13:16→13:23休憩13:41→14:00空木平避難小屋14:33→15:39駒峰ヒュッテ15:58→駒石→分岐16:41→空木平避難小屋16:55
(2日目)
空木平避難小屋5:10→駒峰ヒュッテ6:14→6:24(2863.7m)空木岳7:11→7:52空木平避難小屋8:23→分岐8:46→10:14休憩10:22→マセナギ10:37→尻無10:42→11:07水場11:12→11:57林道登山口12:02(林道、県道75、広域農道、県道15、清流苑)=松川IC(中央道、名神)=高槻17:37
伊那谷と木曽谷を分ける中央アルプスの真ん中にそびえる山容、名称とも魅力的な空木岳(うつぎだけ)だ。伊那側の林道終点から池山尾根を登って空木平(うつぎだいら)避難小屋に宿泊、翌朝に空木岳を経てピストンの計画だ。駒ヶ根ICから菅の台(すがのだい)を経て林道に入るが、高度を上げるに従い悪路の地道となり、最後は最徐行でやっとトイレや休憩舎の建つ登山口駐車場だ。何とか最後のスペースにもぐりこんだが、10数台で満車なので休日は下の方に止めることになりそうだ。
トイレの横から急坂の近道があるが(下山時に利用)、林道の奥の登山口から美しい広葉樹林の遊歩道を進む。下界は晴れだが、ガスが立ち込めたり照ったりと変な天気だ。笹原林床のカラマツ林にはサルオガセがぶら下がった木々もあり、退屈しないでなだらかな遊歩道を進む。やがて水場到着、2日分の水を汲み、ぐっと重くなったザックを担いで、坂道になってきたオオシラビソの山道を登リ始める。遊歩道を見送って登山道の急坂をしばらく登ると稜線出合の尻無(しりなし)だ。ここで遊歩道の尾根道と合流して、稜線を進むと笹原鞍部のマセナギだ。この辺りから標高2000メートル台となり、コメツガ林にダケカンバが目立つようになってくる。梯子や桟道が現れると、鎖場もある大地獄(おおじごく)、小地獄(こじごく)だ。大、小地獄で迷尾根を越え、樹間から雲のかかった木曽駒ヶ岳の稜線を眺めながら大木のオオシラビソやダケカンバの茂る稜線の北側山腹を進む。重荷の上に急坂が続くので体力がもたず、30分毎にフーフー云いながら休憩だ。当初、駒峰(こまほう)ヒュッテに泊るつもりだったが、重さにバテて近場の空木平避難小屋でストップだ。稜線の分岐点から倒れたダケカンバを乗り越えながら空木平へ下り始めた。空木平へ近づくと、シナノキンバイやハクサンフウロなど、草花が美しい別天地だ。沢は殆んど伏流、少し流れが出た所もあるが、夏の終わりには水を期待しないほうが安全だ。やがて目前に避難小屋が空木岳を背景に現れる。トイレもある美しい小屋(利用料千円含トイレ代)だ。
(池山尾根の林道終点登山口) (広葉樹林の遊歩道を行く)
(サルオガセのカラマツ林を行く)
(水呑場の笹原林床を行く) (オオシラビソ林を行く)
(尾根道遊歩道分岐の尻無)
(樹林帯尾根道を行く) (梯子が多くなる) (大地獄の鎖場)
(小地獄の急坂を登る) (P2415付近から木曽駒ヶ岳)
(樹林帯を行く)
(空木平避難小屋分岐) (ダケカンバの森を空木平へ) (空木平の避難小屋)
小屋でぶっ倒れていると急に賑やかになり、入ってきたのは地元男女5人の若者グループだ。挨拶後、夕方の散歩だ。カール地形の底に広がる空木平は高山植物の豊富な所だ。ガスに覆われた空木岳山頂めざして沢筋を登り、ハイマツ帯を横切って、背後に広がる伊那谷とその彼方の雲をかぶった南アルプスを振り返りながらガレ場を登りきると尾根上の駒峰ヒュッテだ。山頂はすぐだがガスに閉ざされているので、登頂はあすにしてヒュッテで缶ビールだ。ヒュッテ滞在の福島や四国からの登山者と歓談後稜線を下った。駒石を初めハイマツ原の中に大岩の点在する雄大な尾根を伊那谷へ向かって下るが、ここはホシガラスの多い所だ。ヒュッテから40分ほど下って稜線分岐から15分ほどで空木平避難小屋だ。日暮れにはガスもとれて青空となり、夜も更けるとあすの晴天を約束するような星空だ。いつもの夕飯後、若者たちの話し声を子守唄に寝てしまった。
