タイジョウ(1061m)

 

★ひとこと   「蓮如旧跡から北谷右尾根でタイジョウを経て杉峠へ」

タイジョウ山頂(山名板は雪の下)


★行った日   2014年2月1日(土) 晴後曇 単独

★コース

高槻5:26(名神)=八日市IC(R421、県道189、林道)=6:53岩ヶ谷林道起点7:11→桜地蔵7:58→8:36蓮如上人旧跡8:46→小谷渡渉9:09→10:45Ca1001(SS着)11:02→(1061m)タイジョウ11:37→13:02Ca1085 13:25→イブネ分岐13:34→(1121m)清水峠の頭13:39→13:58杉峠14:03→14:38休憩(SS脱)14:45→蓮如上人旧跡15:03→桜地蔵15:30→16:09岩ヶ谷林道起点16:20(林道、R307、R1)=栗東IC(名神)=高槻18:30

 鈴鹿中部、雨乞岳の北に位置するタイジョウだ。蓮如上人旧跡から北谷右岸尾根でタイジョウを経て杉峠へ周回の計画だ。この数日、暖かい日が続いているので甲津畑(こうづばた)を過ぎても雪を見ることもなく、残雪皆無の鳴野橋に到着だ。
 岩ヶ谷林道起点のチェーンをまたいで落石の多い林道へ、ソールの曲がらない重い冬靴での地道林道歩きはあまり愉快ではない。荒れ果てた林道をゆっくり進み、ちらほら残雪の現れた桜地蔵を過ぎ、出発して1時間も歩くと雪原と地肌が半々の林道終点の三角屋根の避難小屋だ。ちょっと先のツルベ谷出合で大峠を右に分け、広葉樹が多くなってきた山裾の道をさらに30分ほど進むと、地肌の露出した広場に建つ蓮如上人旧跡だ。計画ではここからSS(スノーシュー)を履くつもりだったが、雪が少なく何もつけずに出発だ。旧跡のすぐ上のシデの大木の横から河原へ下り、大石で流れの狭まった所を飛び渡り、右岸の台地を上流へ進む。山抜けを避け、その手前を上へ登ると薄い踏み跡(ケモノ道?)を発見、山肌をトラバース気味に下ると北谷の西隣の小谷だ。これを渡渉、あとは目の前の急な北向きの稜線を登るだけだ。いくら南面の稜線といっても雪が少な過ぎだ。と言っても、この急斜面に雪が付いてラッセルを要求されるなら僕の体力では無理だ。幸い、この稜線には殆んど藪はなく、両手で小木の助けを借りて何とか体重を引き上げ続けることが出来た。振り返ると葉を落とした樹間から白銀のイハイガ岳や綿向山が見え、積雪がつながり出すとともに勾配が徐々に緩くなり、間もなくCa1001の尾根端のピークだ。休憩後、膝くらいまで踏み抜き始めたのでSS装着だ。東にこれから通るCa1084や杉峠の頭の稜線を眺めながら、気持ちの良いブナ林の幅広尾根を小さなアップダウンを幾つか越えてなだらかに登る。春山のような暖かさ、所々で約10センチほど沈む雪の重さに辟易しながら最後に尾根を登りつめると主稜線出合だ。足跡を振り返ると、つぼ足で歩く巨人の足型のようだ。小高い丘に数本かたまって生えている見覚えのある曲りくねった樹木が山頂の印だ。木の根元に「ここはタイジョウです」の山名板が埋まっている筈だ。

 (雪のない岩ヶ谷林道起点)    (残雪のない林道を行く)  (ちらほら雪が現れた桜地蔵)

(やっと残雪の目立つ林道終点) (ツルベ谷出合の古屋敷跡)  (地肌露出の蓮如上人旧跡)

(旧跡上のシデの大木から河原へ)(フジキリ谷の流れを渡る)   (右岸の台地を上流へ)

  (山腹の踏み跡をたどる)    (北谷の西の小谷を渡る)   (北谷右岸尾根に取り付く)

(急坂の尾根をジグザグに登る)(樹間からイハイガ岳と綿向山)(Ca1001直下から雪が連なる)

   (Ca1001でSSを履く)  (タイジョウ目指して快適尾根を行く)(東にはCa1084と杉峠の頭)

(タイジョウ手前の尾根を登る)    (タイジョウ頂上)         (山頂から尾根を東へ下る)

 タイジョウ山頂からなだらかな東尾根をルンルン気分で下ると、いよいよアップダウンの激しいヤセ尾根だ。所々で地肌が出ているがシャクナゲの小木が稜線を遮っている所は踏み抜きの落とし穴なのでSSは履いたままで悪戦苦闘だ。下りは何とかなっても鞍部を過ぎて急な上りになるとお手上げだ。積雪時の何もない両側の切れ落ちたヤセ尾根も怖ろしいが、ヤブのヤセ尾根の急坂の上り難さは想像以上だ。数ヵ所のキレット状の鞍部を過ぎて、東に水舟ノ峰や大峠の頭の稜線を眺めながら進むとやっとCa1084だ。夏道ではタイジョウからCa1084まで30分の道のりだが、きょうは実に1時間半だ。鉛のような足を引きずり、体力を使い果たして、ここで昼食だ。暖かい食べ物やコーヒーは回復の劇薬だ。元気を回復して広いなだらかな稜線を漫歩、ヤセ尾根の難所で時間がかかったのでイブネを中止、アゲンギョを杉峠の頭へ向う。きょうはイブネへ向った人はいなかったのでトレースはなく、相変わらず10センチばかり沈み込むSSで歩を進める。午後から薄曇の空模様に変わってきたが、杉峠へ向う台地から眺めるイブネの台地や御在所岳が絶景だ。なだらかな稜線を下りきると、申しわけ程度に一本杉が孤立している杉峠だ。峠で鳴野橋から雨乞岳ピストンの単独行男性と歓談、きょう初めての登山者だ。杉峠から避難小屋まで好きなように斜面を下れるのでSSは楽だ。一反ぼうそうからシデの並木道を下り、蓮如上人旧跡の相当手前で地肌露出路面だ。ここでSSを脱ぎ、朝に登った稜線を垣間見ながら旧跡を過ぎ、退屈な長い林道歩きでやっと鳴野橋だ。
 最も寒い季節の雪山歩きを期待したが春山の暖かさだ。SSで歩く雪の重さに辟易したが、お陰で急坂尾根も雪がなくてクリアできた。北谷右尾根は無雪期でも登れるタイジョウへのルートだ。今回、SSで初めて急な藪ヤセ尾根歩きを経験したが、無雪期の何倍も時間と体力を要することを痛感、いい勉強になった。

(SSで登り難いヤセ尾根の始まり)(地肌の出たヤセ尾根を行く) (シャクナゲの踏み抜き尾根)

(最後のヤセ尾根に悪戦苦闘)   (やっとなだらか尾根に)   (東には水舟の峰と大峠の頭)

(Ca1084でほっと一息、大休止)(広い稜線(アゲンギョ?)を漫歩)(イブネを中止、分岐を素通り)

 (杉峠の頭付近を杉峠へ)    (雪原から見える御在所岳)      (杉峠へ稜線を下る)

               (杉峠の頭付近からイブネの台地と御在所岳を望む)

 (杉峠から急坂を適当に下る)  (三角屋根の避難小屋)    (一反ぼうそう、シデの大木)

   (シデの並木道を下る)   (やっと林道終点の避難小屋)     (林道を黙々と下る)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  日野東部、御在所山

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