★ひとこと 「茨川廃村から西尾根で藤原岳を経て迷い尾根で周回」
天狗岩から藤原岳を望む
★行った日 2014年4月19日(土) 晴時々曇 単独
★コース
高槻5:07(名神)=八日市IC(R421、県道34、林道)=6:50小又谷入口P7:02→小又谷分岐7:16→7:50ノタノ坂7:57→茨川廃村8:27→9:03蛇谷分岐9:13→10:02P893
10:10→10:42見晴しピーク10:51→藤原山荘11:08→11:32(1171m)天狗岩11:46→藤原山荘12:05→(1140m)藤原岳12:22→12:25見晴し岩頭12:50→孫太尾根分岐13:24→迷い尾根分岐13:51→14:22茨川廃村14:29→ノタノ坂15:06→小又谷分岐15:19→15:30小又谷入口P15:35(林道)=瀬川林道分岐(林道、県道34、R421)=八日市IC(名神)=高槻17:53
少し遅過ぎたが花の藤原岳へ滋賀県側からのアプローチだ。御池林道から茨川(いばがわ)を起点に西尾根で藤原岳を経て迷い尾根で周回の計画だ。R421の政所(まんどころ)を左折して県道に入り、木地師(きじし)の里、君ヶ畑(きみがはた)から御池林道をしばらく進むと小又谷(こまたたに)林道入口の駐車場だ。3台の先客があったがすでに出発されたようだ。
鎖をまたいで小又谷林道に入り、沈下橋の流れを渡って少し川沿いに進むと小又谷分岐だ。林道からノタノ坂へ向う山道に入り、堰堤前の鉄橋を渡って急な沢沿いの道をしばらく登るとノタノ坂だ。稜線を北上すると土倉岳だが、東へ山腹の道を進む。歩き易い平坦な山肌をぬう道だが、途中に斜面が崩れた所があるので要注意だ。尾根に合流し、古道らしい立派な道を下り、荒れた沢沿いの道を下る。やがて、茶屋川右岸から茨川廃村を俯瞰できる台地の上に出て、急坂をちょっと下ると川の右岸縁だ。流れを飛び渡って広い河原歩きの始まりだ。ブルーシートのかぶった古い建物や砂に少し埋まった鳥居などを眺めながら、時々幅1メートル位の流れを渡りつつ上流へ進む。川縁の木々は新芽を膨らませている程度でまだ寒々とした風景だが、所々で咲くミツバツツジのピンク色の花が救いだ。1.5キロほど歩くと砂洲の中央に1本の針葉樹のある蛇谷合流点の広場だ。蛇谷入口の左角の急な尾根端が西尾根の取り付きだ。薄い踏み跡があるが、適当に歩きやすい所を灌木帯を掻きわけて登り、少し勾配の緩くなった真っ白な花をつけたコブシの点在する広葉樹の疎林帯を引き続き登る。なだらかになった明るい稜線をしばらく進むと休憩適所のP893の平地だ。この辺りからカタクリが点在する疎林帯のなだらかな美しい尾根歩きだ。特に、標高1000メートル付近の平地は正面に藤原岳山頂に向う尾根、南に帰りに通る迷い尾根を望む絶景ポイントだ。標高1050メートル付近で稜線と離れ、東北へ樹林帯のトラバースだ。明確な踏み跡はないが、歩き易い斜面歩きが続く。この樹林帯は今の時期にフクジュソウが咲いているきょうのルート中唯一の場所だ。樹林帯を抜けるとアマナが咲き乱れる草原だ。なだらかな草原をしばらく進むと沢山の登山者が憩っている藤原岳山荘だ。
(小又谷林道入口) (小又谷分岐からノタノ坂へ) (ノタノ坂から茨川へ)
(茨川廃村) (だんだん埋もれていく鳥居) (茶屋川の河原を上流へ)
(蛇谷分岐から急な尾根へ)
(しばらく急な稜線を登り続ける)
(P893手前の緩斜面を登る)
(P893の平地で小休止) (平坦な稜線を行く) (標高千米付近の見晴しピーク)
(稜線に点在するカタクリ) (東北へ樹林をトラバース) (咲き残るフクジュソウ)
(なだらかな草地を稜線へ) (草地に咲くアマナ)
(近づく藤原山荘)
藤原山荘裏の石灰岩地帯をなだらかに登って天狗岩へ向う。以前、この辺りには福寿草が石灰岩の間に生育していたが今は痕跡もなく、生態系が変わったのかもしれない。芽吹きだしたコバイケイソウの目立つ樹林帯を進み、白瀬峠を右に分けて直進すると天狗岩だ。足下には茶屋川の谷筋が伸び、その彼方に鈴鹿山脈南部の峰々が雄大だ。来た道を山荘まで戻り、すっかり藪がなくなって草原になりつつある斜面を、先を行く団体さんに追いつかないようにゆっくり登る。藤原岳山頂は超満員なので少し南の岩稜地帯に移動、貸切状態で大展望の下、昼食だ。
(山荘裏山の石灰岩地帯)
(芽吹きだしたコバイケイソウ) (天狗岩)
(天狗岩から茶屋川を見下ろす) (藤原山荘まで戻る) (藤原岳へ向う団体さん)
(超満員の藤原岳)
(稜線南端の展望岩で大休止)
(展望岩から桑名方面を望む)
(藤原岳展望岩から孫太尾根、御在所岳方面を望む)
岩稜地帯からテープ通りにこのコース髄一の長い急坂下りだ。7年前には足の踏み場もなかった斜面には所々にフクジュソウのコロニーがあるだけで寂しい限りだ。フクジュソウの花は殆んど終わっていたが、僕にとっては珍しい角提灯のような花をつけるミノコバイモ(美濃小貝母)が斜面の3ヶ所位に咲いていた。急坂を過ぎて孫太尾根を左に分け、縦走路をしばらく南下すると迷い尾根分岐だ。ロープで尾根筋を通せんぼして治田(はった)峠へ誘導しているが、ロープをまたいで尾根を直進すると迷い尾根だ。リボンを目印に西へ尾根を下ると迷うこともなく分岐から30分程度で茨川の廃屋の裏だ。河原にて山頂以外できょう初めて出会った単独行男性と歓談、丁度僕と逆方向に周回されたそうだ。往路通りにノタノ坂を経て小又谷入口駐車場へ帰着した。昨年9月に来た時は御池橋手前で御池林道は通行不能だったので、きょうはどこまで行けるか車をミノガ峠へ進めてみたが瀬川林道分岐で通行止だ。ここは鈴ヶ岳から伸びる伊勢尾やT字尾根の左上への登り口のある御池橋から約1.5キロ手前だ。御池林道行き止まり点を確認後往路通りに順調に帰阪。
茨川から初めてのルートでの周回だったが、三重県側と異なり、静かな藤原岳を体験できる道だ。西尾根は茶屋川の河原から急峻に立ち上がっているが、石灰岩主体のため草花が多く見られ、美しい広葉樹の尾根が続く。迷い尾根は山頂から茨川廃村へ下る最短経路のようだ。
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図 竜ヶ岳
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