翌朝は素晴らしい晴天に恵まれ、サブザックだけで空木平から空木岳山頂散歩だ。逆光に黒々と連なる南アルプスの山並みを振り返りながらカールを登ると朝日に輝く駒峰ヒュッテの建つ稜線だ。北に木曽駒ヶ岳から続く稜線を眺めながら砂岩帯を急登すると空木岳岩峰だ。早朝の山頂は文字通り360度の素晴らしい眺めだ。木曽谷側には乗鞍岳、御嶽山から南へ延びる分水嶺の飛騨の峰々、さらに遠くに白山まで望めた。伊那谷側には南アルプスや八ヶ岳の山並み、遠くには富士山や秩父山地まで望めた。
(花盛りの空木平) (空木平からカールを登りつめる)
(駒峰ヒュッテ)
(駒峰ヒュッテから稜線を下る) (大岩上のホシガラス) (巨大な駒石)
(ハイマツの稜線を下る) (北に見える木曽駒ヶ岳)
(空木平の避難小屋へ戻る)
(朝日を浴びる駒峰ヒュッテ) (木曽駒ヶ岳を右に見て山頂へ) (空木岳三角点)
(空木岳から360度の展望、南〜西〜北)
(空木岳から360度の展望、北〜東〜南)
赤椰岳(あかなぎだけ)から南駒ヶ岳へ魅力的な岩稜が続き、4、5時間で南駒をピストンできそうだが、その時は体調が少し優れないため下ることにした。山頂から伊那谷の向こうに南アルプスを眺めながらカールを下り、空木平避難小屋でザックをゲット、往路通りに下る。軽くなったザックは、上りを割り引いても往路のしんどさが嘘のようだ。快調に下り、林道登山口に昼前に帰りついた。こんなに調子が戻るのであれば南駒ヶ岳まで行けばよかったと悔やみつつ、駒ヶ根から広域農道で松川へ向かい、清流苑で汗を流し、帰阪した。
山頂の岩峰、展望、ある程度の困難さのある山頂までのルートなどから、空木岳は中央アルプスの中で、最も魅力的な山だ。今回は空木平を主目的にしたが、カール地形に広がる華麗なお花畑や立派な避難小屋が優れものだ。沢筋の水は涸れる恐れがあるので要注意だ。
(山頂から御嶽山と乗鞍岳) (山頂から南駒ヶ岳)
(山頂から南アを正面に下る)
(空木平の花畑) (青空に浮かぶ南アの稜線) (樹間かえら見える木曽駒ヶ岳)
(ダケカンバの尾根を下る) (迷尾根付近を下る)
(マセナギ付近の笹原を下る)
(やっと水場到着) (カラマツ林を下る) (林道登山口の休憩舎)
ヒヨドリバナ(遊歩道) ノリウツギ(遊歩道)
オオヒョウタンボク(水場)
セリバシオガマ(尻無)
カニコウモリ(マセナギ) ゴマナ(大地獄)
キオン?(大地獄) ハンゴンソウ?(大地獄) ミヤマシシウド?(小地獄)
シモツケソウ(小地獄) オミナエシ(小地獄) ミヤマトリカブト(小地獄)
トリアシショウマ?(P2415) ヤマハハコ(P2415) ダイモンジソウ(P2415)
イタドリ(空木平) タカネヒゴダイ(空木平) マルバダケブキ(空木平)
ナルコユリ?(空木平) トモエシオガマ(空木平) オヤマリンドウ(空木平)
ニコウキスゲ(空木平) ヤマゼリ?(空木平) シナノキンバイ(空木平)
コバイケイソウ(空木平) ミヤマキンポウゲ(空木平) ヨツバシオガマ(空木平)
チングルナ(空木平) ウメバチソウ(空木平) モミジカラマツソウ(空木平)
バイケイソウ(空木平)
ハナイカダ(空木平) ミツバツチグリ(空木平)
アオノツガザクラ(空木平) チングルマ(空木平) ミヤマカラマツソウ(空木平)
チングルマ(空木平) ミヤマアキノキリンソウ(空木平) イブキトラノオ(空木平)
エゾシオガマ(空木平) エゾシオガマ(空木平) タカネヨモギ(空木平)
ハクサンフウロ(空木平) ウサギギク(空木平) イワツメグサ(空木平)
イブキボウフウ?(空木平) ミヤマホツツジ(空木平) ナナカマド(駒石)
ハイマツ球果(駒石)
ハクサンチドリ(空木平) カンチコウゾリナ?(空木岳)
トウヤクリンドウ(空木岳) センジュガンビ(遊歩道) サラシナショウマ(遊歩道)
★ルート断面図
(1)林道登山口〜空木平避難小屋
(2)空木平避難小屋〜空木岳〜林道登山口
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 中央アルプス・木曽駒・空木岳
・2万5千分の1地形図 空木岳
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