トガス(1076.8m)

 

★ひとこと   「夜叉龍神社から奥美濃展望の山トガスをピストン」

トガスから廃村門入の彼方の能郷白山を望む


★行った日   2014年3月3日(月) 曇後晴 単独

★コース

高槻5:05(名神、北陸道)=木之本IC(R303)=7:14川上(夜叉龍神社)7:37(便乗)=登り口7:50→8:37(SS着)8:44→稜線出合8:58→10:02P854 10:17→11:35(1076.8m)トガス12:30→13:24P854 13:33→稜線出合14:12→平地14:41→14:49(SS脱)14:54→下り口15:19→15:29川上(夜叉龍神社)15:43(R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻18:34

 奥美濃のホハレ峠を介して蕎麦粒山(そむぎやま)の西に位置するトガス(戸粕?)だ。川上の夜叉龍(やしゃりゅう)神社から尾根通しでトガスをピストンの計画だ。木之本ICからR303を東進、八草(はっそう)トンネル東口でおそらく北尾根で金糞岳へ登っている車2台を横目にしばらく進み、夜叉ヶ池(やしゃがいけ)の標識通りに左折すると夜叉龍神社だ。例年では雪の豊富な時期だが今年は異常に少なく、路面は無論、川上発電所の導水管付近もまったく雪なしだ。当初、導水管沿いに登るべく発電所近くまでホハレ峠へ向う林道を行ってみたが施設内に入れず、発電所前の坂内川の歩道橋も通行止め、仕方なく池乃又林道の冬季通行止めのバリケード付近から尾根に取り付くことにして神社駐車場で出発準備だ。
 神社を出発し池乃又林道入口のバリケードの所で取り付き点を探してうろうろしながらユンボの工事関係者と歓談。これからトガスへ登る話になって、その人は地元のハンターでもあって付近の山は熟知の様子、いつも通る尾根の取り付き点を教えようと、有難いことにそこまでわざわざ車で送って下さった。林道わきの小沢から急坂に取り付き、キックステップでがむしゃらに登ると残雪が現れだして右の小尾根に達し、少し勾配の緩くなった鈍角の小尾根を頑張ると残雪が連なりだして沈み込みも深くなってきたのでスノーシュー(SS)だ。SSを履き、軽くなった足取りでひと頑張りすると稜線出合だ。殆んど平地の幅広尾根の広葉樹の癒しの森を楽しみつつ進むが、気温が高く所々地肌の現れたザラメ状の雪質だ。稜線には昨日のものと思われる単独行のSSのトレースがあるので跡をついて行くことにする。東にはホハレ林道(正確には王子製紙作業道跡)が稜線を回ってうねうねと一筋の線となって続き、その向こうに湧谷山(わくたにやま)から西又を経て蕎麦粒山へ向う稜線が連なっている。出発して約2時間余で途中にある唯一のピークP854だ。南面は視界が開け、金糞岳が雄大だ。ピークからだらだら坂を下り、蕎麦粒山を正面に見ながら雪をかぶったヤブ尾根を登るが、所々で残雪が途切れて藪が頭を出している。急な尾根を登りきると気持ちの良い緩斜面の幅広ブナ尾根だ。しばらくブナ回廊をなだらかに登るとトガス山頂広場だ。一枚の手書き表示板が木の幹に掲げられているだけだ。

   (雪のない川上発電所)     (便乗して池乃又林道へ)   (ハンターの常日頃の登り口)

 (まだら模様の急坂を頑張る)   (沈み込みが深くSS履く)    (癒しの森で稜線出合)

(ホハレ峠へ通じる林道の回廊)  (地肌の露出尾根を行く)   (なだらかな稜線を進む)

      (P854)         (P854から金糞岳を望む) (蕎麦粒山へ向って稜線を行く)

 (心細い積雪の尾根を行く)     (所々でヤブが露出)     (地肌露出尾根もある)

(急坂尾根を過ぎるとブナ尾根) (間近になってきた蕎麦粒山)   (山頂まで続くブナ回廊)

 山頂からちょっと北へ行った所の丸尾根が好展望だ。南西には大タワの右奥に横山岳や左奥には琵琶湖も望める。東北には正面に能郷白山がそびえ、その手前に門入(かどにゅう)廃村跡とともに西谷がうねって延びている。北方では烏帽子山の彼方に篠ヶ峰など越美国境の峰々が真っ白だ。山頂から旧ホハレ峠へ下ってホハレ林道を経て下山してもいいかなと思っていた。しかし、山頂から峠へ下る稜線はヤブが厳しいとのネット情報があり、きょうの様に雪が少ないときにはヤブの急坂下りは危険なので中止だ。ホハレ峠は以前から興味があり、無雪期に門入まで峠越で行ってみたいものだ。唯一水没から免れた旧徳山村の門入村落跡は徳山ダムが完成してホハレ峠からしか道はなくなり、神秘的な名称、門入やホハレ峠は興味が尽きないのだ。一説によれば、門入は門の入口の意味ではなく入は丹生(にゅう)の読み替えで水銀の産地を意味し、ホハレは水銀でほほがはれた峠とも言われているが真偽のほどは不明。山頂付近から西谷方面を眺めているとホハレ峠から林道がうねうねと門入へ下っているのが眺められるが、通り抜けはほぼ不可能だろう。往時は水銀を担いで旧道で旧峠を越えたのではないかと思われる。山頂付近でこんなことを考えながら熱い定番の昼食後往路を下山だ。日のさしはじめた山頂直下の稜線から東に、蕎麦粒山〜金糞岳の山々が雄大だ。湧谷山から西又の稜線、さらに、アラクラ、黒津山から天狗山の稜線が招いているようだ。陽光を浴びながら稜線を下り、往路の出合を過ぎて尾根先端の平地到着だ。林間の平地には導水管の点検部の六角形の傘屋根状の構造物や小型土木機械があり、導水管わきのモノレールが工事中だ。導水管わきは通れそうにないので西へ傾斜の緩い所を選んで下る。積雪の切れた所でSSを脱ぎ、滑り易い急坂を小木を支えにそろそろ下る。林道がすぐ下に見てきた所でツルッ!、握っている木も枯れ木らしくポキリ!、数メートル滑落で太もも打撲ですんだが、2日たっても階段の上り下りが痛いうちみだ。その時はあまり痛まず、勘を働かせて下ると丁度、林道壁面の斜めに切れたところだ。前の坂内川の堰堤の前なので、上から見る場合はこれが良い目標だ。春のような陽光に照らされてぶらぶら林道を戻ると夜叉龍神社だ。無事戻れたことを夜叉龍に感謝して帰途についた。、
 積雪期にしか登れない奥美濃の展望のトガスを楽しむことができた。湿った雪質は重く、所々で落とし穴に落ち込むこともあったが、山頂付近からの奥美濃の山々の展望や稜線のブナ林が素晴らしい。稜線への登り口は稜線平坦部に直接上る登り口のほうが、稜線端部へ直接上るより傾斜が緩く安全だ。

    (トガス山頂広場)       (北へ続くブナ回廊)     (山頂から烏帽子山や篠ヶ峰)

                (トガス山頂付近から南西の大タワ方面を望む)

                (トガス山頂付近から東北の能郷白山方面を望む)

            (トガス山頂南稜線から東方の湧谷山〜西又の稜線を望む)

(蕎麦粒山を振り返りつつ下る) (金糞岳へ向って稜線を下る) (P854から金糞岳と大タワ)

  (往路の稜線出合を直進) (積雪が途切れだした稜線を下る)(導水管上部点検部の平地)

    (ヤブの急坂を下る)       (真下に見える堰堤)    (林道壁面にある下り口)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  美濃川上

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